次男と三男

絵描きの次男が、今日から福岡で展示会を開いている。毎度の通り私はネコとお留守番、立川に来ている。風が強い、いろんな色の花びらが目の前を飛び舞う。
2年前からのニューヨークを皮切りに、次男はスイスからドイツ、この後は台湾、パリと、ギャラリーツアーの真っ最中。国内では名古屋や京都、そして福岡、秋には下北沢での展示もあるらしい。エージェントが企画してまわしてくれているから、絵描きさんはひたすら描くだけでいいのだが、なかなかのハードスケジュールのようだ。
生活の基盤はお絵かき教室。ほかにもささやかながら世界中の名画の複製の販売という仕事もある。一方で新人絵描きとして二科展やらに出展しているから、80号、100号を毎年描き上げる必要がある。でもそんな大きな絵はたとえ入賞したとしても、収入にはならない。立川の家の屋根裏部屋に、何枚も積まれたままだ。展示会で売れるのは、ほどよい大きさの絵だから、値段もほどよい程度・・・。描けるときに描く、私が文章を書き続けるのと同じなのかもしれない。
確かに次男は、好きな事をして勝手気ままに暮らしているようにみえる。つかわれの身である長男や三男にとってみれば、「いいご身分」と嫌みのひとつも言いたくなるに違いない。でも、私もそうだったけれど、描いたり書いたり自営で生計を立てるのはラクではない。独り身だから自由でいられるけれど、手を休めることができない、不安はたくさんある。
三男も好きな仕事をしているが、会社員には変わりない。今、中間管理職としてなにかと辛い立場にいるらしい。その三男から、ひとり息子の中学校入学式の画像が送られてきた。「おやじばか」を地で行くことで、社会の中でのいろんな不条理を飲み込んでいるに違いない。40代後半の息子たち、まだまだこれからだ~

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