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【映画】隠れた名作「ヘアピン・サーカス」

<車のレースもの>の映画といえば何を思い浮かべますか?

私の中で直ぐ思いつくのは、洋画では「キャノンボール」「ワイルド・スピード」くらい。邦画ではこれといって思い浮かばず、ネットで調べると昭和の大スター石原裕次郎氏が主演をした「栄光への5000キロ」やVシネマでシリーズ化されコアな人気を博した「首都高速トライアル」くらいが目を引きましたが、正直今ひとつ、自分の感性の琴線に触れない…

そんな中、YouTubeで探ってみると「これだっ」というレース映画に出会いました

1972年公開の「ヘアピン・サーカス」です

「ヘアピン・サーカス」主な登場人物
主人公(島尾)…見崎清志&マツダサバンナRX3 当時現役のレーサー
ミキ…江夏夕子&TOYOTA2000GT

「ヘアピン・サーカス」あらすじ
主人公(島尾)は海外のフォーミラーカーレース?中、ライバルの親友をコースのカーブに追い込む形となり、親友は曲がり切れず事故死。その件もあってか現在は自動車教習所の教官をしている

主人公の教え子で、プライドが高く安全よりも早さだけを追い求める令嬢のミキは、当時難関と云われていた免許取得試験を1回でパスをして、黄色のスポーツカー「TOYOTA2000GT」を乗り回しており、
主人公も彼女の「レーサー」並みの素質を認めているが、気性の激しさも相まって、<自分よがりの早さ>を追求するようになる。

ミキは暴走行為をするグループ「ヘアピン・サーカス」を結成して、公道で一般車に競争をけしかけては撃墜(事故に追い込む)することを楽しんでおり、主人公はそんな彼女を心配をしているが、忘れがたいレースへの情熱をかき立てさせられ、ジレンマを抱えている

ミキが今後も暴走行為を止めない決定的な出来事(主人公が彼女からのキスの挑発を受けたが拒否)より、主人公はスポーツカー「マツダサバンナRX3 」を用立てて、ミキ率いる「ヘアピン・サーカス」に挑む…

それはミキへの制裁のためか。
それとも忘れがたいレースへの情熱を満たすためか…

当時の現役レーサー見崎清志氏と江夏夕子氏(俳優 目黒祐樹氏の奥様)を軸として、全体を通してストーリーがシンプルで、若干ダークな雰囲気が漂っていますが、それが終始流れているJAZYな音楽と相まって、映画に異様な魅力を与えています

私がこの映画で特に好きなポイント5つ挙げて見たいと思います

①シンプルなストーリー
ストーリーは主人公(島尾)が教え子ミキ率いる「ヘアピンサーカス」に最終的に公道レースに挑む…と言う話です
脇の話も、主人公の背景(親友をレースで亡くす・所帯持ちで自動車教習所勤務)くらいしか描かれておらず、ミキの詳しい素性(電話のやりとりで病院の令嬢ということが分かるくらい)も謎のままで終わります

②当時の首都高や街並み、スポーツカーが見られる
記録映画としての価値があると思います。
冒頭から1970年代初期の首都高の走行シーン、当時の自動車教習所やアパート・部屋の内部や生活、京浜地区?の街並みの夜景、何といっても当時のGT系スポーツカー<TOYOTA2000GT・マツダサバンナRX3・セリカ1600GT・アルファロメオ1750GTV>が夜の公道を駆け巡るシーンは圧巻です

③登場人物を<ある意味>魅力的に描けている
主人公(島尾)役の見崎清志氏は、俳優ではなくレーサーなので、演技は素人かもしれませんが、映画自体が淡々な流れなのでそこまでセリフがなく、見崎氏自体の雰囲気が「どこか影がある」感じがあり、映画のダークな雰囲気と妙にマッチしています
ミキ役の江夏夕子氏も見た目は綺麗でチャーミングなんだけれど、印象的な「目力で」気性の荒い女性を演じています

④JAZYな映画音楽
この映画を引き立てているのは全編を通して流れるJAZZです
日本ジャズ界を代表する鍵盤奏者「菊池雅章氏」が音楽を担当しており、元々セリフが少ない映画ということもあってか、音楽と演技が邪魔をしておらず、気がついたら、映画に引きこまれるような感覚です

⑤唐突なクライマックス
賛否があるかもしれませんが、私はありだと思っています
気になる方は是非、映画をご覧ください📽️

YouTubeに予告編が上がっていたので貼っておきます

またここでは貼りませんが、「ヘアピン・サーカス」本編もYo〇Tu〇eに挙がっていましたので是非、検索されてご視聴することをお勧めします

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