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223㎝の大巨人と201㎝の超人のシバキ合い!!小学生の僕が初めて観たプロレスはリアル怪獣映画であった!!
今度こそ小学生の頃の初プロレス観戦の話に入っていく。プロレスが大嫌いだった自分がここまで来た経緯は過去日記で詳しく書いてあるのでチェックしてください。
1982年11月16日
第3回MSGタッグリーグ戦開幕戦
横浜文化体育館がその会場である。
昨年取り壊されてしまったその会場は
JR関内駅から徒歩数分の所にあった。
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親父に連れられて初めてのプロレス会場に足を踏み入れる。
売店でパンフレット(500円)新日本プロレスのカレンダー(1500円)ホーガンのポスター(500円)を買って貰い自分の席に向かう。
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席はリングサイド一番後ろの列で傾斜のついた木製の台座上の席であった。買って貰ったカレンダーやポスターを椅子の下に置き席に着く。
試合は第1試合が始まっていた。
親父「荒川の試合に間に合った!」
会場は荒川選手のコミカルな動きに
笑いながら大歓声を送っていた。
荒川真選手はTVには映らないが
会場では大人気のレスラーだった。
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第2試合が実は結構凄いカード。
高田延彦vs藤原喜明
このカードは数年後にUWFと言う
格闘路線の新団体にてメイン級の
扱いを受けるカードとなる。
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白熱する試合の中俺は席を離れた。
花道で間近でレスラーが見たくなったのだ。ここ最近はマナーの問題であまり席を離れないが昭和のこの頃のプロレス会場は少年ファンが花道に詰めかけ選手を触ったり名前を書いたボードをカメラに向けたり、流血した選手の頭に色紙を当てて魚拓ならぬ血拓をとる様な猛者もいた。w
初めて観る外国人レスラーや覆面選手の華やかさに小学生の自分は完全に魅了された。
大会も後半に差し掛かりリーグ戦の出場選手による入場式が行われた。
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その時である。
前大会優勝チームであるアンドレ・ザ・ジャイアントがとっとと控え室に帰る為に小走りで通路を進んで来たのである。
通路に集まっていた俺達ファン
は慌てて左右に走って逃げ出した。
それは正に「モーセの十戒」
に登場する海が割れたかの様!
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当時の彼のデータは223㎝240キロ
その大きさが走ってくるのである。
それは怪獣そのものであった。
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彼のタッグパートナーは
レネ・グレイ選手183㎝108キロ
決して小さい選手では無いがアンドレに抱っこされるとこれだけの差があるのである。
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グレイ選手はアマレスの下地もあり
米マットでの実績もありましたが
日本では正直パッとしなかった。
当時世界最強とも言われたアンドレが彼と組む事により、どのチームと戦ってもあわよくば負けてしまうチームとして試合を更にスリリングな物にしたのである。
そして今夜のメインイベントで彼らに挑むのが日米マットで人気No.1同士のタッグチーム。アントニオ猪木とハルク・ホーガンのスーパースターコンビであった。
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ハルク・ホーガン201㎝145㌔
彼を本物の大スターにしたのが
この年に全米で公開された人気映画
「ロッキー3」の出演であった。
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この映画でプロレスラー対ボクサー
の異種格闘技戦を行うのだが
この試合は猪木アリのオマージュ
との噂がある。そう考えるとこのタッグは深い。
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僕はメインイベントまで2つの
花道を往復して駆け回った。
いよいよメインイベントである
会場のボルテージは最高潮!
猪木ホーガン組の通路で彼らの
入場を人の海で待ちわびた。
「炎のファイター」が流れる
猪木ボンバイエ猪木ボンバイエ
会場は大猪木コールだ。
産まれて初めてカリスマと言う
物を目の当たりにした瞬間だった。
その時の思い出として残るのが
入場整理をする若手レスラーに
脛をアザが出来る程蹴られた事だ。
その若手選手は山崎一夫選手。
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後に山ちゃんの愛称で知られる
人気レスラーに成長する。
若手レスラーは大事故が起きない
様に憎まれ役となってファン達に
時には手荒い対応するのだ。
自分はようやく親父の隣に戻った。
試合は猪木ホーガンのスピード
コンビネーションにより圧倒し
ホーガンがアンドレをひき止めて
猪木がグレイにフォール勝ち。
そしてこのまま快進撃を続けて
リーグ戦も優勝して年末を締めた。
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223㎝の大巨人と201㎝の超人
リアルな怪獣対特撮ヒーロー
面白くない訳が無いのである。
こうして僕はそれから40年近く
未だプロレスに魅了されている。
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試合が終わり小さな事件が起きた。
椅子の下の新日カレンダーとホーガンのポスターが盗まれていたのだった。
親父は同じ物を買い直してくれた
会場を出ると猪木の愛車リンカーン・コンチネンタルに若手が荷物を積み込んでいた。
高級外車を眺めながら自分達のボロ車を探したが路駐していた車が跡形も無くなっていた。
レッカー移動されていたのだ。
そのまま警察署に行き切符を切られ自宅に帰る事となった。
ダフ屋から買った2人分のチケット代
(金額不明)
カレンダーとポスターで数千円。
駐車違反、レッカー代うん万円。
なかなかの出費となった。
それから数週間たった頃に親父がやっていた建設会社が倒産しボロボロのアパートに引っ越しをした。
その後は電気やガスを止められたりする大貧乏時代に突入した。
本当はプロレス何かに行ってる場合では無かったのである。
しかし親父は苦しい生活が待っているのを知っていたからこそ、お金で買えない楽しみや滅多に見る事が出来ない物を見せたかったんじゃなかったのかなぁと最近考えるのである。
誰もが順風満帆な人生ではない
そして人々は平等でも何でも無い
憂鬱な毎日を忘れさせてくれる
最高のエンタメやサブカルチャー
そんな物に囲まれて死にたい。
次回のプロレス日記は
全日本プロレス初観戦予定です!
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