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忙しい人のための『洋書和訳&超訳』 シリーズ③ 原題:『Brain Food』 by Lisa Mosconi

こんにちは!今日も忙しい人のための『洋書和訳&超訳』シリーズ③ということでnote記事を書いていきたいと思います!
なお、今回は書籍の内容が少し難しいこともあり当初の想定よりは文字数が多くなってしまいましたが、その分ちゃんと内容がしっかりとしているため、いつもよりさらに有益になっておりますので、是非あきらめずについてきていただいて最後までお読みいただけると嬉しいです😊

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それでは、さっそく本文に入っていきたいと思います!

原題:Brain Food:The Surprising Science of Eating for Cognitive Power by Lisa Mosconi(直訳:ブレイン・フード 認知力を高める食事の意外な科学/リサ・モスコーニ)

①イントロダクション:脳の健康を高め、精神的な明瞭さを向上させる科学的根拠に基づく魔法

本書では、栄養と脳の健康のつながりを強調し、神経栄養学の最先端の科学を紹介しています。水の重要性、究極の脳に良い食べ物、栄養素の相乗効果について説明し、食事をコントロールすることが脳をサポートし、認知症や脳の曇り、ストレスなどを防ぐことにつながることを示しています。また、食べるべきものと避けるべきものを具体的に示したレシピも含まれています。

②食べ物は薬であるか毒であるか、アルツハイマー病の予防に関する重要性

食べ物は薬であるか毒であるか。アルツハイマー病のような認知症を予防するためには、ライフスタイルの選択が重要であることが示されています。健康的なライフスタイルでは、アルツハイマー病を含む多くの疾患の予防につながります。食事は、身体に与える影響が最も大きい要素の1つであり、脳に必要な栄養素の多くが食品から摂取されます。したがって、食べ物はあなたの脳の機能に直接影響を与えています。アルツハイマー病は、脳に提供される栄養素に最も極端な反応を示す病気の1つであるため、食事による脳への影響について理解することは、認知機能を改善し、健康的な脳を維持するために重要です。

③ 水分補給は「知能」を高める

あなたの脳は、80%が水、11%が脂肪、8%がタンパク質、3%がビタミンとミネラル、そして少しの炭水化物で構成されています。脳は、脳脊髄液の中で浮かんでいるため、水分補給が不足すると、脳が縮むことがわかっています。ある研究によれば、1日に8〜10杯、約2リットルの水を飲むことで、脳のパフォーマンスが30%近く向上することがわかっています。
さらに、水は脳が機能するために必要な物質の1つであり、脳細胞の間のスペースを埋め、栄養素の吸収、タンパク質の形成、廃棄物の排出を助ける構造的な役割を果たしています。
水分補給には硬水を飲むことが重要であり、水道水またはボトル入りの天然水から取得することができます。これにはカルシウムやマグネシウムなどの鉱物が含まれており、浄水よりも優れた選択肢です。また、エナジードリンクよりも硬水のほうが運動後の水分補給に適しています。さらに、食事によっても水分を補給することができます。キュウリやレタスなどの野菜は96%が水分であり、果物の中ではスイカが93%の水分を含んでいます。食事にこれらを含めることも大切です。

④ 脳は脂質を必要とするが、すべての脂質が同じように作られるわけではない

高脂質ダイエットは今日の流行ではありますが、脳は「脂質でできている」という理由だけで脂質を摂取する必要はありません。脂質は、脳細胞を支える「構造脂質(※注1)」と、エネルギーを貯蔵する「貯蔵脂質(※注2)」の2種類があります。摂取する脂質は、必ずしも脳にとって良いわけではありません。飽和脂肪酸は脳にとって悪影響を与え、不飽和脂肪酸が必要です。また、トランス脂肪酸を含む加工食品は避け、アボカド、オリーブオイル、ナッツ、ヨーグルト、キビなどの多価不飽和脂肪酸を摂取しましょう。多価不飽和脂肪酸のうち、オメガ3脂肪酸は認知症予防に効果的です。その中でも、キャビアが最高の栄養価を持つと言われています。また、代用品としてサーモンの卵があります。これらを摂取することで、脳の健康をサポートしましょう。

※ 注1 「構造脂質」とは、細胞膜構造の材料となる脂質。コレステロールや多価不飽和脂肪酸がこれに当たる。多価不飽和脂肪酸はリン酸と結合したリン脂質の形で細胞膜に存在する。また、コレステロールは特に脳の神経線維細胞の髄鞘(情報伝達のための電圧の変化が漏れないようにする「絶縁体」)に多量に含まれている。
※注2 「貯蔵脂質」とは、過剰な摂取栄養素が脂肪細胞で中性脂肪に変えられて貯蔵されるもの。皮下や腸間膜、筋肉中に多く、内臓周囲につくこともある。飢餓時には動員されてエネルギー源として利用される。貯蔵脂質が異常に増加すると肥満になる。
<参考>
1.http://www.jmi.or.jp/info/word/ka/ka_160.html
2. http://www.jmi.or.jp/info/word/ka/ka_160.html

⑤アミノ酸は思考力、感情、睡眠に影響を与える

中枢神経系は80億以上のニューロン細胞で構成されていること、脳がそのコントロールを担っています。ニューロンは他の細胞にシグナルを送ることができるため、神経伝達物質であるアミノ酸が重要な役割を果たします。アミノ酸は、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の生成に必要であり、これらの物質は感情、睡眠、食欲、記憶、運動制御などに関与しています。
また、アミノ酸不足は、神経伝達物質の異常につながり、うつ病などの認知症状を引き起こすことがあります。そこで、バランスの良い食事が重要になります。チアシード(※注3)、カカオ、オーツ麦、スピルリナ(※注4)、カボチャの種などはトリプトファンの豊富な植物性食品であり、サーモン、ヨーグルト、ツナなどの動物性食品も良い選択肢となります。また、著者がお勧めするのは、野生のアラスカサーモンを使った料理で、トリプトファンの豊富な食品とともに摂取することで、より良質な睡眠が得られるとされています。

※注3 チアシードとは、「チア(Chia)」と呼ばれるシソ科の植物の種。 水を含むと半透明な膜を張る特徴がある。また、美容や健康に良いスーパーフードとして、ハリウッドセレブや海外の女優が紹介したことで、チアシードは人気となった。
<参考>
https://www.g-veggie.com/amp/i-1-cn
※注4 「スピルリナ」は塩水湖に生息する藻類の一種です。およそ30億年前に地球上に誕生したといわれている。クルクルとしたらせん形の藻類であることから、らせんを意味するスペイン語Spiraが由来となりスピルリナと名付けらた。このスピルリナは良質なタンパク質、ベータカロテン、ビタミン、ミネラルといった様々な栄養を含んでいることから「スーパーフードの王様」と言われている。
<参考>
https://hongo3.co.jp/column/spirulina/

⑥ グルコースは脳を動かす

ここでは、ダイエットにおいて炭水化物がどのように扱われるかを解説し、脳が健康的に活動するために必要なグルコースの重要性を説明します。脳は、エネルギー源として脂質と糖を使うことができますが、グルコースは脳の唯一のエネルギー源(※注5)です。グルコースは、代謝の過程で炭水化物が分解されることで作られ、すばやく血液中に吸収されます。その後、グルコースは血液脳関門を越えて脳内の数十億の細胞に供給されます。また、健康的で活動的な脳を維持するには、1日に約62グラムのグルコースが必要です。赤ビーツ(※注6)、玉ねぎ、かぶ、ルタバガ(※注7)などが最高の天然グルコースの源です。1つの赤ビーツだけで、1日に必要なグルコースの約1/3を含んでいます。また、キウイフルーツ、ブドウ、デーツ(※注8)純粋なメープルシロップ、はちみつもグルコースが豊富です。しかし、白砂糖を含む多くの糖分を消費すると、血糖値が上昇し、炎症、2型糖尿病、代謝障害を引き起こします。これらの状態は認知症のリスクを高めます。
したがって、ケーキ、パスタ、ピザなどの小麦製品から悪い糖分を減らし、スイートポテト、ベリー、グレープフルーツ、カボチャ、レンズ豆、ひよこ豆、全粒穀物などの複合炭水化物とで代用することをお勧めします。また、食物繊維を多く含む食品を摂取することで、血糖値の上昇を抑えることができます。それに加えて
、オーガニックのカカオ70%以上のダークチョコレートや、空気を入れたポップコーンなど、糖分が少ないおやつを選ぶことをお勧めします。

※注5 私たちの脳はエネルギー価の高い脂肪酸を使わずに、もっぱらグルコース(ブドウ糖)しか使わないが、その理由はおそらく脂肪酸の方が有害な活性酸素を多く排出するからだと考えられている。
<参考>
https://www.satoyama-teras.com/column/175.html
※注6 ビーツに含まれる栄養素としては、必須ミネラルの「カリウム」や「鉄」のほか、「葉酸」「ベタイン」がある。カリウムはナトリウムを排出して血圧を下げる作用、鉄は酸素を全身に供給する働きがある。
<参考>
https://www.ensuiko.co.jp/product/redbeet/※※注7 ルタバガは北欧のスウェーデンが原産と言われているアブラナ科の野菜で、「スウェーデンカブ」や「カブハボタン」とも呼ばれており、主に北欧やロシアなどで栽培されてきた。外見がカブの部分や葉の形状が蕪によく似ているが、分類的には蕪よりも菜ばなの変種とされている。
<参考>
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/rutabaga.htm
※注8 デーツは、ヤシ科の高木「ナツメヤシ」の実です。中近東諸国では、代表的な果実として多くの人々に日常的に食べられている。
また、現在では、中近東やアメリカなどで生産され、世界中へ輸出されている。デーツは、木に実をつけたまま自然乾燥し、太陽の光を浴びて樹上で完熟していくデーツはいわば天然のドライフルーツ。黒糖や干し柿に似たコク深い甘みある味わいで、食物繊維やカリウムが豊富。特に女性の間でスーパーフードともいわれスイーツ代わりとしても人気の果実。
<参考>
https://www.otafuku.co.jp/product/sp/okonomisauce/date/

⑦ビタミンは脳を保護し、認知能力を向上させる

ビタミンは、脳細胞と組織を毒素、フリーラジカル、そして汚染から保護し、神経伝達物質の生成に欠かせないビタミンB6も含まれます。さらに、ビタミンBが豊富な食品を食べることにより、認知症や脳卒中の25%以上が完全に予防できるというエビデンスもあります。ただし、食品の栄養素の相乗効果により、製造されたサプリメントは本物の食品と比べて効果が劣るため、ビタミンは食品から摂取することが望ましいです。ビタミンB6が豊富な食品は、アーモンド、フラックスシード、マグロ、貝、オルガンミート、甘いジャガイモ、葉緑野菜、キャベツ、バナナ、ニンニクなどがあります。また、卵は記憶機能を向上させるコリンの良い源であり、健康的な卵の消費量は週に2〜3個程度とされています。

⑧ 健康な腸は幸福な脳へとつながる

我々の祖先は草、種、果物、根菜類、そして時折魚を食べていたのに対し、現代の西洋の食生活は加工肉、穀物、乳製品が中心です。また、残留農薬、化学肥料、成長ホルモン、抗生物質、ヒ素などが飼料として与えられ、私たちがそれらを摂取してしまうことで、腸や脳に悪影響を与えることが明らかになっています。
実は健康な腸は幸福な脳の状態につながることも分かっており、また腸内細菌叢が人体の生態系を支え、化学物質が脳の機能に影響することもわかっています。腸を健康に保つためには、可能な限り有機野菜を食べることです。さらに食物繊維の豊富な食品やプロバイオティクス食品が健康に良いことなどもわかっています。最新の研究では、腸内細菌叢の変化が不安やうつ病などの脳疾患のリスクに影響することがわかっており、プロバイオティクスが有効な治療法になりうることが示されています。

⑨長寿の秘訣は「健康的な食事」「運動」そして「良い人間関係」の3つ

世界中に散らばる「ブルーゾーン」と呼ばれる地域では、長寿の人々が特に多く暮らしています。これらの地域に住む人々は、がん、肥満、心臓病、糖尿病、認知症の発生率が非常に低く、健康的な生活を送っています。その秘訣は、「健康的な食事」「運動」「良好な人間関係」の3つにあると言われています。
これらの長寿地域に住む人々は、家族や友人との強い絆を持っており、毎日かかさず運動をしています。また、野菜、果物、豆、穀物を中心とした健康的な食事を心がけています。肉や魚は月に5回程度の少量を摂取することが多いです。さらに、適度な量の赤ワインを飲む習慣があります。
これらの生活習慣を取り入れることで、健康な脳を育てることができます。また、自分自身に合った生活習慣を見つけ、ストレスを減らし、人生を楽しむことも大切です。

⑩最終的なまとめ

脳の健康は食べ物によって左右されます。神経栄養学の研究によると、水分摂取量を増やし、野菜、果物、豆、穀物、魚などを含む植物中心のバランスの良い食事を心がけることで、脳が最高のパフォーマンスを発揮し、病気を予防し、健康的に年を重ねることができます。
また、実践的なアドバイスとして、アルミニウムや銅などのミネラルが体内に入る可能性がある水道管に加え、アルミニウム製の調理器具、電子レンジ用のプラスチック容器、テフロンなどの合成樹脂の非粘着性表面からも有害物質が体内に入ることがあるため、注意が必要です。代わりに鉄製、ステンレス製、ガラス製、伝統的な陶器製の調理器具を使うことをオススメします。

このように食事は腸の健康からさらに脳の健康にも影響してることが詳しく学べましたね!さっそく今日ここで学んだ情報を日常生活にとりいれて、より健康な食事に切り替えた生活スタイルを意識してみてはいかがでしょうか!
ここまでお読みいただきありがとうございました😆

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