【質問箱回答】大学を卒業したらフリーランスを選びたい


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高校生の方からご質問を頂きました、ありがとうございます。

進路や将来的に関わる大事な時期かと思いますので、私なりに考えたことをここでお伝えしようかと思います。

「集団生活に馴染めない」


質問主さまのお悩みの根底はここにあるようですね。まず、これを分解してみましょう。

集団生活とは「人間が沢山集まってできる社会のなかで生活する」ということですが、
質問主さまが苦手なのは恐らくどちらかではないでしょうか。
①人間関係そのものが苦手、コミュニケーションが苦手
②集団になったときのルールややり方に従うことが苦手、自分の思い通りにできないのがつらい

①の場合
人間関係そのものが苦手である場合、なるべく人と関わらなくてもなんとかなる方法を探したくなるものですが、私の経験上、フリーランスとして仕事をするにはコミュニケーションは必須です。
例え上手くなくても、最低限意思の疎通はできないと仕事を受ける段階で躓いてしまう気がします。
人間関係そのものが苦手なら、どういった場面で苦手と感じるのか?を細かく分析してみてください。
電話が苦手なら電話しなくてもメールで済ませられるように工夫することもできますし、気がついたら自分が喋りすぎてしまうのであればチャットのなどでお互いの発言量が見える形でコミュニケーションを取る…なんていうこともできますね。コミュニケーションそのものを避けるのではなく、苦手な部分を何で代用できるか?を考えてみてください。

②の場合
人間が苦手なのではなく、集団や組織となったときに生まれるルールや環境が苦手な場合、フリーランスになれば一応、その渦中に身を置くことはなくなるでしょう。そういう意味では楽かもしれませんが、クライアントが企業であればそこのルールに則って動くことが必要になる時もあります。組織の中に入ることはないのでその分拘束されている感覚はだいぶ薄くはなると思いますが、仕事をする上で組織の中の人っぽい振る舞いが必要になることもあるので、そこは割り切る必要があると思います。
ただ……、質問主さまは「集団に馴染めるかどうかの不安」を抱えているようですが、そもそも馴染む必要があると思うから辛いのでは?とも思います。
特に中学高校では教室や部活は閉鎖的な世界なので、それを窮屈に感じたり「うまく生活するには溶け込んだほうが得」と本能的に思いがちです。
しかし、それはあくまで「得」なだけであって必須条件ではないはずです。
その恩恵を受けるためにとてつもない無理をする必要があるなら、正直割りに合いません。
別に馴染まなくて良いです。
ご自身でしっかり個性を認識して表現できるのであれば、周りと一定の距離感を保ちつつ、お互いに干渉せず、必要な時は険悪にならないよう仲良く穏便に…という立ち回りでも問題ないのではないでしょうか。
私もそんな感じの学生でした。

「プロダクトデザイナー学科を志望」



デザイナーを志望されてるんですね。
デザイナーのお仕事について、詳しく調べたことはありますか?
世の中のプロダクトデザイナーさんは一般的に、「人や社会のために、役に立つものをデザイン、設計する」ことをお仕事とされているようです。
そのために必要なのは、ユーザーのことを真剣に考え、コミュニケーションをとり、クライアントの考えや意図を聞き取る…などのコミュニケーション中心のお仕事だったりします。
必要なスキルは設計の技法やアイデア力だけではないようです。

…少し、思ったことを書かせてください。
ご質問を拝見する限り、質問主さまは比較的アーティスト気質を持つ方なのではないでしょうか?
クライアントに頼まれたことをするよりも、自分のアイデアや創作性、感覚で勝負したいタイプなのではないでしょうか?

「デザイナーの美学は、目立たないこと。黒子に徹して、個性を見せず、ユーザーやクライアントを演出すること」と教えてくれた方がいました。
もちろんデザイナーと一括りに言っても様々なタイプがいらっしゃいますが、デザイナーとアーティストは対極的な存在だと聞きました。

将来の職業を見据える上でも、まずは大学のオープンキャンパスに参加されてみてください。
そして、なるべく模擬授業のあるところを見つけて、実際に行ってみてください(予約が必要なところが多いので、早めに調べることをおすすめします)。
どんな先生が授業をしているのか?授業の内容はどんなものか?どんな学生に来て欲しいと言っているのか?に着目して、ご自身に合うかどうか確かめてみてください。

学校の進路指導について

学校は基本的に「学生は就職するものである」を前提に指導します。
多くの大学が「就職実績」や「就職率」を公開していますが、これは学生を就職させることが大学の実力を証明する、と多くのひと(特に学生の保護者)が考えるためです。
ですので、学校の就職支援を担当する職員さんは「フリーランスになる道もある」とは99%言いません。仮に「フリーランスになりたい」と相談しても、大抵は反対されるか考え直すようアドバイスを頂くことになります。基本的に賛同されることは無いものと考えた方がいいと思います。(たまーーーに反対しない方もいますが、稀です。そして経験上、反対されなくても具体的なアドバイスはいただけないことが大半です)。
最初からフリーランスに的を絞って進路を検討するのであれば、なるべく学校以外の世界から将来への情報源を沢山持ち、ご自身で考えて動けるよう心がけることをオススメします。

編集後記

大学を卒業する前、フリーランスになりたいと就職支援センターの職員さんを訪ねたときのことを思い出しました。
めっちゃ反対されました。
その時はもやもやしていましたが、考えてみたらそこ「就職支援」センターなんですよね…就職を支援するためのところなので、まあそりゃそうか、と…

便利な進路サービスや情報を提供してくれる人が身近にいなくても、自力で情報源見つけてかき集めてなんとかしてやるぜ!という覚悟は必要だよなあ、思いました。

学生からいきなりフリーランスとしての働き方を選ぶ人は本当に少数派だとは思いますが、私自身は、それを否定しない人間でありたいなと思います。

過去の自分の選択を肯定するためにも、そのスタンスは崩さないでいたいなと思いました。


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