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あのドラ息子がよくぞここまで…『ソー:ラブ&サンダー』を観た

 公開してから3週間、ようやく『ソー:ラブ&サンダー』を観られた。哀愁漂う渋いソーも、茶目っ気溢れるソーも好き!そんなわけで感想を。※ネタバレアリ。

ソーの物語を振り返る

 まず、ソーってどんなやつだったっけ?ということを思い出そう。

『マイティ・ソー』

 一作目。わがままで傲慢な王子ソーは父親にブチギレられて地球へ。と思ったら弟ロキが悪さし始める。そんなこんなで迫る危機に、周りの人々を大切に思うようになったソーの聖なる精神が、槌ムジョルニアに認められる。
 ドラ息子が早速改心している。とはいえこの時点ではまだ王子。偉大なパパの傘の下で立派な成長を遂げたわけだね。

『マイティ・ソー/ダークワールド』

 二作目。こちらはソーの成長譚というよりは、弟ロキや恋人ジェーン、強大な力を持つインフィニティストーンなどの掘り下げと布石な印象。ソー自体はあんまり変わらないかな。

『アベンジャーズ』シリーズ1〜2作目

 ソーもアベンジャーズの1人として戦うけれど、物語のメインはキャプテン・アメリカとアイアンマンなので、ストーリーには強く関わらない。彼自身もあまり主張しないで、「地球の脅威は排除する」というスタンス。

『マイティ・ソー/バトルロイヤル』

 三作目。偉大なる父オーディンの死と、破壊の神である姉ヘラの再来によって、国が窮地に立たされる。王として民を導くことを決意した彼は、前向きで器の大きな男になった。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』

 優しさも責任感もある男になったものの、最強の敵サノスによって愛する弟を失い、リベンジを誓うも再び大敗し、全てを失う。のちに無抵抗のサノスを殺すも、喪失感から無気力なビール腹の中年男性になってしまう。しかし、全てを元に戻せる可能性を見出してからは精力的に活動。最終決戦ではキャプテン・アメリカ、アイアンマンと並ぶBIG3としてサノスと相対、辛くも勝利する。その後は地球につれてきた国民たちと共に新たな国(というか町)を作り、旅のために王の座を降りる。
 責任を放棄しているわけではなく、あくまで国民のためそして困っている人のために動こうとしており、器はまだまだ拡大中。アベンジャーズの仲間やガーディアンズオブギャラクシーの面々と親しくなり、チームの戦いもすっかり板についてくる。

 今回の映画、『ソー:ラブ&サンダー』はこれらに続く物語である。成熟したソーはどのように振る舞うのだろうか。

『ラブ&サンダー』で愛に目覚めるソー

 作品冒頭では、少々枯れてはいるものの、自分の助けを必要とする人々がいれば面倒くさがらずに駆け付けて、戦いを平定する日々を過ごしている。建造物をちょっと余計に壊してしまうようなガサツさは消えていない。これがソーの茶目っ気として描かれており、横柄な嫌な奴とならないようにも注意深く描かれていた。原住民には気まずさを感じているし、助けられた側もソーに対して「助けてくれてありがとう。(壊してしまったことは悲しいけれど、不問にします…)」というスタンスであくまで好意的。愛されるキャラクターなのだ。神殺しの脅威となる相手が現れてからの展開に人となり(神となり?)が表れていた。

  • リーダーシップをもって、襲撃された民を勇気づける

  • とらわれた子供たちに寄り添って勇気づける

  • 敵と戦うため、ほかの神々に話をつけに行くのだが相手は高圧的で非協力的。それでも一応きっちり話し合う。(破談するが)

  • 元カノとの気まずい雰囲気の中でも、自分の思いをきっちり伝えるし、相手の思いもきっちり受け止める

  • ご機嫌斜めな相棒武器「ストームブレイカー」の顔色を窺いビールを飲ませる(!?)

とにかく気を利かせまくるし、相手ときっちり向き合える男になっていた。極めつけが終盤の選択で、

  • 他者の愛も自分の愛と同じくらい尊重する

ちょっと達観しすぎなようにも思えるが、愛に生きると決めた彼の決意が良く表れている。『ラブ&サンダー』という副題について、観る前はなんか間抜けだなあと思っていたのだが、観終わってみるとぴったりだと感じる。

 作中で「ソーはパパに向いていると思うけどなあ」というセリフがあった。子供っぽさがあり、思いやりにあふれ、愛に目覚めたソーはアベンジャーズの中でも相当子育て向きだろう。(ほかのメンツはシリアス感が強かったり、他者に気を回す余裕がなかったりする。)私もうんうんと頷いていたのだが、まさか急に子育てが始まるとは思っておらず、今後の展開にワクワクする。

続編は超豪華になりそうな予感!


 エンドクレジット、ポストクレジット二本の映像も次の展開をおおいに楽しみにさせてくれるものであったのも嬉しかった。とくに、ジェーンがヴァルハラにいったよ!というのは永遠の別離ではないという救いがあった。それにヴァルハラが舞台になるかもということは、ジェーンやヘイムダルだけでなくオーディンやママ(名前忘れた)、ヘラが再登場しうるということだ。また、今回不参加だったロキ(多分まだドラマの時間変異取締局で頑張っている)も帰ってくるかもしれない。ソーオールスターズになるかもしれない次回作を楽しみに待とう!!

中途半端だけど、ここまでで終わり。
ネット上の意見を見る限り、続編を作るか完結とするべきかは意見が割れているみたいだけれど、私はとにかく楽しみに待っているよ!よろしく!!!

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