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パン屋開業1周年。修行経験ゼロなのに行列ができる秘密とは?

パン屋を開業してもうすぐ1周年です。おかげさまで営業日は行列ができ、だいたい完売します。少し売れ残ることがあるのですが、通販に出すと瞬時に売り切れます。

ありがたいことに、残ったパンを廃棄したことはありません。職人(妻)が丹精込めて作った自家製酵母のパンですから、もし捨てることになると断腸の思いなのですが、今のところそういう事態にはなっていません。

職人さんはどこのパン屋で修行されたのですか? とお客さんから質問をいただくことがあります。実は彼女、修行経験はゼロなのです。

修行のため、ある人気のパン屋さんにアルバイトの体験入店してみたら、キャベツ刻むだけで半日が終わって、パンに触れるまで何年かかるかもわからず、独学でやっていくことにしたそう。

で、自宅で焼き始めた彼女。パンにも色々ありますが、自家製酵母で作るハードパンを焼き始めました。

パンの製造には関わらない私は、彼女が何をしているのか理解はできませんが、とても手間のかかる製法でパンを焼いていることはわかります。パンの焼成時に、酵母がベストの状態となるよう、逆算して数日前から準備をしなければならないのです。

研究に研究を重ね、数十冊の専門書を読み込み、自宅のオーブンでパンを焼き続け、彼女の腕はあっという間にプロ並みになりました。

これが「最近流行ってるし、儲かりそうだからパン屋でもやってみるか」という動機だと、うまくいかなかったでしょう。彼女のパンに対する情熱は、そういうところを飛び越えて、狂気さえ帯びています。

そろそろこの記事のタイトルの答えを。彼女がパン作りを理屈抜きに好きで、おいしいパンを焼くから、我々のパン屋に行列ができるのでした。

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