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ウクライナウォッチング

3月31日にFacebookに書いたウクライナ関連記事についてご批判がありましたので、誤解を招かぬよう少し詳細に記載します。
https://www.facebook.com/whitepapa/posts/5040748775985027

2月下旬以降、ウクライナに軍事進攻したロシアとプーチンに対して欧米メディアが大騒ぎを始めましたが、この軍事衝突を仕組んだのは明らかに米欧側です。

気になっていたので自分でも調べてみました。この地域における争いの歴史は数千年に及んで連綿と続いているのですが、特にこの10年について見てみます。

1991年のソ連崩壊に伴って独立した国家ウクライナは、ウクライナ語を母語とするウクライナ系住民の西部地域と、ロシア語を母語とするロシア系住民の東部地域からなる国でした。その後、ウクライナ系住民にナショナリズムが強まった後も、ウクライナ・ヤヌコーヴィチ政権は東部のロシア系住民(ドンバス)に自治を認めて融和していました。しかし、米英は諜報界を使って、ウクライナ系の極右勢力(政府軍と極右ネオナチ民兵団のアゾフ大隊等)に武器支援して、彼らが東部のロシア系住民を弾圧・虐殺するよう仕向け、2014年にウクライナを内戦に陥れています(マイダン革命)。米国務省はマイダン革命に50億ドルを拠出し、国務次官のヴィクトリア・ヌーランドが当時のウクライナ駐在大使と「次のウクライナ大統領を誰にするか」ということを電話で話し合っていたことがリークされています。そのマイダン革命の結果、ウクライナはアメリカに乗っ取られて親米なポロシェンコ政権が誕生しました。

つまり、マイダン革命とは実のところ、アメリカによるウクライナの属国化だったということになります。その結果、ウクライナはアメリカの国際金融資本(ウォール街)の食い物にされることになったわけです。地下資源の豊かなウクライナで、当時副大統領だったバイデンの息子がガス会社の権利を持つことでもそれを知ることが出来ます。ウクライナはNATO加盟国ではないので、米国の軍事基地はありませんが、秘密裏にアメリカやイスラエルの生物兵器研究所が多数作られていたことも知られています。それも、極度に危険な生物兵器を開発させていたというのだから、ウクライナはいいように利用されていたわけです。2月24日からのロシア軍は、まずそういう危険な施設や原発から上手く攻略しています。

米国のこういった外国侵略は決して昨今始まったことではなく、イラクのフセインに独裁者と大量破壊兵器保持の濡れ衣を着せて暗殺し、数百万ものイラク国民を殺した上に石油利権やあらゆる公共事業や市場をイラク国民から収奪したのは米国際金融資本ですし、アフリカ随一の福祉国家だったリビアのカダフィに独裁者の濡れ衣を着せて暗殺し、石油利権や公共事業や市場をリビア国民から収奪したのも米国際金融資本です。また日本への石油禁輸により日本に開戦させ、日本中の都市を無差別空爆して焼け野原にしたのも、2発の原爆を日本の都市に無差別投下して人体被曝への影響を調査した上で日本を植民地化したのも米国です。これらはもちろん国際法違反ですが、日本政府は米国のこれらをすべて支持しています。頭おかしいとしか思えません。

ロシア政府や国民は、元々同一国民であった同胞の東部ロシア系住民らが1万数千人もウクライナ政府から弾圧・虐殺されていくのを見て激怒し続けて来ました。しかし当時、欧米に対してまだ弱かったロシアはウクライナに軍を進行させず、ロシア軍要員を私服でドンバスに入れ、東部ロシア系民兵団をウクライナ政府軍や極右ネオナチ民兵団(日本の公安調査庁もテロ組織に認定)に対抗できるよう密かに支援して来ました。ただ、ウクライナ東部のうちロシア軍の最重要基地があるクリミア半島だけは、ロシア系住民自治政府によるウクライナからの分離独立宣言を支持し、クリミアをロシアに編入しました。

その後、カザフスタンの政変を機に中央アジアで、またイランやシリア、アフガニスタン、OPECなど中東でもロシアの影響力が大幅に強まり、さらに中国との経済関係が強化されたロシアは2014年当時の弱さがなくなったにもかかわらず、バイデン(米英諜報界)はロシア敵視の政策と宣伝を猛然と強めました。米政界はウクライナをNATOに入れる構想を出し続け、NATOに入ったウクライナの右派政権がロシアに戦争を仕掛け、NATOの5条に沿って米国とロシアが(核)戦争に至る流れが作られ続けて来ました。同時に、米英は武器を大量にウクライナに輸出し、ウクライナ政府による東部ロシア系住民の弾圧・虐殺を推し進めて来ました。

米政府は、世界中で常に戦争や紛争・緊張を作り出すことで、武器の使用や輸出によって軍産複合体のニーズを満たして来ました。北朝鮮にミサイルを撃たせることで、兵器をドカドカ言い値で買う日本はカモです。今回のウクライナ紛争でも、米英は膨大な武器をウクライナ政府に輸出しています。ウクライナへの「人道募金」とは、主にこういった使い方をされるんだと考えられます。

一方、2014年の「ミンスク議定書」(ドンバス2州に自治を再付与してウクライナ内戦を終わりにする国際合意)の後もウクライナは合意を守らないため、翌2015年に「ミンスク2」が調印されましたが、これをも破り続けて来たのは一方的に米欧とウクライナ側です。ロシアは「ミンスク議定書を米欧が履行しないなら、ロシアは合意が履行された状態を実現する」と言い続けて来ました。

2021年からのバイデンは、ロシア敵視をさらに強め、ウクライナへの軍事支援を増やして東部2州でのロシア系住民への攻撃・虐殺を激化させるとともに、ウクライナのNATO加盟を進めようとしてプーチンをウクライナ進攻にけしかけ続けました。今年に入ってプーチンはウクライナのゼレンスキーに対し、「ミンスク合意のとおり2州への攻撃をやめないと2州の独立を認めてロシア軍を派兵する」と最後通牒を出しました。米バイデン政府は「もうすぐロシアがウクライナに侵攻する」と騒ぎ出し、ゼレンスキーが止めるのも聞かず、ウクライナから欧米の外交団や諜報要員を2月15日に総撤退させました。

米国からはしごを外されたゼレンスキーは、米英傀儡の閣僚からロシアとの交渉も阻止されたため、プーチンは交渉をあきらめ、ミンスク合意の破棄を意味する「2州の分離独立を認める」と2月22日に発表しました。これを見たバイデンは「これは侵略だ」と大騒ぎしましたが、米欧が逃げ出しただけでロシア軍は動いていません。

2月24日、ロシア軍がウクライナの軍事施設をミサイルなどで攻撃し、短時間でウクライナ正規軍の軍事力を壊滅させました。ロシア軍特殊部隊が首都キエフの国際空港や空軍施設などを急襲・占拠し、駐留していたウクライナ軍はほとんど交戦せず降伏しました。攻撃直前にロシア軍はウクライナ上空を飛行禁止空域に設定したことを世界に発表しており、直後にロシアは大きな戦闘もなくウクライナの制空権を獲得しています。半日でウクライナを打ち負かしたロシアですが、その主な要因は、散々ウクライナにロシアとの紛争を煽っておきながらウクライナを軍事支援せず(武器を除く)、欧米の外交団や諜報要員を総撤退させ、ウクライナへのロシア進軍を許したバイデン政権の「謎な行動」です。バイデンは、プーチンにわざとウクライナを進攻させたと見た方が正しそうです。

現在ロシア軍に反撃し、またウクライナの病院や劇場など民間施設を爆破しているのは、ロシア軍が設けた「人道回廊」を閉鎖してロシア系住民を人間の盾として民間施設に武器を集積して立てこもるアゾフ大隊らウクライナ極右ネオナチ民兵団です。ロシア軍はウクライナ正規軍をすでに降伏させ、今は極右民兵団を一つずつ潰しているところ(非ナチ化の手続き)で、その最中に極右民兵団が巻き添えにした住民に被害が出ています。

ロシアは、いつでも捕えることのできるゼレンスキーを泳がせてウクライナ大統領のままにしており、好きなようにロシア批判を流させているかに見えますが、すでに勝負はついているためゼレンスキーはプーチンの取引きに乗っているのではないかと勘繰らざるを得ません。ゼレンスキーの大統領在任を延命してやる(欧米から政権転覆だと責められない)代わりに、ロシア敵視の米欧諸国にゼレンスキーがさらに油を注ぐ役を務め(踏絵)、ロシア制裁国(米側)とロシア追従国をハッキリさせ、今後、米英日らロシア制裁国48か国?(どんどん抜けて減りつつある)を、すでに150か国以上がロシア側に付いている世界の枠組みから外していくプーチンの策略ではないか、という疑念です。

日本はプーチンのこの策略にまんまと乗せられて、3月23日、ゼレンスキーに国会で演説させてスタンディングオベーションで迎え、ウクライナへの支援やロシアへの制裁増強を決めています。21日に「日本との平和条約締結に関する交渉を継続するつもりはない」とプーチンが発表で念押ししているにもかかわらず、プーチンの「踏絵作戦」に乗った形です。

すでに露ルーブルは日本円を超える勢いで再浮上し、4月2日からの天然ガス代金をルーブルでの支払いを余儀なくされたドイツ、フランス等のEU諸国は頭を抱えていることでしょう。

こういったことを複合的に考えた時、日本政府の取る策の余りの愚かさにはぐうの音も出ません。日本は国際的枠組みから再び外され、米国とともに凋落して消滅途上国になりそうです。未だに米軍が日本の全国土利用権と制空権を保有しており、「日米合同委員会」が憲法や国会より上位である日本の現実から思えば納得ですが、日本国民には植民地から独立する自由が残されているはずです。

またプーチンの戦略の緻密さには頭が下がりますが、何よりバイデンの破滅的な自滅策にはまだ合点がいきません。しかし、アメリカ政府は一枚岩ではなく常に派閥の暗闘が繰り広げられているのだと考えることが出来ます。

なお、ロイターやCNN等が配信する西側フェイク報道の焼き直しだけの、国内の反ロシア一辺倒の報道を見ていては、こういう考察は不可能です。西側の報道機関は米英国際金融資本が所有しており、そのスポンサーも国際金融資本が所有者であるという事実を知ることが大切です。

【追記】
ロシアにウクライナ進攻させ、それを理由にロシアを経済制裁して潰そうとした米英側は、世界の150か国以上の国々に離反され、ロシア・中国・BRICSを中心とする米ドルを排除した新たな経済圏の出現により自分の首を絞めています。天然ガス供給減の4割をロシアに依存するEU(特にフランスとドイツ)は、他国からは供給を断られ、ロシアへの天然ガス代金のルーブル決済を4月から義務づけられて首が回らなくなっています。
制裁国側は、資源輸出国であるロシア側国からいずれドル以外での決済を迫られ、ドル基軸通貨は崩壊するでしょう。そうなればぶっちぎり世界最大の債務国であるアメリカの経済は崩壊し、もうアメリカの言うことを聞く国はなくなります。
ロシアも中国も化学肥料の原料の輸出を止めていますから、遅くとも来年には世界中で化学肥料が入手できなくなります。穀物・農産物の輸出を止めている国も増えてきましたから、食糧輸入国には間違いなく食糧危機が訪れます。
覇権を失い世界から見放されたアメリカは、日本からの収奪をさらに強めるでしょう。

どうする?日本人。

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