WheeLog!3周年記念イベント報告
概要
1. 日時
2020年5月30日 20:00~21:30
2. 場所
YouTubeライブ配信
3. 出演者
● 織田友理子
一般社団法人WheeLog 代表 (CEO)
● 吉藤オリィ
株式会社オリィ研究所代表取締役 / 一般社団法人WheeLog CKO
● 伊藤史人
島根大学総合理工学研究科 助教 / 一般社団法人WheeLog CTO
● 司会
ジョンソン
4. タイムテーブル
20:00 ………3周年記念イベント開会式
20:10 ……… アイスブレイク:近況報告
20:20 ……… WheeLog!のこれまで
20:25 ……… アプリ投稿年間表彰式
20:30 ……… WheeLog!のこれから
21:15 ……… 今後の今後のイベント計画
21:20 ……… 総務・広報からのお知らせ
21:25 ……… おわりに
21:30 ……… 閉会
開催目的
2017年5月のWheeLog!アプリのリリースから早3年。WheeLog!がここまで発展できたのも、沢山の人々に支えられてきたお陰でございます。
これまでの活動経緯を振り返りながら、これからのWheeLog!のあり方を模索していく中で、皆様のご理解と応援のきっかけとなれば幸いです。皆様への感謝と共に、「車いすでもあきらめない世界」の実現に向けて、CEO、CKO、CTO 三役が過去、現在、未来とそれぞれの活動、想い、WheeLog!についてトークセッションを繰り広げ、3周年記念報告とさせていただきました。
WheeLog!3周年記念 トーク内容
1. WheeLog!3周年記念イベント開会式
司会、ジョンソンさんの「WheeLog!3周年記念!」響きわたる元気な声で幕があきました。CEO友理子さんの笑顔、CKO吉藤オリィさんのクールな面持ち、CTO伊藤先生の優しい雰囲気と真っ赤な水玉蝶ネクタイ、何が始まるのか楽しみなYouTubeライブイベントのスタートとなりました。
2. アイスブレイク:近況報告(三役)
幕開け始めのスタート時、友理子さん、オリィさん、伊藤先生、皆様が、お久しぶりの再会だったようです。非常に嬉しそうな表情で、「コロナ禍での最近どう?」との質問におひとりずつ近況報告をされました。
● 友理子さん
オンラインでの繋がりが増え、Zoomで色んな方とお話をしています。YouTubeの「車椅子ウォーカー」では、新たな配信をはじめました。皆様の車いす生活をより快適にしていく、困ったことを早く取り除くお手伝いができればと思っています。昨日は久しぶりの不要不急ではない取材をうけてきました。ユーザーの皆様もコロナ禍で外に出られない中で、外出できた時にはアプリに投稿してくだり本当に有難いです。
● オリィさん
コロナ禍の時代で分身ロボットOriHimeの需要があるのでは?と言われるが実際には逆。OriHimeを持っていく人が外に行けないし、皆が画面の前にいるオンライン状態になっているため出番がない。神奈川県で罹患者が収容されるホテルにOriHimeを導入していただき、会えない家族との面会に役立っています。この時代に車では感染を気にせずに移動が可能であるのに車いすは何故ないのか?動く無菌室のようなものがあればよいのですがね。
● 伊藤先生
大学がコロナの影響で全ての授業がオンラインになりました。障害学生のみに限られていたオンライン制度が全員に適応されました。皆が外出できない中で、いかにうまく日常生活に適応していくかを考える機会です。
障害児が家中はもとより、ベッドから出られない状態でも楽しく夢をもって生きていける手段のひとつとして、ゲームを活用。ゲームの世界では、障害の有無に関わらず同じ土俵で対戦できます。障害児が健常児に勝利する場面も多々ありました。テクノロジーによる障害児の社会参加の実現を試みています。
さすが三役、コロナ禍におかれても「活動」が止みませんね。お三方の嬉しそうな表情がこの時世にも明るい兆しをのぞかせていました。WheeLog!でも、オンラインイベントの試みをはじめ、新たな施策が計画されています。三役のご活躍とWheeLog!の発展が今後の未来につながっていけることを願ってやみません。
3. WheeLog!のこれまで(友理子さん中心に三役での対話)
2015年のGoogleインパクトチャレンジでのエピソードから始まり、2020年度のアプリのWeb版リリース間もなく!までを時系列で語られました。ところどころのエピソードが大変印象的で抜粋させていただいています。
● Googleインパクトチャレンジ
たった1分のプレゼンで全てが決まる中、超緊張して固まってしまった友理子さんでしたが、そこも応援したくなるプラス面が働き、結果的には、優勝を勝ち取りました。素晴らしい幸運の持ち主ですが、やはりアプリ自体の価値が認められたのでしょうね。今があるのはこの時アプリ開発構想に頑張ってくださったからです。
● アプリのリリース
次は、2017年5月のWheeLog!アプリリリースを六本木ヒルズで開催された話題。リリースしたばかりのWheeLog!に希望を抱いた方も多いと思います。懐かしさと共に「当時のオリィさんの髪型が変だという話」で盛り上がりました。皆様はご記憶にありますでしょうか?なんでこんな髪型していたのか?ご本人も記憶にないそうです。今日のこの日をあの時のお三方に教えてあげたいです。
● 24時間テレビ
次に、ユーザーの推移をグラフで見ながらの対話、ある時を境にユーザー数が3倍にも膨らんだ話です。2019年の8月、日本テレビ「24時間テレビ」で嵐の松潤が浅草の街で車いす体験をして、WheeLog!を教育に盛り込む提案や、バリアフリースポット投稿の募集を実行してくださいました。この出来事は大変反響をもたらし、「松潤パワー凄いな」と三役がお声を揃えて絶賛されました。
● 街歩きイベント
「WheeLog! in ○○」についてはミニ街歩きや、地域開催も含めて、合計32回開催されています。毎度、皆様に高評価をいただける魅力あるイベントです。皆が車いす体験をしながら街を歩き、様々なミッションをこなしていきます。朝に皆が集まった時点では、皆様のお顔は固く緊張ぎみですが、街歩きを終えて、会場に戻ってくる皆様は満面の笑顔で、以前から仲間だったの?と思うほど打ち解けています。これだけでも十分価値のあるイベントですよね。
リリース当時から続いていますが、毎度、はちゃめちゃな楽しいイベントになる要素は、どうやら司会のジョンソンさんにあるようです。名司会者ジョンソンさんはイベント0回目からの出席で当初から盛り上げてくれていました。WheeLoggers内では有名な「ジョンソンラジオ」でイベントを実況中継して盛り上げてくれます。ユーザーのミッション達成に対しては、沢山のユーモア溢れる賞を設定してくださったり、ユーザーのモチベーションアップやリピート効果に貢献してくださっています。ジョンソンさんありがとうございます。なくてはならない存在です。
そして、今回はこんな素敵な3周年記念Tシャツを自家製で作ってきてくださいました!WheeLog!3周年記念ジョンソンTシャツ、偽(ニセ)友理子、オリィ、伊藤先生サイン付きで、誰にとどくかな?
● WheeLog!の受賞歴
WheeLog!のモットーである「車いすでもあきらめない世界」の実現のために、友理子さんが世界各国で、賞を獲得してきました。ドバイ万博2020、MIT Solve助成プログラム、G20、WSA・・・。まだまだあります。知りたい方はこちちらhttps://www.wheelog.com/hp/archives/category/activities/award
友理子さんは、自ら賞を取りに行くことに躊躇していたそうですが、賞を取ることによって信頼され、ユーザーさんが皆喜んでくれるのを見て、アプリを発展させ、価値あるものにしていくには必要なことだと思いなおされたそうです。相当ハードな戦いかと想像いたしますが今後もお体に気を付けて世界に挑戦してください。
この話、実はまだ続きがありまして、G20での出来事。伊藤先生とご一緒した織田夫妻。伊藤先生が風呂場で友理子さんの旦那様と語った時に改めて感じたこととは?「洋一さん(友理子さんの旦那様)あってのWheeLog!だと実感した」そうです。裏方で全てを支えている洋一さんの友理子さんへの想いがあるからこそのWheeLog!だと。ヘレンケラーのような洋一さん。「洋一only講演会」を是非今後予定してくれと満場一致でイベント企画が持ち上がりました。楽しみですね。
友理子さんの海外での資金調達は、裏方の「窓口洋一(マドグチヨウイチ)で!」の響きが最高でした。洋一さん!是非講演会開いてください。
●国土交通省の実証実験
3年連続で協力しており国との連携も大切にしています。2019年10月からは、観光庁の依頼で、東京オリンピックに向けて「バリアフリー飲食店施設ガイド」の作成に取組みました。コロナの影響で公表が遅れていますが、間もなくみられるようになります。是非皆様にも活用していただきたいです。観光庁のホームページからご覧になれます。国とのコラボも充実させていきたいですね。
● アプリのアップデート
アプリの外観や仕様が変わりました。ユーザー登録がなくても、情報が見られるように変更されました。スポット投稿や走行ログ、つぶやき等アクションをおこしたい場合は、ユーザー登録が必要です。そして以前から目指していた多言語化も実現されました。日本語の他、英語、中国語(簡体字)(繁体字)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、ロシア語。と10言語に及びました!こちらボランティアの翻訳です。素晴らしいですね。世界中に広がってほしいです。これこそ「誰もが使える」を目指しているアプリですね。次は、音声認識ですかね。と思ったところで次のWeb版へとつながります。
● Web版の開発
アプリは誰もが使えることを目指しスマホを使えない、使いづらい方々向けに、WheeLog!のWeb版を作りたい!とクラウドファンディングを募りました。お陰様で資金が集まり、Web版の開発に着手ができました。「Web版リリースイベント」を7月に開催予定です。詳細は追って告知いたします。Web版では、Windows画面での利用ができるので音声認識も可能になりますね。
● メディアへの出演
「NHK Would」「NHK Eテレ ハートネットTV」「日本テレビ『愛は地球を救う』24時間TV」が紹介されました。
以上、まだまだ様々な出来事が多々ございましたが、時間の関係上、駆け足で3年間の軌跡追ってきました。感慨深いですね。イベント後半では「これからのWheeLog!」を考えていきます。
と、その前に、表彰式です!
4. アプリ投稿年間表彰式
2020年5月時点のアプリ投稿データ
● スポット投稿数:37,000カ所
● 走行ログ:7,000km
● ユーザー数:28,000人
ここまでおひとりおひとりのユーザーさんのお陰でアプリが成り立っております。2019年5月~1年間アプリ情報収集に活躍された方々を表彰いたしました。こちらも毎年行われており、年度によって最強ユーザーも変化します。
● 2019年の年間表彰
受賞された皆様、おめでとうございます。今後ともご活躍お祈り申し上げますと共に、一緒にWheeLog!を発展させていけたら幸いです。ありがとうございました。皆様には、WheeLog!のグッズがプレゼントされました。
(グッズは、クリアファイル、コースター、ステッカー、缶バッチ、キーホルダーなど、順位により違います)
表彰式も終わり、いよいよ未来を語るWheeLog!のこれからについて、友理子さん、オリィさん、伊藤先生が語ります。
5. WheeLogのこれから(三役)
● 友理子さん
WheeLog! in 沖縄をやりたいと真剣に考えています。オリィさんと沖縄で講演会や対談をやってそのあと、皆で街歩きがしたいです。それには、初めて車いすで飛行機に乗ったり、沖縄が初めてだという方に向けてツアーを組んでいく構想も立てています。沖縄は本土でリフト付きバスで回れると良いですね。沖縄にいけたら、次は台湾やグアムなどの近場の海外にも挑戦ができると思うんです。
誰もが、事故やご病気、加齢により車いすになったときでも、WheeLog!という温かいコミュニティがあることにより、悩む期間を短くしていきたいと自らの体験から思っています。そして、国とも連携して様々なプロジェクトを進めていきたいです。
● オリィさん
いつも車いすの改造を考えています。例えば、車いすの操作ボタンを押すことにより、他の操作もできるような方向性です。スマホ上の操作で車いすを動かし、信号を完璧に保存できれば、次の朝に再生するだけで昨日の行動と同じ動作を再現できます。バーチャルで他の車いすユーザーが通った後を追いかけたりもできるようになりますね。そして、施設的には駅中に車いす誘導ラインがあれば、スムーズに車いすルートを通れるのにやってもらえてないのは何故なのか?と思っています。誘導ラインがダメならARのOriHimeが浮かびながら、道案内するというのも、車いすユーザーにとって安心感を持ててよいですよね。
● 伊藤先生
5年前にアプリの開発が始まった当初から「どんなアプリにしていくか?」を話していました。単に、情報を集めるだけでは、他のアプリと変わらないので、きちんと最先端のテクノロジーを活用していくことを目指したい。今あるGPS機能は走行ログだけでなく、路上の明るいところ暗いところをマッピングしてユーザーがどの道を歩くか選択できたりする。奥行を認識するカメラでお店や建物の中を立体的に映し出し、階段や段差、凹凸などの認識を可能にしてルートの選択に使えるようにしたりするのもあります。
そして、テクノロジーを駆使しても、スマホを使えない、使いづらい人がいるなかで、マウスやキーボード、PC用のエミュレーターを使い、Windowsで使用できるインターフェースをWheeLog!でも使えるようになると、より多くの人々が情報を得られます。その他、手袋の指先を切るだけできる、スマホの画面を手で触れてしまい動いてしまうような現象を防げます。今後のWheeLog!でのイベント構想は走行ログでアートを描くのも楽しいですね。
走行ログのまだ無い街がねらい目です。
WheeLog!のこれからについて、三役がそれぞれの立場からお考えになっていることがわかりました。友理子さんは今後の活動内容について、オリィさんは車いすについて、伊藤先生はアプリの内容やシステム的な方向性について考えておられました。本当に三種の神器のようなトリオです。今後の展開が楽しみなWheeLog!です。
6. 今後のイベント計画について(友理子さんより)
● オンオフラインを融合したイベントをやっていきたい
各地をZoomで繋ぎ、各地域5名ずつくらいで街歩きをして、地域ごとの街歩きの様子を共有していく構想です。三役はどこで待機しようか?との話にもなりましたが、ジョンソンさんのWheeLog! in 家!だと、いじけてジョンソンラジオが荒れるとの笑い話もでましたね。オリィさんより地域毎に、人数のばらつきや、盛り上がり方の差がないようにやっていけるのが理想だとの声もでました。各地をオンラインで結びつつ、地元では、本来の街歩きの開催。こちらは今までイベントを行っていなかった地域でもイベントの開催ができそうで楽しみですね。
● つながりイベント (2020年6月13日開催)
「地域リハビリ職から見えたWheeLog!の魅力」「つながりから見えてくる車いすでもあきらめない世界」の2つをテーマにリハビリテーション専門職のPT/OT/STが繰り広げるオンライントークイベントです。どんな想いで何を達成しようとするのか?非常に興味ありますね。(こちらのイベントは終了しておりますが、毎回違った登壇者でシリーズ化していく予定です。)追ってこちらで報告いたします。
7. 総務・広報からのお知らせ
● WheeLog! Shop (総務チームより)
オンラインショップ『WheeLog! Shop』と、WheeLog!特製Tシャツ、3周年記念限定Tシャツのご紹介。是非Shopを訪れてみてください。今後、こんなのあったらいいな?を募集したいと考えております。
WheeLog! Shop: https://shop.wheelog.com/
● noteはじめました (広報チームより)
広報チームでは各SNSの発信をしております。Facebook、Twitter、Instagramに加えて5月30日より、こちらnoteはじめました。フォローよろしくお願いします。
8. おわりに
話題が尽きることなくイベントは進行していましたが、アッという間に終了時刻となってしまいました。名残り惜しい中で最後に三役より締めのお言葉をいただきました。
● 友理子さん
WheeLog!のイベントが未来にあるので、それを楽しみに励まし合って乗り越えていきましょう。
● オリィさん
車いすで沖縄も行けるし、スキーも、海も行け、様々なことができる時代である。色々楽しんで「1年間良かったね。」と言いながらまた4周年を迎えましょう!
● 伊藤先生
「希望」が大切です。次の活力となりますし、WheeLog!がその役割を果たせたるようにしていきたいです。
9. まとめ
オンラインイベント第一弾を無事に終えられました。これまでやってきた活動には思い入れもあります。しかし、誰も経験したことのないコロナ禍で世の中が変革しようとしている中、この時代に見合ったWheeLog!の在り方を、改めて考えていく必要があると感じました。今回のイベントはイベントチームを筆頭に企画しました。皆で反省点も含めて共有しあい、今後に繋げていきたいと思います。
これからも時代の変化を恐れず、運営チーム一同、「車いすでもあきらめない世界」を目指しながら、皆様との開かれた輪をもっともっと広げていきます。
今後ともご指導、ご鞭撻、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
10. WheeLoggers (WheeLog!アプリユーザーさん) より
WheeLog!アプリより、お祝いメッセージと共に素敵な贈り物を頂きました。
yuui さん
#WheeLog3周年 キャンペーン実施中!
SNSにて「#WheeLog3周年」をつけて、WheeLog!への想いや、思い出、お祝い、希望等募集中です。応募された作品は随時紹介させていただきます。
抽選で、6、7、8月で合計9名様にWheeLog!グッズをプレゼントいたします。グッズの発送は、ホームページの発表をご覧いただき、グッズの送付先をご連絡いただけた方になります。
実施期間:2020年5月24日~8月31日
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