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ストロベリーナイトとは一味違う誉田哲也「武士道シックスティーン」

推薦図書と言われてふと考えてみたが、自分の趣味嗜好としては王道よりもマニアック。直球よりも変化球。イノセントワールドよりもクロスロードなんだよなぁ。

そんな自分に果たして万人にオススメ出来る書籍はあるのかと自問自答してみた所、あったあった。これなら自信を持ってオススメ出来ます。

他人にあなたの好きな作家は?
と尋ねられた時にベスト10に食い込んでくる作家の一人が誉田哲也です。

誉田哲也といえば、代表作に挙がるのが「ストロベリーナイト」「ジウ」
などのいわゆる警察モノ。

描写は凄まじく、ドロドロしていて「おっ」となる展開が心地いい。
ドロドロも後にしてみれば良いカンジのスパイスみたい。

しかし今回推薦するのはそんな誉田哲也らしからぬ、非常に爽やかな物語「武士道シックスティーン」。

早苗と香織。この二人の剣道女子を描いていて、
性格は正反対、戦い方も正反対、モットーも正反対、
とまぁよくある構図ではあるんですが、
ところどころに誉田節が効いていて魅力的。

剣道の面の掛け声を表現する時に
「ンメアァァァーッ。」ってスゴくないですか?

話は早苗の視点と香織の視点とが一部ずつ半々に進むのに加えて
一部の長さは短編集のように短いので、
実にサクサクと話が進んじゃいます。

ナニコレ超読みやすい。

しかし剣道部出身の作者の影響か、ディティールは妙に細かい。
「へー剣道部ってこうなんだ」を実に見事に解決しながら
話が進むので、なかなか勉強になったりもします。

ちなみにタイトルの通り、
武士道シックスティーンで高校一年生。
続編のセブンティーンで二年生。
エイティーンで三年生。
ジェネレーションでその後が描かれ、ストーリー的なモヤモヤもほぼ全て
回収してくれるのでそういう意味でもスッキリする。

スッキリ青春爽やか剣道女子の話、武士道シックスティーン。
気になったら是非お読みいただきたい。

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