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「一つだけ」で勝負する。弱者が強者に勝つ戦略とは?

この人おかしいんじゃないか。横から見ててそう思うぐらい、パン作りに情熱を注ぐ妻。彼女のおかげで、我々のパン屋は開業1年目で毎回行列ができるようになりました。

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おいしいパンを焼くから、行列ができる。昨日の記事では、そう結論しました。でも、おいしいパン屋さんは駅前の便利な場所にもあります。しかも、我々のパンの数分の1の値段です。

それでも、行列ができるのです。なぜでしょう。

開店前、職人(妻)と、店のコンセプトについて何度も打ち合わせして「自家製酵母で作るハードパンとドイツパンの専門店にしよう」と決めました。

これは、ランチェスター法則における「弱者の戦略」です。

「起業しよう」「自分の店を持とう」と考える人なら、ランチェスター法則を聞いたことがあるでしょう。

大きなパン屋さんは、様々なパンを作りますが、自家製酵母による手作りのハードパンまで作れません。

彼らが作れないものを作ることで、ランチェスター法則の「広域戦」を避けて「局地戦」「一騎打ち戦」に持ち込んだわけです。

これはうまくいったのですが、一つだけ見当違いがありました。

我々のパンは、油脂や乳製品を使わず、クラストをハードに焼き上げたリーンなパンばかり。値段は、大きなカンパーニュだと2,000円を超える商品もあります。

こういったパンが好きな人に存在を知ってもらい、高い単価に価値を認めてもらい、買ってもらえるようになるまでどれくらいの時間がかかるのだろう。2年ぐらいは低空飛行だろうか。

そう考えていたのですが、開業してすぐに常連さんがついたのです。我々が考えていた以上に「安くておいしい普通のパン」では飽き足らず「高くても手作りのおいしいパン」を求める人は多いのでした。


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