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「俳句界」ZOOM句会報告 ① & 句会等の紹介

1月28日に行われた雑誌「俳句界」ZOOM句会。

講師 仙田洋子先生
参加者 全9名(殆どが俳句歴20年以上の方でした)
「当季雑詠」3句(冬の句)事前投句、事前選句
席題 「寒」2句 事前投句、事前選句


私にとっての初めての句会。
どの句を投句しようか迷った末に、タイプの違う句を選びました。
重視したのは「この句はどう評価されるか」「どのような講評をいただけるか」です。
句としてどうなのか?が知りたかった。

以下、投句した五句についていただいた講評を自分の記録と、ご参考のために記します。

【雑詠三句・冬】

オリオンとサザンクロスの午前5時

*質問にて、この句の背景を説明
(沖縄県波照間島の12月には、午前5時に東の方向の低空ににオリオン座、南の低空にサザンクロスが見える)

*仙田先生より、その時期の波照間の気温を訊かれ、20度から25度と答える。
ご自分も以前、南の島(確かバリ島)に行った際に、夜空に「シリウス」を見つけ、詠もうとしたけれど「さて、このシリウス、本当に冬を表す?」と立ち止ったそう。それと一緒ですね、と。
オリオンが冬の季語であることは、寒さ厳しい冬空にあるからこそのオリオン。その季語としてのオリオンを詠むには波照間は適さない、ということ。
非常に納得した講評をいただきました。
ちなみにこの句の場合の「午前5時」表記は「午前五時」を推奨とのこと。

足元の危なき朝の七日粥

*1名に佳作として選句された。
*選句の講評は、今や自分の身体に自信がなくなり、足元も危うい。そのような自分をよく表した句と思い選句。
*仙田先生には、この表現だと、その日の朝じゅうずっと足元が危うい感じを受けるけれど、実際何を詠んだの?と訊かれる。
この句は、東京に3年ぶりに雪の降った朝のことで、その日がちょうど七日粥の日だったから、その思いを詠んだと返答。
*そうなるとやはり足元が危なくなった情報を少し織り込みたいわね、と。
*他の参加者の方から、季語「七日粥」が近すぎるから選句しなかったとのご意見も。(これは、身体的不安からの上五、中七の場合、身体を労わっての「七日粥」が近すぎるという意味)(この部分追記)

「七日粥」の季語をこのまま使用して、積雪情報を入れるのはなかなか難しい。
そして、非常に感じたことは「私は雪が降っている、を大前提とし、当然と思って詠み、よもや足元がおぼつかない高齢者の発想はなかった」ということ。

猟銃を慢心に突きつける仮想

*仙田先生より「突きつける」の表現が強すぎる、との講評。

【寒二句】

白銀のフィールドサイン寒月下

*仙田先生より、カタカナ「フィールドサイン」の文字数が多すぎる感。
同異議の違う言葉を選択した方がいいかなあ、と。
句全体のカタカナの割合、大事なのだなあと実感。


大寒の宿り木飄々と笑ふ

*1名に佳作として選句された。
*選んでくださった方、そして仙田先生ともに「飄々と笑ふ」がいい、との講評。

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仙田先生よりいただいた総評のなかで、心に響いたのは

俳句は創作でありスポーツ競技のような目に見える評価基準はない。人それぞれの基準によっての選考となる。ここではよい結果になったとしても、他の場所では同じ結果は得られないかもしれない。
大切なのは、場を経験することで「自分なりの俳句感を自得」すること。 

とても納得した。

そして、
「どこかの大会、選考で選ばれること」
「集まる人々のタイプの異なる句会で選ばれること」
「選考を気にせずに自分なりの句を詠むこと」
自分がどれを強く意識するか、それによって詠み方が違うのだろうなあと、今回ますます感じた。

これも、もっともっと俳句が上達したら、それぞれの境はなくなるのかもしれない。だけれども、今の私にとっては、この線引きはかなり重要。

そして、もうひとつ「いかにわかりやすい句が大切なのか」「季語の持つ意味を大切にする」を改めて思った。独りよがりの句は、ひとに伝わらない。そういうことなのだ。

これからも、俳句の広い世界を少しずつ経験していきたいと思う。

そしてやっぱり俳句は楽しい🎵

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うつスピさんから、以下三点、ご紹介いただきました。

「夏井&カンパニー」からの、夏井先生の句会ライブ等々

ほのぼの句会

愛媛トヨタ「俳句募集」(プレゼントあり)


ご興味のある方はぜひ!

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タイトル画像:大洗「神磯の鳥居」の朝陽     

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