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お互いに正直で、本当の意味で友好的なチームだからできること。— by COLORS AND THE KIDS <vol.19>

WORKS GOOD! MAGAZINE 第19弾はグラフィックや映像、アニメーションを得意とする  COLORS AND THE KIDS 。 彼らの担当しているプロジェクトの規模から、直接話しを聞きに行くまでは十数名のチームを想像していたのに、所属しているメンバーなんとはたったの5名!そんな5名の中にデザインをメインとするクリエイティブチームとしては珍しい役職のメンバーがいたので、そのことについても詳しく聞いてみました。

Q、
まず初めにCOLORS AND THE KIDSについて教えてください。

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COLORS AND THE KIDS はベルリンを拠点とするクリエイティブスタジオです。大学在学中に知り合った3人で2008年に設立しました。もう10年以上前ですね。今一緒に働いてくれているメンバーは5〜8人程度です。正確な数字で表せないのは、プロジェクトによって参加してもらうメンバーが都度変わるためです。プロジェクトの大きさによって数は上下しますが、最大でも8人くらいになります。

Q、私が想像していたよりも小規模で驚いています。これから会社を大きくしていく予定や、大きくしたいという希望はありますか?

個人的な意見を言うと、大きくしたい願望はありません。私達は常に少人数のチームでありたいと思っています。全員で1つのプロジェクトにコミットすることで、自分たちが今何に取り組んでいるのかを深く共有できますし、その先に見据えている目標もブレることがありません。また、チームとしての集中力も高まるので、なにか問題が起きても解決までのスピードが早い気がしています。
ただスタジオ目線で考えると、受注するプロジェクトがだんだんと大きくなってきているので、やれることが制限されないようにするために、メンバーを少しずつ増やしていってもよいのかもしれません。


Q、複数案件を同時進行することはないのでしょうか?

そうですね。小さなフィードバックに対応することはあるので100%とは言い切れませんが、複数のプロジェクトを意図的に同時に進めることはほぼありません。もしあるとしても、全員の目が届く範囲の小さなプロジェクトです。


Q、ちなみに、COLORS AND THE KIDSという会社名にはなにか意味があるのですか?

Cat Powerという女性のシンガーソングライターがいるのですが、彼女の曲のタイトルからもらってきました。当時は、デザインをするにあたって「色」と「子ども」がすごく大切なコンポーネントだと思ったんです。
色は感情を表現することもできるし、他にもできることがたくさんありますよね?また、子どもたちがキャンバスにカラフルな絵を描くように、私達も偏見を持たずに世界を見ていたいという意志を込めました。問題を解決するための新しい方法を見つけようとする探究心と関連していますね。

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会社名のとおりカラフルな作品が多い印象

Q、なるほど!素敵な社名ですね。あなたの会社のサイトを見ていて、他の小規模クリエイティブスタジオと比べてユニークに感じたところがあります。映像などを制作する際はサウンドもほぼ自社で作っていますよね?

そうです、そうです!インハウスでサウンドプロダクションまで一貫してできるのは、私達にとってとても意義があることなんです。多くの映像を制作していると、プロジェクトによっては映像だけを納品し、私達の手から離れたあとでサウンドがつけられることがあります。それだと、完成品に違和感を感じることも少なくないんです。でも、サウンドまですべてを一貫してできれば、映像を見ながらサウンドについても言及できるし、逆にサウンドが良いから映像を少し調整することもできる。そうすることで、造り手としても満足の行く作品が出来上がります。

Q、サウンドクリエイターの採用は容易ではないと思うのですが、きっかけは何だったんでしょうか?

ここのメンバーになる前から、一緒に仕事はしていたんです。それに彼はデザイナーでもあり、我々と同じ情熱を作品に対して注ぐことができるとわかったので声をかけました。実は彼の彼女も今一緒に働いてくれていて、彼女も音楽に精通しています。
設立当時はどちらかというとグラフィックデザイン寄りの仕事が多かった私達ですが、彼らがジョインしてくれてからは、だんだんとアニメーションや映像制作の仕事へシフトしていきました。彼らのおかげで音楽に対する興味が強くなりましたし、映像と音楽を密接に考えられるようになったことはとても大きな価値です。

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Q、サウンドクリエイターがいること以外で、あなたの会社の独自性を挙げるとしたら何だと思いますか?

強いて挙げるとすれば、私達はチームである前に全員が友達であるということです。プライベートな時間も一緒に過ごすことが多いですね。プロジェクトを進めていく上で何か思うことがあったとして、それが社員同士の関係性であれば少しきつく伝わってしまうようなことでも率直に言うことができますし、そのことで関係が悪くなったりすることもありません。これは、会社としてある種の強みとも言えるでしょうか。
また、もともと気が合うから友達なのであって、プロジェクトにおいて大きく意見が食い違うことも、今まで起きたことはありませんね。

ですが、あえてネガティブに捉えれば、新しいメンバーを迎えづらいとも言えます。インターンのような形でしばらく一緒に働いてもらい仲良くなってからでないと、メンバーとしてジョインしてもらうのは難しいかもしれません。スキルセットが高くて、すぐ仲良くなれるような人がいれば最高ですが、探せば見つかるというわけでもないので…。


Q、確かにそうですね…。受注するプロジェクトはどのように決めていますか?

私達が興味を持てるかどうかと、そのプロジェクトを通して私達自身が成長できるかどうかで判断しています。また、私達が受ける意味があるのかどうかも重要ですね。おもしろそうなプロジェクトだったとしても、必要なスキルセットが私達と合っていなければ、無理に受けようとはしません。こういった判断は、常に設立メンバーの3人で話し合って決めています。小さなスタジオなので、もちろん金銭面もきちんと考慮しています。

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Q,残業をすることもありますか?

今はほとんどのメンバーに家族がいるので、落ち着いて仕事ができるよう心がけています。だいたい朝の9〜10時くらいに始まり、19時までには終わらせられるようにしています。過去にはやりすぎたこともありますが…(笑)
長時間働くと次の日はいつもよりも疲れていて、それが積み重なると丸1日集中できない日すら生まれるので、残業は本当に生産性がないと思っています。


Q、残業していた過去から、どのように改善したのでしょうか?

時間の管理はすごく難しいです。だから、あえて管理をせずに行動を変えたんです。少ない時間にたくさんのことを詰め込んでいたのを「いや違う、もっとリラックスして考えよう」と改めました。この時間であればこの量をこなせる、という正しい試算ができるようになったので、残業が少なくなったのだと思います。


Q、管理の仕方を変えるのではなく行動を変えるというのは面白いですね。では最後に、「良い仕事」をするのに一番大切なものは何か、教えて下さい。

メンバーがお互いに正直で、本当の意味で友好的であること。そして、みんなが同じビジョンを共有していることだと考えています。

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