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《寄稿》私と新卒 〜天才じゃなかった僕と、君たちへ〜

◼️「いろんな業界や企業を見たい」

新卒はコンサルティングファームに入った。

当時は働き方改革とかもなかったが、その会社では昔ほどの激務さがやや薄れ始めて、知名度も上がっていたので学生の中でも人気の企業になり始めていた。

周りは上昇志向があり、新卒同士でも暗黙的に競争をして勝ち上がり、上がれない者は会社を去るというアップオアアウトと言う前提でみんな覚悟をしていた。3年いると他社では10年以上働いたくらい成長すると考え、転職前提で入社する人も多かった。


そんな中、自分も上昇志向はあるものの、どちらかというと、就職探しは「モラトリアムを最大化すること」を考えていた。漫画家以外の人生を歩むといっても、いろんな選択肢があり、その選択をする前のモラトリアム期間がほしかった。

理系の院生はほぼ推薦で企業に就職するため、自分も推薦で就職しようと最初は考えていた。しかし大学の授業で企業インターンをした時に、「理系ってこういう仕事で、こういう人生」っていうのが想像できてつまらなく思えてしまった。それで、「いろんな業界や企業を見たい」と思うようになり、それが可能そうなコンサル企業に入った。

◼️「負のスパイラルに陥っていた」


仕事では、ロジスティクスやシステム導入のプロジェクトに関わったりしていた。
とにかく言われた仕事をやろうってスタンスで、時間も関係なく、頑張っていた。

入社直後に研修がちょっとあって、その後現場のプロジェクトに入ると最初の半年間は月の休みが3回とかしかなくて、朝は普通に早く出社して終電もしくはタクシー帰り。


徹夜する日々が続いた。


自分の仕事の遅さもあったし、プロジェクトが炎上していて物理的工数が必要だったのもあった。

200人くらいのプロジェクトでいろんな領域のスケジュール等をまとめるPMOというのをやっていたが、ドキュメントの作成、社内コミュニケーションやお客さんとのコミュニケーション、システムがバグっていたらエクセルマクロ組んだり、アクセスで緊急対応したりとにかくツールの使い方をググりながらなんとか回すみたいなことをやってた。


激務過ぎる。


メンタル崩壊をして辞めていく上司もいた。

今思うと、長い時間働いてパフォーマンスは低かったんだろうなと思った。その低さをカバーするために時間でカバーしようとする。
そういう負のスパイラルに陥っていたと思う。


が、ある日突然生産性が上がり始めた感じがした。

ツールが使えるようになったのと、なんとなくプロジェクトの全体像も見えてきてどうすればよいかなども提案出来始めた。
振り返るとめちゃくちゃ仕事をしたおかげで一気にそうなれたのかなと思った。

◼️「自分を客観的に見続けられた」


プライベートでは、男4人でボロ屋を借りて一緒に暮らしてた。
シェアハウスってやつ。

そこには商社の人とコンサルの4~5年目の人と、ベンチャーで働いている人がいた。平日の昼間は会社で、休みの日とかは違う業種の人たちとの中で生活してたんで、結構刺激的な日々だった。

住む世界が違うので、自分の置かれている立場を客観的に見続けられたと思う。

そういう環境が無い同期とかは、自分の会社内での社会しか知らない。だから激務でも同期や上司と競うことにも特に疑問に思わなかったりする。(ネガティブでもポジティブでも)


結局、シェアハウスのメンバーに起業しようと言われて、入って1年ちょっとで1社目の会社をやめた。
新卒という意味では最初の起業もそのノリでやっていたので、働き方は同じ。家が会社だったので移動時間無い分睡眠時間は確保できた。


その時の話は以下に書いてある。正直新卒入社の会社で全能感に溢れていた自分の鼻を圧し折られた感じ。
http://blogs.itmedia.co.jp/mikiya/2012/02/post-8b6a.html

何も出来ない自分。
会社のブランドに守られていた自分。

正直こっちの方が精神的に辛かった。
テレアポ、飛び込み営業、契約書、資金調達、マーケティング、経理、法務、事業計画、何でもやらないといけないし、1年目そこそこの自分が本とかググりながらやった。かなり微妙だったと思うが良い経験だった。

◼️新卒1期生となる20卒の印象と期待すること


印象はめちゃくちゃ優秀。でもまだ卵。
たぶんスタート時点での経験値もそうだし、造詣が深い人が多い印象。バックグラウンドも強みもそれぞれ違う良いバランス。良い同期になりそう。


期待することは大きく分けて2つ。

1つは、フーモアを新しく君達で創っていって欲しい。
事業でも組織でも文化でも人でもいい。

新卒第一期というのはフーモアとして初めての試み。新しい血が入り、それにより今いるフーモアメンバーも刺激を受ける。良い好循環が生まれると思っている。若いというのは一つの武器。いっぱい失敗できる。第一期は二度と無いので、貴重な経験を共にできればと思う。
新卒第二期、第三期これから入ってくる新しいメンバーに対しても君達がリーダーとなり今後のフーモアを牽引していくことになると期待をしている。


2つ目は、自分の領域を広げて欲しい。
いろんな業界、いろんな学問を学んで知識として持っていると、自分の価値が高まっていく。例えば、自分が持っている「絵を描くスキル」、「ビジネスのスキル」、「理系学問のスキル」がそれぞれ100人に1人の価値だとしたら、それらを掛け合わせて100万人に1人の価値が生み出せる。

◼️最後にー「凡人のクリエイティブ」


「絵を描くスキル」だけで戦おうとしても、
絵が上手い人なんてゴマンといるからそこで戦うのは厳しい。

天才は一つのことが突出してるからそれだけで良いけど、そうじゃないとするなら(天才が居たらすいません)


凡人は自分の領域の面積を広げることで、
新しい価値を創造することができる。


目の前の与えられた仕事はまずやってみて、最低限の社会人的基礎やスキルを身につけた上で自分が今まで知らなかったものを学ぶこと。

そして人と会ってそれを応用することで、
「凡人のクリエイティブ」を習得し、新しい価値を創造していける人になってほしい。


フーモアという場所に集まったそれぞれが刺激し合い、新しい時代と価値を共に生み出していけたらと思う。

「クリエイティブで、世界中に感動を。」

フーモア代表取締役社長
芝辻 幹也


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