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金縛りにあって「生きたい」と思った話

一昨日、7.8年ぶりに金縛りにあいました。
結論から言うと、死ぬんじゃないかと思うぐらい怖かったです。(霊的なものではないし、結局のところ意識や思考、気持ちの問題なのは十分わかっています)

夢の話って盛り上がらない話題ランキング殿堂入りのトピックスだと思うのですが、金縛りはどうなんですかね。共有しづらいし、いくらでも盛れるのは承知のうえで話させてください。ひとりであの恐怖を抱えておきたくないんです。せめて笑い話にでもなれば。



ふと、目が開かない程度に意識が戻りました。
その時にはもう「ぺた、ぺた」と廊下を歩く足音がすぐそこで聞こえていました。鍵かけてるのに…と咄嗟に思ったのも束の間、誰かが枕元に立ちました。嘲笑を含みながら何かを話かけてきていました。内容は覚えていません。ただ、足音や声から男であることは分かりました。必死に腕を動かそうとするも、硬直状態。そりゃそうだ。
脳は起きてるけど体は寝てるんだもの。
話し続ける男にイライラしていたとき、足元に立って放った言葉だけ鮮明に聞こえました。
  こんなに死にたそうなのに。
それを最後にふつ、と意識が戻りました。


目が覚めてからしばらく、その言葉がこびりついていました。何なら今もです。
私、死にたいのかな。そう自問自答するのはごく自然な流れでした。起きた時にまず思ったのは、
私って生きたいんだ でした。


別にいつ死んでも構わない。ただ、できるなら家族の中で一番最後に、とそれぐらいに思っていました。でも本当はそんなことなかったようです。
それはただの強がりで。意識が戻った途端、一番奥に居るわたしが「生きたい」と呟きました。それは私の知らないわたしでした。
他人から死にたそうと言われた事がムカついたのもあると思います。お前に言われたかねーよ!!勝手に判断すんじゃねえって。
でもやっぱり、生きたいという気持ちは私が思うより強烈でした。


今思えば、あの男って私だったのかななんて思います。外側の私。周りに「死は怖くない」だの「いつ死んでも後悔ない」だの言ってる私。
寝転がって必死に腕を動かそうとしたのが内側のわたしだったんでしょうか。その内側のわたしは
「こんなに死にたそうなのに」に対し、
“死にたくない”ではなく“生きたい”と呟きました。

金縛り自体は本当にちびりそうなくらい怖かったですが、そのおかげで私って生きたかったんだって気づきました。私は自殺志願者でも何でもないですが、何でもない人間が生きたいと思えるのって簡単そうで相当難しいことだと思います。生きたいのか死にたいのか分からなくなっている時が一番恐ろしいです。
あと、ちびらなくてよかったな、と思いました。

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