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たとえ、非効率でも/遠距離恋愛

自分はかなり効率を気にするタイプだと思う。それはお金でも時間でもそうで、上手く効率化する方法を(良くも悪くも)考えてしまう。

効率化の中身だが、多くの人がイメージするものと少し定義が違うかもしれない。一般的にイメージされること、たとえば、遠くに買い物に行く時にそこでしか買えない必要なものをまとめて買っておく、キャンペーンを利用して通常より安く済ますなど、そういうことも含まれる。

だけど僕の思う効率化はもっと広義で、例えば、どこかに出掛ける用事があるとする。晴れの日を選んで出掛ければ、楽しく目的地まで行けるし、服や靴も汚れずにすむ。反対に何も考えず出掛けてその日が雨だったとすると、気持ちは落ち込むし、服が汚れて無駄な手間暇が増える。だから調べる手間はかかっても、ちゃんと晴れの日を選んで、無駄なコストを減らす、そういう感じの内容も含んでいる。

無論、今のは例え話しだけれども、そんな風に極力無駄を省いて生活するのが習慣となっていた。なんとなく、自分は要領良く物事をこなすのが得意だな感じていた。それと同時に「何だか自分って煮えきらない所があるな」と思い、理由がないと動けない自分に少し寂しさを感じていた。


そんな僕だったが、半年前から、客観的に見て、とても非効率だと思うことをやっている。それが「遠距離恋愛」だ。

時間もお金もかかるし、むかしの僕なら「無駄が多い」と得しない行為だと見なしていた選択肢だろう。

しかしいま、それをやっている。そして思うのは、効率重視の自分が、こういう行為を取るのは初めてかもしれないということ。旅行に行くときでも、ただ「いってみたい」という思いだけでは腰が上がらず、「ちょうどバスが安くなってるから」とか、「他にもそこで用事があるし」みたいに、行くための理由を2つ3つ見つけてやっと「行く意味がある」と価値づけて腰を上げるような自分が、だ。

出掛けるのになるべく、「晴れの日」を選んでいた自分が、いまは「雨の日でも、出掛けていく」という状況にいる。「効率がいい」とか、「丁度いい」とか、「ついでに」という、今まで僕が基準としてきた言葉が吹っ飛んでしまっている。

雨で服は泥だらけになるし、歩くのに時間もかかるし、周りの人も「そんな日には普通外には出ないでしょ」、とか言ってる中、わき目も振らず、雨の中、走っていく自分がいる。

不思議なものである。


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