向日葵
春の終わり頃にミニひまわりを植えた。袋に10粒ほど入っていた種を全部植えて、芽が出たのは半分ほど。
どれも最初は順調に育ち、夏に花を咲かせてくれるのを楽しみにしていた。
けれど、虫にやられてしまい半分が枯れてしまった。
虫は退治したものの、栄養を奪われたひまわりたちはしょんぼりと項垂れていた。なるべく日当たりの良い場所に場所を移動させたり、土を足してみたりと試行錯誤して、彼らは元気を取り戻していった。
夏には小さな蕾ができて、いよいよ蕾から黄色い花びらが見えてきた。
しかし、何故か途中で力尽きて蕾を開き切ることはなかった。
不思議に思って念入りに調べてみると、別の虫が居着いていた。慌てて退治し虫が産んだ卵らしきものも取り除く。また1株枯れてしまった。
残った子たちは無事に育ってほしいと殺虫剤と肥料を購入して土に撒いた。そのお陰か虫は二度と寄り付くことはなく、再びすくすくと育っていった。
真夏のピークを過ぎて、朝夕と涼しくなり始めた頃、今まで見たことがない大きさの蕾ができていた。
日当たりと水のやり過ぎに気をつけながらそっと見守り続け、数日が経った頃、蕾から黄色い花びらが見えてきた。
ゆっくりと少しずつ花が開き、とうとうひまわりの花が咲いてくれた。
遅咲きのひまわりに、感謝と労いの気持ちを込めてジョーロで水をあげた。「ありがとう」と声をかけてみた。
夕方に様子を見てみたら、また少し大きく花が開いていた。
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