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ウイスキーと「孤独」。"創造"の良きパートナー

ウイスキーは「孤独」と相性の良い飲み物である。「孤独」がもたらす広々とした世界に、ウイスキーが色を足していくからだ。

キャンパスは広いほうがより多くのことを描ける。「孤独」が生み出した頭の中の広いキャンパス。そこに個々人が描くものが世界観である。

ウイスキーを誰かと一緒に飲むのはとても楽しい。ひとりで飲むのとは違った楽しみがある。

誰かと飲んでも楽しいし、ひとりで飲むのも楽しいのがウイスキーの素晴らしさの一つである。

近年では「孤独感」という言葉を目にする機会が増えたように感じるが、田舎に住んでいる私自身は あまり感じていない。

なによりおそらく私は「孤独」が大好きである。ひとり頭の中で世界を描き、時空を超えて行きたいところに行ってしまえるし、生死を問わずに会いたい人にも会いに行ける。

そういった行為とウイスキーとの相性はとてもいい。ウイスキーを飲みながら頭の中に"創造"する行為は、とても充実感があり時間を忘れてしまうほどである。

なぜ人は「寂しい」のか?分かり合えない実感からくるギャップ

私には孤独感がないと言ったが、いつでもないわけではない。特に、一定期間都会にいると強く感じることがある。

それが不思議なもので、田舎に帰ってきたらまるきしなくなってしまう。SNSもやらずに誰とも連絡を取らず、本を読んだり文字を書いたりギターを引いたり散歩したりしていると、あっという間に時間が過ぎてしまうから、ある意味忙しすぎて寂しさを感じる暇がない。

人はなぜ「寂しい」と感じるのだろうか?個人的な仮説がある。

誰かが近くにいるのにも関わらず、通じあえていないという矛盾的感覚から生じていると思う。

近くにいるはずなのに、わかり合えていない気がしてエラーが起こる。物理的距離と精神的距離のギャップに理解が追いついていないのだと思う。

これが最近ではSNS上でも起こる。ネット上でのやりとりは、仮想上でも距離が近づきやすい。そしてわかり合えずに寂しさを引き起こす。こんなに繋がっていたはずなのに、と。

だから私は田舎に引きこもり、ネットを絶ってしまえば「寂しい」とか「孤独感」といった感情が一切なくなってしまう。

たしかに猫はいるが、仮にいなくとも本を読み、ギターを引き、ウイスキーを味わう生活に「寂しさ」など感じる暇はなくなってしまう。

この経験からおそらく人は、他人の存在によって「寂しさ」や「孤独感」を引き起こしていると思う。他人がいない世界では「寂しさ」や「孤独感」が生まれ得ないと感じている。


ウイスキーは「孤独」の良きパートナー

そもそも人は誰でも「孤独」である。これはネガティブな話ではない。一人で生まれ、一人で死んでいく。昨年父を見送ったのだが、そのときに強く実感したのを覚えている。

精神的に誰かと繋がっていようといまいとも、大前提としての「孤独」はどこか惨めに思われているがまったくそうではない。

今年になってから1月2月と毎日頭の中に浮かぶこと、今感じていることなどの全てを、朝から晩までノートに書き出すという異常行動をしていたのだが、毎日が最高の気分だった。

本当の「孤独」の中に、「孤独感」は生じ得ないと断言できる、没頭し、夢の中の心地で、言葉にできないほどの安心感があるのだ。

だからと言って、だれとも会いたくないとまでは思わない。孤独を愛しながら、誰かとの時間を充実させることができる。むしろ、孤独から生まれた豊かさを、誰かへと渡していきたいとすら感じる。

だがきっと逆は少し難しい。誰かとの時間を楽しむだけだと、ふとした孤独に耐えられない、といったことがあるかもしれない。

そんなときにウイスキーは良きパートナーである。ただ静かにより沿って、心地よくて豊かな刺激を私たちにくれるからだ。

ウイスキーは「孤独」の良きパートナーである。余計なことなど何ひとつ言ってこないのだ。


まとめ

ウイスキーを愛する創作活動者は今も昔もかなり多いと感じる。それだけ創作活動とウイスキーの相性は良いのだと思う。

なにより創造することに「孤独」は必要である。静かな場所で、頭の中のイメージを膨らまし、それを具体的な形に現す行為が創作活動というものだ。

だから、わいわいとウイスキーをみんなで飲むことはとても楽しいが、真に価値があるのは「孤独」との相性なのではないかとたまに考える。

「孤独」がなければウイスキーを深く味わうことなどなかなかできない。そういった意味で夜は暗く、静かである田舎が好きなのかもしれないと、最近になってようやく気づいた。

長いこと味わっていると「寂しい」なんて気持ちは思い出すことも難しくなる。味わい深く、豊かなうまい酒を飲みながら、ネガティブなことを考えるのはとても難しい。

ウイスキーは「孤独」の良きパートナーである。

死んだらあの世に持っていけるものなどほとんどないだろう。だがウイスキーを味わった感覚は、もしかしたら持っていけるのでは?と思ったりする。

ウイスキーは死後の世界ですら良きパートナーでいてくれるのかもしれないと、たまに妄想する。

そういったことも相まり、私に安心感を与えてくれているのかもしれないなぁと、今日も少しほっこりとした気分でウイスキーを飲むのだ。

ウイスキー飲みます🥃