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360°サーベイのコメントが新たな自分を作り出す

 古代ギリシアでは、「汝自身を知れ」と言われ、孫子の兵法では、「彼を知り、己を知らば、百戦して危うからず」と言われています。自分の知ることの大切さは、世の東西問わず紀元前からずっと伝えられています。

 企業組織では、自分を知ることのできる機会として360°サーベイがあります。特に管理職にとっては、自分を知る上で貴重な体験となります。360°レポートには、上司、部下、同僚、自己による幾つかの行動項目の評価点やコメントが纏められています。評価項目は、大きくリーダーシップ、コミュニケーション、戦略立案、専門性などのカテゴリーがあります。

 なぜ360°サーベイをやるのでしょうか?
理由の一つとして挙げられるのは、上司だけでは「見切れない行動領域がある」ということです。上司は、対象者の日々の問題解決や戦略立案の良し悪しについては比較的しっかりと見ていることが多いですが、職場内のコミュニケーションやリーダーシップについては部下の方が正確に把握しているでしょう。そして、部署内(上司や部下)からは問題ないと思われる行動でも、他部署から見ると課題となっていることもあります。そういう場合は、同僚の視点が参考になります。このように360°サーベイで様々な属性の人たちフィードバックをもらうことで、自己のあらゆる側面の特徴が見えてきます。

 「柿沼さんは、まじめだけど、強いリーダーシップで何かを突破する力には欠ける」私が20代のときに、360°サーベイで後輩からもらったコメントです。その頃リーダー職としてそこそこ自信を持っていた私にとって衝撃的なコメントで、怒りさえ感じたのを覚えています。

 でも、それからは、その憤りを情熱に変えこの言葉を思い出しながら、様々な課題に貪欲に挑戦していったように思います。そして、それが確実に今の自分に繋がっています。もし、あの時代に上司評価しかもらっていなかったら、いまの自分はいなかったかもしれません。

 「汝自身を知れ」はアポロン神殿の柱に刻まれているそうです。自分を知る上で周囲からもらった貴重な言葉は、ずっと心に刻んで置く必要があるように思います。皆さんにはそういう言葉がありますか?

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