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ベトナム女子3人旅とまさかの一人旅

今年の一月。私は日本に住んでいる女友達2人とベトナム旅行に行ってきた。行き先はベトナムのダナンとホイアン。ダナンは海が近いリゾート地で、ホイアンはランタン祭りが有名なところだ。一月はちょうど雨季の終わりかけで、気温もそこまで暑くなく旅行しやすい季節だった。


去年の夏頃からこの旅行計画は立てていたのだが、私は上海での生活がどうなるかわからなかったので、行くかどうかの返事ができていなかった。
上海に来て3ヶ月目に再び声を掛けてもらえたが、行っていいのか悩んでいた。
今働いていないし、貯金しているお金を使っていいのだろうか、駐在妻なのに家事を放っておいて旅行してもいいのだろうか、という気持ちがあったからだ。
でもお金を2年間通帳に眠らせておくのか、今使うべき時に使うのか、シンプルに考えて使うべきだと考えた。そして駐在妻だから家事をずっとしなければならないと思っていたのは自分だけで、自分で自分を許したらいいだけだった。
夫も二つ返事で行っておいで!と言ってくれた。
ベトナム旅行のお金もある、そして今私は十分に時間がある、今しかできないことは今しないと後悔すると思って、行く返事をした。


結果は本当に行って良かった。

女子3人海外旅は初めての経験だったし、異国から異国への旅行も初めてで、現地で落ち合えるかどうか不安だったが、無事に2人と会えた時はとても安心した。
約半年ぶりに友達にも会えて、色々な話ができて、ベトナムのダナンとホイアンの観光地に行くことができてとても楽しかった。

泊まったリゾートホテルは「Tia Wellness Da Nang」というところで、泊まることで健康になることをコンセプトに、宿泊中にスパを受けたり、ヨガレッスンも受けられたり、朝食も健康的な食材を使い美味しい料理を味わうことができた。ホテルの目の前が海になっていて、歩いてすぐ海に行くこともできて、朝食後に海の近くを散歩もした。最高のホテルで心と身体を満たすことができた。女子3人旅はとてもいい思い出になった。



その中で私は一番自分の心に残った出来事がある。それは偶発的に追加された一人旅の時に起きた。

それは遡ること、旅行の二日前。
上海から現地で集合することになっていた私は二日前に、この時間のフライトで行くよ、と最終確認でグループLINEで伝えた。そうしたら友人が、「待って。日付が1日ずれてない?」と言ってきた。
え、うそだ、と思いながら日付を見ると、二人と一緒に帰国する日付の次の日のフライトになっていた。
やってしまった。
航空券を取る時に最終日の深夜便を探していて、設定を次の日に設定したまま検索をかけていて、そのまま早朝ではなく深夜便を取ってしまっていたのだ。
自分の思考回路と間違えた理由は明確にわかっても、目の前の間違えた航空券は変わらない。
何度見ても帰りの飛行機は間違えた日付だった。

旅行の二日前で、そもそも変更不可の航空券であったため、買い直すということはできなかった。
新たに航空券を取ろうと調べてみても、乗り継ぎ時間がかなりある便しか残っておらず、プラス10万円ほどかかることがわかった。
完全にやってしまった。
友人たちも色々な方法を探してくれてどうするべきか悩んでいた。

プラス10万円で帰国するべきか。
乗り継ぎは深夜になってしまうが、そもそもその乗り継ぎ空港は安全に待てる場所があるのか。
昼間の便はあるのかないのか。

一旦帰宅した夫にことの経緯を説明すると、
「そしたら延泊したらいいじゃん!それ以外なくない?」と言われた。
鶴の一声とはこのことか。私の間違いを非難するのとなく前向きな提案をしてくれた。
そうか私は別に急いで上海に戻らなければいけない理由はなかったのだ。

泊まる予定のリゾートホテルはいいお値段のところだったので、そこではなく、一泊一万円のダナン市内にあるホテルを取ることにした。

2人には心配をかけてしまったが、私は1人ベトナムに残って1日過ごすことになった。


実際に今は海外で暮らしているが、別の国で一人で行動することに不安ではあったが、それと同時に"1日期間限定の一人旅"になることになりワクワクもしていた。


最終日友人たちとギリギリまでベトナムを楽しんで、2人を見送った後、1人宿泊ホテルへ。
ホテルの中でゆっくり休み朝ごはんを食べて、チェックアウトギリギリまでホテルに引きこもり、荷物をホテルに預けて旅に出た。


ここから一人旅の始まりだ!


私はまずダナン市内にある、チャム彫刻博物館へ行った。小さな博物館だったため、1時間ほどで見終わってしまった。
そして近くのマクドナルドへ行き、ベトナムのマクドナルド調査を実施。チキンはやはり香辛料が効いていた。

この時点でまだお昼過ぎ。帰りの飛行機は深夜0時なのでまだまだ時間はある。

次は市内にある遊園地へ行くことにした。

前日までの旅行中にGrabのタクシーとバイクを使うことを習得していたので、Grabでバイクを呼ぶ。

バイクのお兄さんに渡された、少し汗の匂いがするヘルメットを渡されて被り、バイクに跨る。

遊園地までは10分くらい。

お兄さんの服を掴んで風を感じながら、
「今異国で1人バイクの後ろに乗っている私!」と客観的に見ることができて、
「私ってもしかして自由?自由になっていいんだ!」と思った。
自分で自分のことを決めつけて、錘になっていた思考回路を風とともに捨てることができた。


心が軽くなって、遊園地に到着したのはいいが、日曜日の午後だというのに全然人がいない。
そろそろ潰れそうな遊園地ではあったが、せっかく来たのだからジェットコースターと観覧車だけは乗っておこうとターゲットを定める。
ジェットコースターの前に行くと、そこにも全然人がいない。
あれ、もしかして1人でジェットコースターか?それは流石にちょっと恥ずかしい。でも誰も見てないから恥ずかしくもないか。乗らないで帰っても誰にも責められないし、乗らなくてもいいか。いやでも今ここで1人で乗って帰る方がネタとして面白いよな。
と、自分の中の天使と悪魔が論争を繰り広げて、私は「乗る」決断をした。
意を決して乗り場に行くと、ちょうど後ろに韓国人の男子2人も来てくれて、最前列私1人、後ろに2人の計3人で乗ることになった。
せっかくの1人ジェットコースターのネタがなくなってしまったか、と残念に思ったが、そんな時間も束の間、ジェットコースターが出発。
徐々に上昇していき、下降するタイミングで、「やばーーーーーい!」と日本語で叫ぶ私と、後ろで「Whooooo!」と叫ぶ野太い声。
そういえば最前列に乗ったことなど今までになかったし、それが異国でなんてスリリングすぎる。
そしてこのジェットコースターは3回ほど一回転するなんて聞いてない。全身振り回されて、首と喉が痛くなり無事に帰還した。

足がガクガクになりながら、乗り場を後にしたのだが、乗る前に思っていた恥ずかしさや迷っていた保守的な自分の殻が破れて、やり遂げた達成感で満ち溢れていた。

そのあとは観覧車に乗った。
番号は年齢と同じ「29番」で嬉しかった。
そこまで高所恐怖症ではないのだが、1人だとより一層に高さが目に入ってきてしまって、とても怖かったがいい経験になった。


そしてまたバイクを呼んで、ホテルに荷物を取りに帰った。帰りのバイクでは、行きのバイクと違って、地に足がついた成長した自分になっていた気がする。

1人でバイクに乗って、ジェットコースターに乗った私は自分の殻を破ることができたのだった。

無事に荷物を引き取って、空港へ向かい、当初の予定通りの旅路で上海に戻ってきた。



この旅で上海に行く前は、迷いと不安があったのだが、帰宅した私は「行って良かった」「私は自由に考えていいんだ」「何かやろうと思えば何でもできる人間だった」と思えた。

保守的な思考回路になってしまっていたけれど、考え方を変えて、自分で決めつけずもっと自由に挑戦してもいいんだと気付けた旅になった。

あの時、旅行に行く選択をした私と、飛行機を間違えて取ってしまった私、ナイス。未来の自分はいい感じになってるよ。

全部なるようになるし、上手くいくようになっているんだな。

成長を感じることができたいい旅だった。

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