見出し画像

心に残る句(菫)

菫程な小さき人に生まれたし

夏目漱石

夏目漱石 
内輪では「漱石さん」と呼ばせていただいている 
遠く明治時代に生きた方なのに 活き活きと身近に感じられて 
俳句を通して感じる私の中の漱石さんは 偉大な文豪ではなくて  
繊細で感受性豊かで初々しくて可愛らしい 
そしてどこか寂しさや孤独が垣間見えるとき 失礼ながら時を超えて守ってあげたいような母のような心持ちになってしまう        

野菊一輪手帳の中に挟みけり

夏目漱石

中勘助「銀の匙」
当時の書簡を読むと 漱石さんはこの作品に愛着を持っていたように感じられる
かって漱石さんが読んだ文章を感慨深く辿る
菫の押し花いろいろ

本名は頓とわからず草の花

夏目漱石

こうした軽みのある句もまた良い