下着を捨てた

引き出しの中のパンツとブラジャーを全部捨てた。
恥ずかしながら、若いころから胸の大きさがコンプレックスだった。今の私のサバサバした性格、がさつな振る舞いを作り上げる原因となっているのも、この胸。押さえて隠すために締め付けたり、できるだけ体の線が出ない服装を選んだり…。歳を重ね、すべてのラインが下がり緩むにつれ、「もうブラジャーはしないわ」と言う友人が多いけれど、そういうわけにもいかない。大きな胸は悩みの種なのだ。
ピリピリズキズキと帯状疱疹の痛みが消えない今、なんとか刺激のない下着を着けたいと試行錯誤。でかサイズのゆるーいパンツと、ぴちっと体に付かない、留め金や縫い目がない安物のブラ、かぶるタイプの中のパットを外して体につけるのが一番気持ちがいいことがわかった。もちろんタグ類はすべて切り取る。
仕事の時は、従来通りきちっとラインを整える下着を着けて臨んだほうがいいかもしれないと思っていたが、それも止めた。変な緊張感は必要ない。ワイヤー入り、留め金付きのブラジャーはしない。まだ新しい勝負パンツ?もいらない。全部紙袋に入れて、燃えるごみと一緒に捨てた。
代わりに、今引き出しの中にあるのは、脂肪の塊のようなたれた胸とでっぱった腹を、やさしく全部包み込む、肌ざわりのいい、でかい下着たちだ。
できるだけラクに、自然に過ごしたい。

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