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『「身体を売る彼女たち」の事情』の裏事情【第4話】

第三章 「デリヘルの居心地がよい理由」では、血縁・地縁・社縁から排除された人たちを包む、夜の世界の社会的包摂=「夜縁(やえん)」に焦点を当てます。

デリヘル事務所の舞台裏、そこで働く人たちの日常は、これまでの類書ではほとんど描かれてこなかった部分だと思います。

もちろん、全ての事務所がそういった包摂機能を有しているわけではないと思いますが、特に地方都市においては、デリヘルが「共助」として機能している現実がある。

「彼女たち」を守る「見えない事務所」の実像を正しく理解することは、風俗を論じていく上で欠かせない条件になるはずです。

デリヘルの店長やスタッフというと、パンチパーマのヤクザみたいな風貌の男性がタバコをふかしながら競馬雑誌を読んでいるシーンを想像される方も多いかもしれませんが、むしろそういった人は少数派で、今は一般的な会社と同様=スーツ姿の人が普通に働いている現場も多いです。

第三章では、そうしたイメージと現実とのギャップを楽しんで頂ければ、と思います。

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