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【漫画】「ソラニン」の空気感

「ソラニン」は2005年~2006年にヤングサンデーに連載された浅野にいお氏原作の漫画で、<大学というモラトリアムを卒業後、バンドデビューという夢を追いかけつつバイト生活に勤しむ主人公:種田とその彼を応援する同棲相手の彼女:芽衣子を中心に、バンドの親友達(ビリー・加藤・アイ)との日常を描きつつ、それぞれが日々何かしら満たされていない不透明な状況の中でのもがきや悩み…そして種田の死…そこからどう、芽衣子やバンド仲間が種田の死を消化していくか…そんな内容でした

漫画もですが、2010年4月に実写映画が公開され、宮崎あおい、高良健吾の両主人公の熱演が話題になりました

この漫画、2005年の連載時では読んでいませんが、1981年生まれの私からしたら、2004年に大学卒業をして社会人2年目であり、漫画の種田と芽衣子と同級生くらいにあたります

なので、特に当時の大学生の描写はシンパシーを感じる部分があり、「まさに2000年代前半の大学はこんな空気感だったなぁ」とか、「こんなノリの人達がそういえばおったなぁ」とか若干、昔を思い出しました

「ソラニン」の種田やバンドの親友達は、彼らは彼らなりに悩みや苦悩があるのは分かるけど、<切羽詰まった感じが見られない、大人だけだけど青春時代をまだ捨てきれないゆるい悩みや不安>であり、それを上手く表現されていて、読んでいる私に心地よいモヤモヤを感じさせます

私の場合、なりたい職業とか夢とか特になく、両親を安心させるためにフリーターや就職浪人は回避で、取りあえず正社員で就職しなければならないという形でしたから、種田のような<彼女持ちでバンドデビューという夢を追いかけつつバイト生活に勤しむ>というのが羨ましい部分がありました

その種田は、命を賭けた選択という形で、赤信号ですが原付で交差点を突っ込んでいきます(どこまで迷惑かけるねん)

最後まで、自分本位の考えが優先され、大人になりきれない人物

それが私の種田の評価ですね

そういう風に読み手に色々と考えさせてくる作品が浅野にいお氏の漫画には多いです

皆様もせひ「ソラニン」を読んでみてください

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