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結婚2年目、私は家出をした

結婚2年目の春、私は家出をした。

私はこんなに突発的に何かをすることはなかなかない。いつも石橋を叩いて渡るタイプだから、無駄なことは極力しないように生きてきた。

でもその時は「私は今家にいたらダメになる」と当日から泊まれるホテルを調べて予約した。午後3時、夫がいない時に三日分の荷物をリュックに詰めて家を出た。

家から遠いホテルまでは行くのが大変だったので、隣駅にあるホテルにした。近すぎる徒歩圏内。お値段は一泊一万円。決して安くはないが、もう行くしかなかった。日本にいたら、友達の家にでも転がり込んでいたかもしれないが、私には上海でそこまでの友人がいないので、一人でホテルに行くことにした。

私は一体何をしているんだろう、とホテルに着いて冷静に思ったが、家出をしなければならない時が来たんだと、私は自分の選択に後悔しないように言い聞かせた。



きっかけは小さいものだった。
言葉の受け取り方の違いだった。

頭痛で寝込んでいた私が回復して、やっと活動できるようになった時。
夫は仕事に私の面倒を見るのに疲れたからか、家でひとりになりたいから私にもう少し外に出て欲しい、と言われたことだった。

それを私は、家にいないでほしい、と受け取ってしまった。

言葉というのは本当に、伝える側と伝わる側で受け取り方が異なってしまうことがある。今回もそうだった。
夫は「一人の時間がほしい」を
私は「私が家にいると邪魔になる」と受け取ってしまった。

それがきっかけで言い争いになってしまって、私は家を出ることになってしまった。


結局次の日に電話で話し合いをして、お互い悪かったところを認めて、次の日帰宅したのだった。三泊いる予定だったのでとても早い帰宅だった。

この出来事で私が改める必要があると思ったことがある。それは言葉の後ろにある感情を察してほしいと思うことだ。

よく「女子の大丈夫は大丈夫じゃない」と言われているが、女性同士だと表情などでわかるのだが、男性にはそれがわからない。
どういうことかわからないのではなく、本当になぜ思っていることと違うことを言ってしまうのか本当にわからないらしい。

相手にどうしてほしいか、何をしてほしいか伝える。
何か買ってきてほしいから買ってきてほしいと言う。
ご飯作るのが大変だから、今日は外で食べてきてと言う。
何かしてほしいことがあったら、伝えるということ。
心配してほしいなら、心配してほしいと伝える。
大丈夫じゃないのなら、大丈夫と言わないこと。
これが今回学んだことだった。



私は去年、「繊細さん」の本を読んで、自分はHSP気質があることがわかった。
なるほど、自分が生きづらいと感じていたことがそのまま自分の特徴なのだと理解できた。
対称的に夫は非繊細さんだとわかった。
繊細さんが目に入って気になってしまうことが、そもそも目に入っていない。
繊細さんが心配に思うことも、そもそも心配にならない。
なぜこんなにも違うのか、私が気にしすぎなのかと思っていたが、気質のせいであると分かって安心したのを覚えている。
そこでもお互いの気質についての話し合いが行われたのだが、そんな二人が共に生きていくためにはやはりアップデートして擦り合わせなければいけないことがある。お互いが心地よくいられる努力が必要だ。



あと、もともと頭痛しない夫と頭痛に悩まされる妻との間には共感できない壁がある。
毎月の生理周期に合わせて、生理前はPMSによって頭痛があるし、低気圧の時も頭痛がある。それに比べて夫は全く頭痛がないらしい。小さい頃に熱が出た時に2回ほど痛くなったことはあるが、それ以降は記憶がないらしい。だから、頭痛の共感ができない。生理痛の痛みもわからない。
頭痛や生理痛の辛さを共感してほしいと思うけど、共感はそもそもできない。なぜなら実感したことがないから。

私は辛いよね、大丈夫?と"察して"心配してほしいけど、夫はわからないからどのくらい痛いのかわからないから察することができないということだ。
夫は、私が無理をして不機嫌になっている原因がわからないから、ちゃんと言ってくれた方がわかりやすいとのことだった。

だから私は自分の状態としてほしいことを言う必要がある。
頭痛など体調不良の時は「今は頭痛で動きたくないから、ご飯作れない」「これを買ってきてほしい」と伝える。
夫はしてほしいことを受け取って、心配を行動で示す。

私は自分の言葉に責任を持つこと、大丈夫じゃないなら大丈夫じゃないと言う勇気を持つこと、
夫は言葉足らずにならないように、自分の思っていることの真意を伝えるように努力することが必要だと結論を出した。
そして私はそれを深読みせずにそのまま受け取ること。


結婚して2年目、まだまだ折り合いをつけて話し合いが必要だが、これからも仲良く暮らしていきたいので、忘れずに書いておく。

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