いじめられて辛い君へ



 いじめられていて毎日辛い君、死にたいと思っている君、とりあえず死ぬな。

いじめたやつを見返したい、ぶんなぐりたい、また楽しく学校に行きたい、外に出たい、君の中の感情が黒でも赤でも白でもなんでもいいからとりあえず死ぬのを止めよう。スマホを見ているなら、エネルギーはまだあるはずだ。


誰かのためにじゃなくまず自分のために死ぬのをやめよう。お父さんお母さんも君の味方だが、1番の味方は君自身だ。


おちついたら、今から次のことをしてみて。文字を読むのが辛いなら一日ひとつでもいい。


①もし真っ暗な部屋にいるなら、ちょっと窓を開けて外を見てみて。


君が住んでいる家から眺める景色は昔に比べ変わっただろうか。それとも昔から変わってないだろうか。どうだろう。外は明るいかな、暗いかな、空は晴れている、曇っている、それとも雨かな、雪かな。遠くには何があるかな。山かな。海かな。ビルかな。大体眺めたら窓を閉じよう。それだけでいい。


②お腹は空いてない?部屋に何か食べ物はあるかな。なかったら部屋を出てみよう。家族に会うのが恥ずかしかったら、持ってきてもらってもいい。何か自分が一番食べたいものを買ってきてもらうのだ。温かい飲み物もどうぞ。


③部屋に何かあなたが好きなものはあるだろうか。好きなテレビ番組、動画、マンガ、ゲーム。何でもいい。それらをちょっと手にとってみてほしい。読みたいなぁ、遊びたいなぁという気持ちなかなか出てこないかもしれない。でも大丈夫、空にはなっていない。長いこと触ってないから始めるのも億劫?でも1秒だっていい。ちょっと手にとってみて。


どうだろう、気持ちは落ち着いただろうか。上の3つはどうってことないことだ。普段は何も言わなくても普通にできる。でも気持ちが死に向かっていると考えること、感じることができなくなり、目の前がすごく狭くなる。すると今いったこともできなくなる。

 さてまず学校なんか落ち着くまで行かなくていいし、とりあえず上の3つが何も思わずできるようになったら、君はもう死ななくてよくなった。


さて僕はこの記事を読んでほしい対象の子よりかなり年上だ。下手するとおとうさん、おかあさんより年上かも。しかも独身で子供もいない。

 なんだ、じゃあ関係ない怪しいおっさんか、さようならでもいい。上の3つをできるだけでもこのしょうもない作文はほぼ役目を果たしているから。でもちょっとおっさんの話も聞くかと言う人はそのままどうぞ。


 僕は自分にはいじめをうけた子供はいないし、イケメンのモデルでもえらい学者でも成功者でもない。ただ子供の頃にいじめはうけたことがある。また隣の学校にいた友達がいじめで自殺した体験がある。そんな体験を持ち、なんとか死なずに生きている。そんなおっさんだ。



 これを読んでいる人のお父さん、お母さんというのは自分の子がいじめを受けたことをどう受け止めるだろう。怒って学校へ言いにいくだろうか、それともいじめを受けたことが恥ずかしいことのように早く学校へ行けというだろうか、どうだろう。

 多分自分の子供がいじめを受けてどうしていいかわからないんだと思う。

もし学校へ言いに行かれて嫌なら嫌だと言えばいいし、学校に行きたくないなら行かなくていい。行きたいけど行けないのは悪いことじゃない。いじめられていることは何も恥ずかしいことじゃない。いいたいことをいい、やりたいことをやろう。いじめているやつには僕が天罰が降るように祈っておく。


¥君が世界の全てと思っている世界は狭い

 これはお父さん、お母さんは君になかなか言わないことだが、君の生活している世界はそんなに広くない。そんなことわかっているというかもしれないが、スマホで見ている有名なYouTuberの動画やテレビで見る世界の広さじゃなくて君がこれから大きくなって行ける世界が広いという意味だ。これはさかなクンも同じことを言っている。

 君が暮らす世界には両親、おじいちゃんおばあちゃん、学校の友達、先生、塾の先生、よく行くお店、習い事の先生、などなど色々な人がいる。

この中でも学校は一番長く時間を過ごすから、そこにいる人との関係が君にとっては世界の全てだという風に思うだろう。僕もそうだった。

 違うのだ。君は狭い池か水槽にいる小さい魚だ。小さ過ぎて自分がいる場所が世界の全てだと勘違いしている。ちょっと極端な話をしよう。君が小さい頃から友達の子、君をいじめている子、先生、いじられているのに助けてくれない子、学校で色々君を取り巻く人達と全く会えなくなり、連絡も取れなくなり、お父さん、お母さん、家族しにしか会えなくなり、新しい知り合いを一から見つけないといけなくなったとしよう。すると君はもう生きていけないのだろうか。そんなことはないのだ。

 生きていける。君がネットゲームをするならその友達、よくいくお店の店員さん、習い事の先生とか残った素晴らしい人達との関係はそのまま続き、しょうもないやつらはいない、そして抜けた穴を埋めるために君の前にはもっと素敵な人が出てくる。極端かもしれないが、それくらいのものなんだ。もちろん君を気にかける友達との関係は大事にしてくれ。とりあえず学校には行かなくていい。でも誰とも話さないでじっと家にいるとだんだん悪いものが体に溜まってくる。だからゲームのフレンドでも、近くのお店のおばちゃんでも何でもいい、人と話すんだ。小さい池は実は外の世界に繋がっていて閉じていない。


 いじめをしているやつら

ここからはちょっと乱暴な言葉が多くなる。これは僕自身の体験も踏まえて断言しよう。いじめをしているやつというのは10年、20年経ったらまずいじめのことを覚えていない。楽しい学校生活を送ったという綺麗な思い出しか残ってなくて誰かをいじめていたという都合の悪い記憶は消えている。というかいじめられた子の人生をめちゃめちゃにしている自覚、大それたことをしているという意識がないのだ。僕は幸いいじめのターゲットにちょっとなってすぐ終わった。実際にいじめを受けた人はわかるだろうが、いじめるやつというのは相手は誰でもいいのだ。そして君が学校に来なくなって一ヶ月もすれば君のこともそんなやついたなという風になる。

 腹が立つかもしれない。でもいじめをするやつはそういうものだ。そういうやつは放っておけ。仲直りするにはとか、機嫌を損ねないようにするにはとか自分で思ったり、先生がそうするよう言ってきたりするかもしれないが全く考えなくていい。またいじめをしているやつを先生やその子の親はかばうかもしれないが、僕が代わりに言ってやろう。いじめをしているやつはカスだ。かばう価値はない。いじめられているきみは全く悪くない。

テレビで昔いじめをしていた芸能人がいじめられる側も悪いとか、いじめをした人も反省しているとか言っているかもしれないが、断言しよう。そいつらもカスだ。いじめ問題の議論に自分も参加して自分は違うと認めてもらいたい、自分がいじめた人に復讐されるのが怖い、そんな理由でそんなしょうもないことを言っているのだ。

今まで、いじめというのは学校の中で起こる小さな出来事として処理され、大体いじめられた子は自分で頑張る以外は選択肢がなかった。いじめられた子は昔いじめられた過去をずっと引きずり、いじめたやつはそれを学校時代の愉快な出来事として楽しく生きていく、そんな具合だった。学校がいじめたやつをどこか別の学校に転校させたり、いじめられている子が望むような手段を取れなかったからだ。

でもだんだん状況は変わっている。今や多くの芸能人や有名人が過去にいじめを受けていたと告白している。また社会的に成功した途端に過去にいじめをしていたことをばらされ地位や名誉を失ったなんてことも日本やそれ以外の国で起きている。いじめはされた側ではなくした側が背負う十字架になったのだ。

お笑い芸人じゃんぐるポケットの斉藤さんを知っているだろうか。彼は学生時代いじめられていたことを色々な媒体で話していた。するとある日、いじめをしていた同級生から連絡があり、自分は今仕事もして、結婚し、子供もいる。いじめを受けたと斉藤さんがテレビでいう度不安になったのだろう。頼むから名前は出さないでくれと頼んできたそうだ。

斉藤さんは多分名前とかは出さずに話をしている。これを聞いたら今頃謝るならその時するなよと思うだろう。しかも自分の今の生活を守りたいから離さないでくれと言っている。いじめをしているやつというのは、こんなしょうもないやつらなんだ。


勉強のこと

だんだん気が楽になってくれたら嬉しい。さて今度は勉強のことだ。いじめで学校に行かないと授業に出られない。するとだんだん自分がみんなより馬鹿になり、置いてけぼりになっているのではないかと思うかもしれない。でもそんなことはない。学校で教えるスピードというのはめちゃくちゃ遅い。わからない子をサポートしたり、みんなが理解できているか全員分を1人の先生が確かめるのでめちゃくちゃ時間がかかる。君がその気になれば家で毎日何時間か勉強するだけで充分ついていける。君が小学生か中学生か、高校生かはわからないが、おっさんになってから言うと、ある一定の数の漢字、足し算引き算掛け算割り算これくらいできたら普通に生活はできる。そしてこれだけのことを覚えたらいいというのは便利なことに色々な偉い先生が書いた教科書や本がちゃんとある。

でもそれ以上の勉強をしないと高校や大学に行けないと不安になるだろう。大丈夫、ちゃんとそれは今の時代、アプリや塾など学校に行かなくても自分でなんとかできる手段がある。


最終手段

君は死ななくて良くなった。でもいじめてきたやつらはむかつく。仕返しがしたい。

何か手はないのだろうか。ある。学校の先生は君にはそういうことは言わないかもしれない。(君のことを考えてくれる先生は違う)ただこれをやると君の残りの学校生活は一人ぼっちになる可能性もあるからそのつもりで。

ちょっと前置きをすると、なんとか学校に君が行けるようになったり、外へ出れるようになったからといって、いじめたやつを直接ぶん殴ってはいけない。これは暴力はいけないとか綺麗事でいっているんじゃない。君がいじめたやつをぶん殴ったとする。すると学校はいじめたやつと同じか、それ以上に君が悪いやつだというレッテルを貼りやすくなり、いじめの問題はうやむやになる。もっと悪い方向に進むのだ。そんなの馬鹿馬鹿しいだろう?なお、学校に行って殴られたり、蹴られたりしても無抵抗で突っ立ってたらさすがに怪我をする。もし家にいるなら筋トレ、外に出られるなら空手や柔道なんでもいい格闘技をちょっと習おう。暴力的ないじめというのは、君が強そうに見えると割とやりにくいものだ。

 さて本題だ。今まで学校でいじめが起きるとその学校の校長先生、教頭先生、担任の先生というのは、すごく怒られ出世できなくなった。楽しい学校に、いじめ問題なんかおこしやがってというわけだ。するとどうなるか。いじめなんかありませんという風に隠すようになる。

 しかし今までこういうしょうもない対応のせいで、はっきり言って学校に殺された子が何人も出たせいで、最近これは通用しなくなっている。隠していたことがばれるとマスコミに全て報道され、ネットでも隠したやつの顔から住所から全て暴かれてしまうのだ。だからまず学校は昔よりかなりいじめ問題について真剣になるようになった。

でも学校もやっぱりあまり大事にはしたくない。学校の考えている解決というか処理の方針があって、大体それはいじめられた側というより学校を平和に運営することに重きを置いている。

じゃあどうすればいいんだろうか。生徒の君にはピンと来ないかもしれないが、学校というのは、そこの学校だけで成り立っていない。君の住む県にはたくさん学校がある。そして君の住む町には学校の親玉がいるのだ。

その名も教育委員会という。先生をどの学校に赴任させたり誰を校長にしたり、学校の数を考えたり、とにかく色々なことをやっている。なんだかぼんやりした名前だ。でも意外と身近にある。君の住む町の役場の中とか別棟に建物がある。委員会というから学級委員とかそういうのかなと思うかもしれない。確かに委員もいる。でも実際の仕事はその町の職員、また先生から選ばれた人が行なっている。

学校の先生は、教育委員会の存在を隠したがり、直接いじめられた子や両親が話するのを嫌がる。自分達の進めたい方針があって、段取りが狂うから。でも気を使う必要はない。学校が信用できるなら学校に任せたらいいが、そうでなければ遠慮なく学校をすっ飛ばして、教育委員会に相談しよう。先生達にとっては何年かその学校にいる間の事件の一つで早く処理したいだけかもしれないが、いじめられている君は人生がかかっている。遠慮するな。

 もし学校で担任の先生、話しやすい先生、教頭先生、校長先生すべてにいじめられていると順番に話してみて君が思っているような答えがかえってこないとしよう。

 すると君は多分いじめられたままだ。次はお父さん、お母さんに相談して、その町の教育委員会に相談したいといってみよう。これは考えにくいが、お父さんお母さんがもしそんな恥ずかしいことできないと言ったなら仕方ない。自分でやるしか無い。

君はスマホを持ってるだろうか。小学生でも今はあるのかな。とにかくいじめで殴られたり、物を隠されたり、悪口を言われたりしたらスマホに音声でも写真でも全部取るのだ。ばれてはいけない。証拠を取るのが難しいならこんないじめを受けていると作文してもいい。そしてそれも写真に撮る。次に教育委員会の住所を調べる。君の住んでる町の名前の後ろに教育委員会とつければ大体検索できる。わかった住所を控えて、封筒と切手を用意しよう。封筒に切手を貼り、貯めた証拠、つまりプリントアウトしたもの、sdカードとかを封筒に入れる。コピーもとっておこう。できたら自分が今どんな状況か書いた手紙も入れよう。この時差出人の名前は書きたくないかもしれないが、名前を書かないと教育委員会もさすがに動けない。その代わり名前は秘密にしてほしい、いう前には自分にちゃんと確認してほしいと書く。すると教育委員会の人はいうとおりしてくれる。もし可能なら今までの作業を動画で撮っておこう。そしてポストに行く。この時、その日の新聞を持っていってポストに入れる前にその日が何日か写るようにしよう。本当ならちゃんとその日に配達をしたという記録が残る郵便の方法があるが、それはまあいい。準備できたら封筒をポストに入れる。

これでオーケー。さて子供になんてこと教えてるんだとお怒りの方、いじめを受けたらその後の人生がめちゃめちゃになること思えばこんなのどうってことないって思いませんか。子供がこんなことしなくていいような学校になってほしいものです。

しばらくすると家か学校かわからないが、とにかく連絡が来て、君のいじめは大きく問題になる。なんでこうなるかというと君が封筒を送った教育委員会というのは、いじめが起きたら怒る側であって、怒られる側では無いからだ。学校はなんてことをしてくれたんだと怒ってくるかもしれない。でも気にするな。自分が訴えたけれど思うように動いてくれなかったとはっきりいうのだ。さて教育委員会は隠す必要はないから親身になってくれる。そして子供からのSOSにはけっこう敏感に反応してくれる。せざるをえないのだ。ただもし非常に考えにくいが、何の音沙汰もなかったら、ひょっとすると学校とグルかもしれない。

では気を取り直して君がスマホに撮った動画を親玉の親玉に送って、いじめの証拠を送ったけれど町の教育委員会は寝てるみたいだと県の教育委員会にチクってやろう。

ちょっとややこしいかもしれないから整理する。学校の上に町の教育委員会、その上に県の教育委員会というのがある。ここが君が住む県では一番学校に対して強い。学校も、無視した町の教育委員会ももう逃げられない。北海道のいじめ事件を見たら町の教育委員会までは問題が握りつぶされたようなので一応書いた。

さていじめの問題がおおっぴらになった。でも学校は別にいじめたやつをムチで叩いたりはしてくれないし、長い長い面談や学級会やそんなことを繰り返していじめはなぜ悪いのかみたいな話し合いをして、終わりになると思う。でも君を大っぴらにいじめる奴は多分いなくなる。お父さんやお母さんが手伝ってくれたとしても君は自分の力でいじめをはねのけたのだ。


最後に

最終手段は本当に最終手段だ。やらないならやらないに越したことはない。麦わらの子が言うように行きたくないなら行かないなりのやり方もないではない。ここまで読んでくれたのなら本当にありがとう。まあ、いきなり色々やらなくていい。一日布団に寝ててもいいから生きよう。(完)

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