見出し画像

畑仕事 ◉お世話係編◉

夏ですね。
畑では、7月からサマータイムが適用されています。
夏を乗り切るための要素、早朝×時短(×昼寝)を
積み上げた結果、早朝6時〜昼12時という
超ホワイトな勤務形態が爆誕。
これ以上ない環境で、それでも口をひらけば
「あつい、あつい」と言って大汗をかき、
あっちの圃場からこっちの圃場へと
水筒引っ提げてウロウロする、豊かな日常です。

夏の畑の仕事は、毎日のルーティンの他に、
野菜の収穫と調整・出荷、
草取りやマルチング、芽かきなどの圃場管理、
以前の投稿で少し触れた、虫たちとの格闘シリーズなど。

—(脱線)—
ちなみに最近の虫たちとの格闘編は、
トマト大好きオオタバコガの他に、
ナス・ピーマン周辺のテントウムシダマシ
(オレンジに黒の斑点、てんとう虫に似た模様でありながら食害を引き起こす)など。
あと普通に蚊。野菜への影響というより、人間がかゆい。


農民とは、日々マルチタスクをこなし、
時に踊るように圃場を行き来するなぁと思う。
早朝鳥の声を聴きながらひとり収穫に勤しむ静的な時間と、
それ以外の踊り歩く動的な時間は、同じ斜面にある。

中でも、たぬきや虫の行方を追う探偵🕵️‍♀️でもなければ、
見つけた虫は必ず仕留める必殺仕事人🥷でもない、
ただ野菜のお世話係として過ごす時間🧑‍🌾はやはり好き。

特に好きだった最近のお世話編は、
・倒れたきゅうりのつるを持ち上げ、ネットに這わせる
 (→上にぐんぐん伸びられるように起こして差し上げる)
・トマト、豆科、ナスピーなどの誘引
 (→雨風が吹いても安心なようにまとめて差し上げる)
・カボチャに日除けをかぶせてあげる
 (→日焼けが苦手なカボチャ君に日傘をさして差し上げる)
※括弧内はお世話係(しもべ)の心境です。
お世話してる感ではズッキーニの人工授粉も迷った。

特にカボチャの日除けは、
足の踏み場もないくらい鬱蒼と生い茂る雑草をかき分け、
葉っぱやつるを踏まないようにして、
足元よろつきながら、まずはカボチャを探す。

一人が竹の支柱を小脇に抱えて次々に差していく。
もう一人が日除け用の米袋が入ったしょいこを背負い、
支柱めがけて突き進み、カボチャをくるくると包む。
文字に起こすとゲームっぽい。

カボチャ1 に対して 人間2という手厚い待遇。
このバランスと、手のかかりようが他ではあり得なくて
なんともたまらず、ずっと眺めていたくなる。
がしかし、またすぐに別の圃場へと踊り出してしまうので
そうも言っていられない。

この、なんともたまらず、胸のあたりに湧き上がるもの。
それが何かを言葉にするのは難しい。

暑さに加え、日々ああでもないこうでもないと
考えてもなお答えの出ないことが多く、
灰色の小さな脳細胞は沸騰寸前。
落ち込んで自信を無くすとすぐ、
心の中の小橋(「虎に翼」より)が顔をだして騒ごうとする。

だからこうして体を使い、
ただひたすらに世話係と化す静かな時間が、
心許なくなった時には効果覿面の寄る辺になる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?