水の精と笑い声。

今日はしとしと、雨模様。
傘がいるようでいらないような、空模様。

玄関を開けて外に出たら、
一応傘をさしてはみたものの、
やっぱりいらないかな？

パッと傘から頭を出してみたら、
小雨のような、霧のような、
ふんわりと3月のシャワーがからだ全身にやさしく降り注いだ。

少し青みがかった風景のなかで、
学校帰りの高校生や、
近所のおばあちゃんの歩く姿。

サーッと走り去る車の音。
バス停から聞こえるにぎやかな声と声。

霧のような水の精たち。
キャッキャッと笑っているよう。

傘もささず、一緒に笑う。