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図書館で勉強を終えた後、ベンチに腰を下ろして帰りのバスを待っていた。
視線を落とすと、蝉の死骸があった。
じりじりとした太陽の光をお腹で浴びながら、満足そうに。
溶けそうなほどに暑い日だった。
数えきれないほどの蝉が鳴いている中、1週間ほどの生を全うしたその蝉を見て、ああ夏だ、と感じた。

毎日聴いている蝉の元気な声が、もうすぐ聴けなくなるんだって思ったら、ちょっぴりさみしい。
蝉のこと鬱陶しいなんて思ってたくせに。
あと数週間ほどすれば、今年はもう日本の夏を感じることはなくなる。

少しだけ、私の「ちょっぴりさみしい」感情を分解してみる。
ー蝉の声が聴けなくなるから
ー家を出る前に氷を一粒頬張って自転車を漕ぐと気持ちいいから
ー汗を垂らしながら家に帰って、冷房のついたリビングでパルムを食べると幸せな気持ちになるから
ー夏の夜風が心地いいから
ー花火が見れなくなるから
ざっと出しただけでも5つ。他にもたくさんある。
蝉も暑さも鬱陶しいけれど、結局私は、こうやって季節を感じれるから日本の夏が好きなんだ。

話を戻すと、私がもうすぐ蝉の鳴き声を聴けなくなるのは、数週間後からデンマークへの休学留学が始まるから。期間は1年。
22年間生きてきた中で1番大きな決断で、自分の中ですぐにスッと受け入れることができた決断。
これからの私の人生にプラスの栄養を加えてくれる予感のする決断。
私は、デンマークで感じたことを綴りたくて、湧いてきた感情をできるだけ言葉で残したくて、忘れたくなくて、伝えたくて、ノートを始めようと決めました。
伝えたい出来事や感じたことを言葉にする練習を兼ねて、出国前も投稿します。

今回自分なりに自分のことを語ってみたつもりだけれど、ちゃんとした自己紹介になっていない気がします。
自分のことを語るのは苦手なのです。
これから私が投稿することばたちで、私のことを知っていただけたらと思います。

初めてたくさんの人に読んでいただける場所に私の言葉を放ったので、とてもドキドキしています。
これからは、このドキドキをワクワクに変えていきたいです。

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