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新しい価値提供に挑む、フィットネススタートアップ「FiT」の成長戦略とは

こんにちは!W fundコミュニティマネージャーの山口かんなです。
今回、W fundが投資先支援の一環として開催している「Beyond シリーズA!VC壁打ち会」がきっかけとなり、ITを活用したフィットネス事業を展開するFiTのシリーズAラウンドが決まりました。
FiT代表の加藤さん、シリーズAラウンドのリードインベスターであるニッセイ・キャピタルの松尾さん、土居さんに、資金調達の背景や今後の方針について、W fund担当キャピタリストの高田と一緒にお話を聞いてきました。

(写真右から)
株式会社FiT 代表取締役 加藤 恵多さん
ニッセイ・キャピタル株式会社 投資部長 松尾 健介さん
日本生命保険株式会社の資産運用部門で株式投資の実務に従事。その後ニッセイ・キャピタルへ出向、キャピタリストのキャリアをスタート。約4年後に転籍し、これまで累計約70社・100億円以上の投資を実行。
ニッセイ・キャピタル株式会社 キャピタリスト 土居 優さん
2016年日本生命保険株式会社入社。資産運用部門で資金調達と短資運用業務、国内・海外企業の審査業務などに従事。2022年にニッセイ・キャピタルへ出向、キャピタリストとして活動中。
W fund インベストメント・マネージャー 高田 拳伍

――ニッセイ・キャピタルのお二人の投資の方針を教えてください

松尾さん:ITサービスに軸足を置いていますが、領域問わず幅広く投資をしています。ステージもシードからレイターまでオールステージで投資をしているので、特徴がないのが特徴かもしれないですね。個人的にはシリーズAの「ここからいくか、いかないか」というフェーズがすごくエキサイティングだと感じています。
これまではリードで投資をさせていただくことが多かったのですが、最近はフォロー投資もするようになってきています。投資後に経営者を見ていく中で、次のラウンドのリード投資をすることも増えてきました。
投資をする時に重要視しているのは経営者。この事業で本気でフルスイングしようとしている経営者を応援したいと思っています。

土居さん:私も領域問わず投資はさせていただいていますが、今年の5月にサステナビリティ課題解決ファンド1号を立ち上げたこともあり、脱炭素関連の技術・サービスや今回のFiTのような健康増進といったSDGs面で社会貢献が期待されるスタートアップへの投資を進めています。

――加藤さんのこれまでのご経歴を教えてください

加藤さん:京都大学在学中、20歳の時にパーソナルジムを作りました。2020年のちょうどコロナのタイミングで、今後やっていきたいことを見つめ直した時に自分の人生を変えてくれた「フィットネス」に向き合っていくことを決めました。この領域はやればやるほど課題感も深いですし、ITを活用することで良くなっていくことを感じたので、スタートアップとしてスタートして今に至ります。

2022年10月に開催したW投資先壁打ち会

――今回の資金調達活動はどのように進めていきましたか?

加藤さん:前回のプレシリーズAの資金調達は高田さんがやりましょう!と言ってくれたので、ラウンドが決まったと思っています。昨年資金調達を進めていくタイミングでWの壁打ち会が開催されたので参加して、松尾さんとお話させていただきました。

松尾さん:初めてお話ししたのが2022年10月の壁打ち会でしたよね。最初はフィットネスジムのお話だったので「めちゃくちゃ競合いるじゃん!これから参入するの?」という印象を持ちました。ただ、その後どういうアプローチで競合との差別化を図っていくかを細かく聞いていくと、ご自身がやってこられたからこそ感じる課題を理路整然と伝えてくれ、共感する部分がありました。
テクノロジーを使いながら、価格も安く、より身近なサービスとしてやっていきますというお話を聞き、既存の競合はたくさんいるものの、加藤さんだったら似て非なるサービスを作り上げられるのではないかという可能性を感じました。他の投資家さんから加藤さんのお話を伺った時も、「加藤さんの会社なら心配していない、大丈夫」と、自分と同じような感覚だったのが印象的でした。

高田さん:壁打ち会の評価シートにも松尾さんはポジティブなコメントを書いてくださってましたよね。

松尾さん:初めてお会いした時からやる気満々、投資はしたいなと思っていました。

土居さん:高田さんに状況を伺いながら、本格的にDDを始めてからは約1ヶ月で投資実行に至りました。

高田さん:数億円のディールが1ヶ月で決まるのはすごいスピードですね。

松尾さん:このくらいのスピードでの投資はよくありますね。意思決定から投資実行までが早いのも弊社の特徴かもしれません。

――FiTのジムの利用者はどんな方々が多いですか?

加藤さん:当社のターゲットは、フィットネスを通じて体を変えたい、前向きな気持ちになりたいというような気持ちの方々。敷居を下げながら、長く続けてもらえるようなサービスにしていきたいと思っています。アプリ上の価値提供もそうですが、ジムで体を動かしてもらう体験まで含めてプロダクトとして作り込んでいくことにこだわっています。妥協せずにひとつひとつ積み重ねていき、リアルとITの両方で価値を感じてもらえるようなサービスにしていきます。

松尾さん:既存のマーケット課題は入会ハードル。FiTは価格や郊外への展開で、そこを解決しようとしていますよね。その後は長く継続してもらう仕組みが重要です。アプリや新たな価値をユーザーに提供して、継続率を高めていくのはこれからのチャレンジだと思います。

――今後、会社としてどんなことに注力していく予定ですか?

加藤さん:組織づくりはもちろん、資金効率を上げて事業進捗を出していきたいと思っています。リアルとITそれぞれに投資をして、定着していただけるようなプロダクトを作り込んでいくことと、良いエリアを抑えることを優先度高く進めていきます。フィットネスは家の近くにあることが大事なので。

高田さん:松尾さんからアドバイスはありますか?

松尾さん:元々投資を決定した時は、出店ペースを上げて2023年末までに100店舗を出す計画でした。その後方針が変わり、「成功モデルを作った後で出店を加速させる」と共有いただきましたが、自分自身もその方針に共感する部分があり、しっかりと成功モデルを作っていく戦略はすごく正しいと思ったのでそこに注力してほしいなと。焦って出店ペースを早めるのではなく、ユーザーもFCオーナーさんも満足するモデルを確立させてほしいなと思っています。

加藤さん:出店スピードを落としても店舗の磨き込みをするあと押しをしてくださるのはありがたいですね。まだ道半ばだと思っているのでまさに作っていかなければいけないところだと思います。

高田さん:全国で成功店舗ができているというのは、広がりの仮説にも繋がりますよね。

加藤さん:来年以降は一気に拡大していきたいと思っています。年内50出店を必達でやります。今までフィットネス業界に無かったような価値提供や、フィットネスを続けてもらえるような仕組みを作っていきたいと思っています。

土居さん:実際にFiTのジムに行きましたが、他のジムとは全然違いました。入店までの心理的ハードルもかなり低かったですし、体を動かそうという気持ちになれる空間になっていると思います。良いものでないと長続きしないので、ユーザーにより良い価値提供をできるかはチャレンジだなと思いますね。

高田さん:ユーザーに真摯に向き合うことが必ず良いサービスを作るということですね。

松尾さん:元々加藤さん自身がジムを運営していた経験が活かされていくところですね。

ニッセイ・キャピタル様オフィスにて

――次回ラウンドはいつごろを予定されていますか?

加藤さん:店舗数と黒字の実績を伸ばし、早ければ来年の春にはアクセルを踏んでいきたいと考えています。一気に拡大していくタイミングで、ニッセイさんが出してくださるんですよね・・・?(笑)

松尾さん:その状況だったら喜んでやりますよ。その時はニッセイ・キャピタルとしてもさらに大きな金額を投資したいと思っています。

加藤さん:松尾さんは「やります!」、と言ったら本当に投資してくださいますよね。すごく頼もしい株主のみなさんに入っていただいていると思っているので、実績を作ります!

最後までご覧いただきありがとうございました。
本記事を読んでW fund投資先向け壁打ち会にご興味をもってくださったVCのみなさまはぜひご連絡いただけますと幸いです。
担当:コミュニティマネージャー 山口かんな

引き続きW fundでは投資先支援活動を強化してまいります!


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