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カフェインとアルコール

コンブチャを飲むに当たって心配な方もいるのが、カフェインとアルコールですよね。今回は、カフェインとアルコールについてご説明致します。

基本のおさらい

まず、コンブチャを作る微生物達は基本的には「糖」のみをエネルギーとして代謝(発酵)します。稀に「コンブチャは、糖とカフェインをエサにしている」と書かれているものもありますが、そうではありません。
人間が白米(糖)で生きることは出来ますが、コーヒー(カフェイン)だけで生きることが出来ないのと同じイメージです。また、人間はカフェインを摂取すると覚醒効果がありますが、コンブチャを作る微生物達にもその効果はあるのです。

デカフェの作られ方

コーヒーショップのデカフェコーヒー。一般的に多くは化学溶剤を用いてカフェインを除去しています。超臨界状態の二酸化炭素を作る装置で化学溶剤を使用せずにデカフェを作ることも出来ますが非常にコストがかかる方法です。どちらも90%以上除去可能ですが、100%ではありません。
そこで10年以上前より密かに研究されているのが、微生物にカフェインを分解させてデカフェを作るという方法です。その技術は私達の身の回りにまでは普及していないようですが、ある実験によると、カフェインは微生物達のいる培養液に入れられてから二十時間で完全に分解されたというデータもあります。

正直に言うと

皆さん驚かれるかもしれませんが、この時代になっても科学や医学で解明出来ないことの方が多いことを先にお伝えしておかなければなりません。お医者さんに行っても「痛みの原因は分からない」と言われることは日常茶飯事で本格的な腸内細菌の研究に至ってはこの四半世紀程の出来事です。
「それは、まだよく分かっていないんですよ。」これは、今年の五月にMykinso Proの検査結果を聞きに行った際に、吉良文孝先生のおっしゃっていた言葉です。これが現状なのです。
同様に、コンブチャにおける研究もまだまだ十分なものではないことに対して、現状をご理解頂ければ幸いです。

頼りになるのは、野生の勘

研究結果を待っている間にも、我々は日々を過ごしているので日々様々な判断が求められますね。例えば「妊婦がコンブチャを飲んでよいのかをネットで調べると賛否両論でどちらを信じれば良いのか分からない」とご相談を頂くことがありました。

まず、個人個人でカフェインとアルコールの代謝酵素がどの程度あるかが異なるため、一概に絶対的なOK/NGを出すことは出来ないはずです。もともとカフェインの代謝酵素が少ない方は、いくら上記で説明したようにカフェインが発酵の過程でほとんど代謝されているはずでも、僅かなカフェインに反応してしまう可能性は否定出来ません。ただ、発酵により、カフェインはほとんどなくなっているので一般的には心配する必要はないと言えます。

また、厳密には作り方や保存方法で多少前後しますが、通常コンブチャにアルコールは最大0.5%発生すると言われています。日本産婦人科医会のアルコールによる胎児性アルコール症候群の発生リスクの見積りによると、一日当たりでアルコール度数5%程度の缶ビール一缶(350ml)未満は胎児への影響は少ないとされています。これをコンブチャに単純計算で当てはめると、(アルコールの摂取量だけで考えると)一日当たり3.5L未満であれば影響は少ない計算になります(笑)この計算結果をどう解釈しますか?

このように、他人が他人に基づいて決定した基準や判断は有難く参考程度にしておいて、何かを取り入れた際にそれが自分に合うかどうかの体感は、自分で感じ取れるように野生の勘を研ぎ澄ましておきたいところです。良し悪しの判断時に一番頼りになるのは、自分の体の声なのです。

妊婦がコンブチャを飲んでいいのかどうかの判断は、最終的にはご自身のアルコール耐性がどれ程あるか?耐性が弱い方は実際に一口飲んでみてアルコールを感じるか?更には、どんなに僅かなアルコールだったとしても摂取することで不安な気持ちにあるのであれば、控えられたら良いのではないでしょうか。

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