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YouTube参考資料)ベトナム語基礎講座⑨ 超実践的!辞書サイト活用術 ダブルチェックで誤訳撲滅

 フーおじさんのベトナム語講座をご視聴いただき、ありがとうございます。私がこれまで多くの方にベトナム語を教えてきた中で、最も興味を持って聞いていただけたのが今回のテーマです。語学の学習に辞書は不可欠です。私自身、愛用している辞書が2つあり、自宅で勉強するときはいつも傍に置いています。しかし、いつも持ち歩くには辞書は重すぎるし、検索に時間がかかります。そんな悩みを解決してくれるのが辞書サイトと辞書アプリ。辞書サイトはパソコンでじっくり調べるのに最適で、メーンの辞書として使いこなせるようにした方がいいでしょう。私が普段使っている4つの神サイトと実践的な使用上の注意点を説明します。いずれのサイトもベトナム語入力ができなければきちんと使えません(Google翻訳は予測変換の精度が上がってきましたが、基本的には正確に入力した方がいいです)。ぜひ解説動画を見て、マスターされることを強く推奨します。
(注意:私は今回紹介するいずれのサイトからも金銭または便宜の供与を受けておりません。あくまでもベトナム語学習者として使いやすかったという視点で選んでいます。また、インターネット上のサービスを利用するリスクはどのサイトにもあります。それはご自身の判断で行なってください。私はいかなる損害に対する責任を負いかねます。なお、紹介するサイトは本記事執筆時点で無料で利用できますが、サイト側が有料に変更する可能性はあります。)

Google翻訳

 今更言うまでもない便利な翻訳ツールです。ざっくりと意味を把握するのに最適なツールです。私のYouTubeのチャンネルでもお伝えしてきましたが、英語からベトナム語に訳した方が誤訳が少ないです。そしてお勧めしたいのがタブを2枚にして使う”二刀流Google翻訳”です。

Google翻訳は2枚のタブですぐに使えるようにしておく

 上の画面を見てください。例えば、khôngの後の動詞ghi nhậnを調べようと思ったとき、もしタブが一枚しかなければ一度この翻訳内容をクリアしなければなりません。しかし、2枚あれば該当部分(ghi nhận)をコピペし、2枚目のGoogle翻訳で変換すれば、すぐに意味が分かります。訳文を手直しして再度翻訳して内容を確認する場合もとても便利です。3枚、4枚と増やしすぎると、どこに何の翻訳があったか分からなくなるので、私は2枚が適正であると考えています。

Từ Điển ABC

  意味は「辞書ABC」です。フランス統治(1887年〜1954年。第二次大戦中は日本が統治)が長かったベトナムはアルファベットをフランス語風に読みますので、「アーベーセー」と読みます。
 ベトナム語、日本語、英語の辞書サイトで、日本語を勉強するベトナム人を対象に作られたサイトのようです。私はこのサイトを一番信頼しているのですが、その理由は単語のニュアンスがよくわかることと、例文が多いことです。そして英語の例文、説明も紹介されていることが多いので、英語のニュアンスから単語の意味がよくわかるのです。

英語の例文が多く、ベトナム語の単語のニュアンスがつかみやす

 例えばGoogle翻訳で「製造する」という言葉を入力すると、「sản xuất」という単語しか出てきません。これに対して、Từ Điển ABCでは「chế biến=英語のprocess」「chế tạo=manufacture」「 sản xuất=produce」と3つの言葉が出てきます。先に英語の意味を書いてしまいましたが、例文を参照するとこのニュアンスがはっきりと分かります。

Mazii

 Từ Điển ABCは優秀なサイトだと思いますが、間違いもあります。そこでダブルチェック用に使ってほしいのが、 Maziiです。こちらも日本語を勉強するベトナム人向けに作られた辞書サイトで、とても人気です。アプリ版もあります。辞書の精度としてはTừ Điển ABCに劣りますが、こちらのサイトも例文が多いです。私が重宝しているのは読者が翻訳の正確性を「いいね」で投票するシステムです。

「いいね」の多さで翻訳の正確性を類推できる

 読者が自由に書き込む形で、この翻訳は合っているかどうか、と他の人に問いかけます。他の人は「いいね」を押せば賛同したことになります。その数が多ければ正確性が高いと類推できます。

Nom foundation

 最後に紹介したいのは漢字由来のベトナム語(漢越語)を調べるサイトです。ベトナム語はフランスが統治を始める前、チュノム(Chữ Nôm)と呼ばれる漢字を二つ組み合わせた表記法を採用していました。ベトナム語の6〜7割は漢越語と言われており、それらは漢字で書くことができます。漢字がわかる日本人にとって漢字をイメージできることは大きなアドバンテッジになります(YouTubeで漢越語について解説しています)。

ベトナム語を漢字でどう書くのか、がわかると暗記が容易になる

 chữ nômと書かれているところにベトナム語を正確に入力する(記号なしのなんちゃってベトナム語ではダメ)と、それに対応した漢字候補が表示されます。常用漢字でないものもあり、全て理解できるわけではありませんが、知っている漢字が多いです。その中で単語の意味と近いものをつなぎ合わせて覚えておけば、ベトナム語の暗記は容易になります。

sản xuất(製造、算出する)は漢越語で「産出」

 慣れてくると、ベトナム語を漢字でどう書くのか、法則性が見えてきます。例えば、「ei」と日本語で音読みするものは「成=thành」「景=cảnh」などanhを使うことが多い、などです。こうした法則性の理解は暗記力だけでなく、知らない単語に出会った時の類推力を高めます。

ベトナム人の日本語学習教材は宝の山

 今回紹介した4つのサイトはいずれもベトナム人の日本語学習者が多数利用しているものです。以前より増えてきたとはいえ、ベトナム語学習者が少ない日本において教材を探すのは大変です。しかし、ベトナムには数十万人レベルで日本語学習者がいます。IT大国であることもあり、ネットやアプリの教材は充実しています。日本語を学ぶベトナム人向けの教材はすなわち、ベトナム語を学ぶ日本人向けの教材になり得ます。
 ベトナムに行かれた際は本屋さんで、ベトナム人向けの日本語、英語学習教材を探してみるといいです。格安でたくさんの良書が手に入ります。日本語や英語の文章が多少おかしかったとしても、ベトナム語に関しては完璧なはずです。
 ベトナム語が難しいと思っている皆さん、教材はすでにたくさんあります。楽して効率的に勉強してください。そうすれば早く上達して楽しくなります。楽しければ継続してさらに上達します。

*フーおじさんのベトナム語基礎講座⑨超実践的!辞書サイト活用術 ダブルチェックで誤訳撲滅


 






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