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忙しい人のための『洋書和訳&超訳』 シリーズ④ 原題:『Brain Maker』 by David Perlmutter MD with Kristin Loberg

こんにちは!さて、今日も忙しい人のための『洋書和訳&超訳』シリーズ④ということでnote記事を書いていきたいと思います!
なお、今回もまた健康・食事・栄養のジャンルの本をチョイスしていますが、私は自己紹介noteに書いているように月100冊~300冊の多様なジャンルの本を読みますので、今後は他のジャンルの洋書もこのコンテンツを通して読者の皆さんにお届けしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします😊

《基本的にこのコンテンツは今のところは無料で継続的に提供していこうと考えていますので、是非みなさん勉強になったり、気に入っていただけたり、良いと思ったら拡散していただいたり「いいね」「フォロー」など、よろしくお願いいたします😆🙌 》

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それでは、さっそく本文に入っていきたいと思います!

原題:Brain Maker:The Power of Gut Microbes to Heal and Protect Your Brain for Life by David Perlmutter MD with Kristin Loberg(直訳:ブレイン・メーカー 腸内細菌の力で脳を癒し、一生守る/デイビッド・パールマター、クリスティン・ローバーグ)

①イントロダクション:腸内細菌が健康に与える影響と予防方法

私たちの腸内に住む驚くべき微生物である腸内細菌叢の適切なバランスが、アルツハイマーや自閉症、うつ病や肥満などの病気を防ぎ、治療する可能性があることがわかりました。また、脳の健康は腸の健康と密接に関係しており、腸内細菌は貴重なビタミンを提供し、感染を防ぎ、炎症を引き起こす他の悪い細菌を防ぎます。しかし、あなたがどのグループの細菌が優勢であるかということに関しては、自分で決めることができます。つまり、食べ物をどう食べるのかということに賢く取り組むことで、新しい病気の予防の世界に参加することができます。この書籍では、プラスチックノートに含まれる化学物質が肥満につながる可能性があること、良好な腸内細菌叢が自閉症スペクトラム障害の症状を抑制する可能性があること、おいしくてターメリックたっぷりのカレーが脳を成長させる理由についても紹介されています。

② 腸内細菌は太りやすさに関係している

人の腸内にはたくさんの細菌が住んでおり、これらの細菌のグループが、健康に大きな影響を与えることがわかっています。たとえば、腸内にある細菌の種類によって、太りやすいかどうかが決まるとされています。食べ物からエネルギーを効率よく抽出する「ファーミキューテス門」と、植物繊維やデンプンを分解する「バクテロイデス門」があり、ファーミキューテス門が多い場合は、体内に炎症を引き起こす可能性があり、肥満になる可能性が高いことが分かっています。アフリカ人の腸内にはバクテロイデス門が多く、肥満が少ない一方、西洋人の腸内には、多くのファーミキューテス門が見られるため、肥満が大流行しているとされています。また、腸内細菌は、体内に入ってくる毒素を分解し、肝臓をサポートする働きがあり、体の「第二の肝臓」とも呼ばれています。

③炎症反応が体を守る一方で、調子を崩してしまうこともある

体が外傷や感染症に対する防御策として起こす炎症反応が、必要以上に長引くと糖尿病や癌、喘息、関節炎、多発性硬化症などの病気を引き起こすことがあります。炎症反応を引き起こす遺伝子の働きには環境要因も関係しており、睡眠や食生活などの改善でコントロールすることができます。血糖値が高くなると、糖と脂質が結びつき、糖化が進行し、この状態が進むと、AGEs(エージーイー、エージス)(※注1)と呼ばれる物質が生じ、炎症を引き起こす。炎症は適度であれば免疫力を高めるが、過剰に起こると健康に悪影響を与えるため、注意が必要である。

※注1 AGEs(エージス、エイジス、エイジズ、エージーイー)とは、Advanced Glycation End Productsの略語であり、終末糖化産物、後期糖化生成物などと訳される。タンパク質または脂質が糖へ曝露されることによる糖化反応(メイラード反応)によって作られた生成物の総称であり、身体の様々な老化に関与する物質(より正確に言えば、生体化学反応による生成物)と言える。
AGEsが体の中に蓄積されると、肌のはりが失われシミやしわ、たるみなど美容面に影響があるほか、糖尿病の合併症や動脈硬化、高血圧、腎臓や肝臓の病気、がん、骨粗鬆症、アルツハイマー型認知症などの病気にもつながるといわれています。このような糖化による体への影響やその後のストレスを「糖化ストレス」とも呼び、実際に行われたある研究では、AGEsの蓄積が多いと糖尿病や心臓病にかかるリスクが20~30%高く、死亡リスクは2倍も高くなるという結果も出ているため、AGEsをためない対策が大切であるとされている。
<参考>
①.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/AGEs
②.https://ehealthclinic.jp/medical/ages%e6%a4%9c%e6%9f%bb/

③腸内細菌叢の乱れが脳に影響を与える可能性がある

腸内細菌叢が免疫系に協力して体を守る役割を果たしていますが、その防御機能が低下すると、体内の有害な細菌が脳に影響を与える可能性があることが最近の研究で明らかになりました。かねてより脳は血液脳関門によって保護されていると考えられてきましたが、炎症が起こると脳への有害な細菌の浸入が起こり、アルツハイマーやパーキンソン病、うつ病などの神経疾患を引き起こす可能性があります。また、脳の炎症は無症状の場合が多く、自覚症状がないまま多大な損害をもたらすことがあります。したがって、健康的な腸内細菌叢の維持が、脳の健康を維持する上で重要であることが示唆されています。

④ 腸内細菌が自閉症スペクトラム障害の発症に影響する可能性がある

自閉症スペクトラム障害(ASD)は原因が未だに不明で治療法も存在しない難解な疾患です。しかし、腸内細菌を調べることで、ASDを理解し治療することが可能であることが分かってきました。腸内の問題がASDの発症に関連しているとの仮説があり、腸内細菌の組成とASDの関係についての研究が進んできています。治療法としては、患者に対して経口摂取のプロバイオティクスやビタミンサプリメントを投与して腸内細菌を改善する方法や、腸内フローラ移植(便移植)と呼ばれる治療法があります。便移植は、健康な人の腸内から便の細菌を抽出し、患者の大腸に移植する方法で、腸内細菌の改善に効果的であることが示されています。

⑤ 西洋人の食生活に含まれる果糖の過剰摂取が食事に関連する病気の原因となっている

西洋諸国では、加工食品や甘い飲み物に含まれる果糖が最も摂取量が多く、炭酸飲料1缶にはリンゴ1個の2倍の果糖が含まれています。果糖の過剰摂取はインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病や高血圧のリスクを高めることが示されています。また、果糖の代謝を行うのは肝臓であるため、肝臓にストレスをかけることにもつながってしまいます。また、グルテンも健康に悪影響を及ぼすことがあります。グルテン感受性が高い人は、炎症反応を増加させてしまうことがあり、それが様々な病気の原因となることが知られているため、グルテンを避けることが望ましいとされています。

⑥抗生物質の乱用と化学物質の健康と環境への影響

抗生物質の乱用は、私たちの腸内細菌叢や健康に影響を与えるだけでなく、耐性菌を生み出す可能性があります。また、農業においての過剰な使用も問題となっていて、化学物質の中には環境や健康に悪影響を与えるものもあります。例えば、BPAの使用はホルモンバランスを乱し、腸内細菌叢を変化させる可能性があるとされています。米国では数十万種類の化学物質が承認されていますが、そのうちのほとんどが安全性が十分に検証されていません。

⑦発酵食品と断食が健康に良い理由

発酵食品は健康に良いため、約7,000年前から人々によって利用されてきました。発酵によって炭水化物がアルコールや有機酸(※注2)に変換され、ビタミンB12の生成などに役立ちます。乳酸発酵(※注3)による食品の保護は、有害な細菌や腐敗から食品を守り、プロバイオティクス(有益な細菌)の数を増やすことができます。また、断食も健康に良い影響を与えます。食事の制限や24時間から72時間の断食を行うことで、インスリン感受性が向上し、老化のスローダウンや脂肪燃焼による減量効果もありるとされ、また、腸内細菌にも良い変化をもたらします。

※注2 有機酸とは、酸性を示す有機化合物の総称で、食品の中では酸味を示す原因物質の一つ,で、酸化を防止したり抗菌性も期待される等、その機能的性質にも注目されている。
代表的なものでは、柑橘系果物や梅干し等に多く含まれる「クエン酸」や、お酢の主成分である「酢酸」、リンゴやワインに酸味を与える「リンゴ酸」等がある。
<参考>
http://www.mac.or.jp/technical/organicacid/index.htm
※注3 糖質が微生物の作用を受けて、主として乳酸を生成する現象で、アルコール発酵と並んで生物の主要な発酵形式である。乳酸発酵を営む微生物の代表的なものが乳酸菌である。糖の乳酸への転換は古くから知られ、1857年パスツールはこれが乳酸菌の作用に基づくことを明らかにした。
<参考>
https://kotobank.jp/word/%E4%B9%B3%E9%85%B8%E7%99%BA%E9%85%B5-110415

⑧健康に良い2つの天然素材:ターメリックとココナッツオイル

最近は健康に良い天然素材として、ターメリックとココナッツオイルが注目されています。ターメリックは抗炎症作用や抗酸化作用があり、脳細胞の数を増やす効果もあることが研究によって分かっています。また、血糖値の安定にも役立ちます。ココナッツオイルも強力な抗炎症作用があり、アルツハイマー病などの神経系疾患の予防にも効果があるとされています。普通に食用油として使用するか、純粋なオイルとして毎日ティースプーン1〜2杯分を直接摂取することもできます。このように、自然な方法で健康を維持するためには、ターメリックとココナッツオイルを摂取するのがおすすめと言えます。

⑨最終的なまとめ

本書の要点は、健康にとって腸内細菌は非常に重要であるということです。腸の不調は肥満の主要原因の1つで、糖尿病、認知症、そして潜在的には自閉症にも関連しています。しかし、シンプルな食事の調整によって、たとえば、プロバイオティックな食品を摂取することで、腸内細菌叢の状態を改善し、健康を改善することができます。また、実践的なアドバイスとして、水を濾過したり、抗生物質の後にプロバイオティックを服用することが挙げられます。このような簡単な調整が、健康を改善することにつながります。

本noteの内容は以上になります!今日の学びで皆さんの健康的な生活のお役に立てれば嬉しいです!ここまでお読みいただきありがとうございました!😇🌈


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