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死にゲーと言うジャンルに出会ってしまった時から...

死んで
戦って
死んで
戦って
死んで
心折れて
立ち上がって死んで

こんなにまで絶望を味わいながら
僕達は何故こんなに「死にゲー」という鬼畜なジャンルにハマってしまうのか…
尋常ではない程の難易度に加え
おどろおどろしい程の異臭を放つボス達
何処にも希望をもたらしてくれない描写は
何一つとして心に光をともしてはくれない

その中で僕達はただ目の前のステージを攻略し
鬼畜の所業であるボス達を打ちのめす事でしか希望を得る事が出来ない
この絶望を超えた先にしか未来を見ることが出来ない

僕がゲーム触れる事になった代表作はスーパーマリオだったと記憶している
ヒゲに真っ赤な帽子、オーバーオール身に纏い
亀やきのこのような敵を踏みつけ、虐待し
最後には棘の生えた甲羅を背負った亀をいたぶる事で最愛のピーチ姫を救い出す

とてもじゃないが格好いいとは言い難い見た目のマリオを操作し
幼稚園児の僕にとって難しすぎる難易度のこのゲームはピーチ姫を救い出す事がどれだけ難しく感じただろう
わけもわからず落下死し
少しでも敵に触れただけで落命するほどの軟弱体質のこのマリオというヒーロー

少なくとも僕が描いていたヒーロー像とは大きくかけ離れたこのむさっ苦しい男は
幼少の僕にとって憧れの存在にはならなかった
ウルトラマン、仮面ライダー等
どんな事があろうとも悪を打ち下す無敵ヒーローこそが英雄と名乗るべきものだったのだ

結局のところ僕は一度もクリアする事もなく
投げ出し押し入れに眠ってしまったカセットは
ホコリを被りいつの日何処へ行ったのかすらもわからなくなった

それからというもの
僕は自分の持つヒーロー像を守るため
出来るだけ簡単クリア出来るゲームを追い求めた
いつしかこの「死にゲー」言われる(難易度が高いゲームは全てそう呼んだ)ジャンルには手を出さなくなったのだが

成人になり
いつしか刺激を追い求める日々を送っていた20代の頃は、単純明快なモノに等一つも興味を持たなくなった
メタルというジャンルに飛び込み、いかに難解でありいかにヘヴィーで凶悪なものを追い求めた青年はある時、ふと僕の目の前に現れた

フロムソフトウェアという会社

そう所謂死にゲーというジャンルを確立した
日本のゲームメーカーだ

僕が始めて触れた作品はどのナンバリングだったか忘れたが「アーマードコア」という作品だった

友人がプレイをするスクリーン眺め
明らかに顔を真っ赤に染め
あの温厚な性格の友人が場率雑言を吐きながら
時にはテーブルに右手拳を叩きつけ
プレイをする光景は、割りとゲーム経験者とって身近なものだろう
どんな理不尽なステージに打ちのめされようとも
ニコニコ笑いながらプレイをする人間等いないはず
どんな清らかな心を持った人間でさえ
この鬼畜以外何者でもないゲームプレイすれば
怒り狂う筈だ
きっとお釈迦様でさえ机の一つや二つ叩き割っていたであろう

こんなにキレるならやらなきゃいいのに
そんな綺麗事を吐く人間は
この「死にゲー」というジャンルに手を出してみて欲しい
ムカつくけどやめれない
やめたいのにやめれない
まるで麻薬の様である

明らかに僕には到底クリア出来る筈もない「アーマードコア」なのだが
幾度となく死にまくり、やっとの思いでクリアした友人は先程の狂人ぶりとは裏腹に幸福に満ちた表情を見せていた
消耗しきりまるであしたのジョーの如く灰になった友人がぼそっと口を開いた

お前も「死にゲー」やってみろよ?

こいつ言いやがった

僕長年避け続けたこのジャンル
このパンドラの箱を再びこじ開けようとしやがったのだ
明らかに全身に寒イボが出来て拒否反応を起こしている僕に有無を言わせず彼はニコニコ笑いながらとあるディスクを持ってくる

「デモンズソウル」

パッケージを見る前からコイツがいかにヤバいものなのか瞬時にわかった
奴は僕が一番嫌がるであろうものを見せる時決まってあの表情を見せるのだから
広角をこれでもかと上げ
目尻が下がりニターと笑う目は冷たく僕の顔を刺す
そんな表情をするあやつ程危ない事はない
過去にそれで何度嫌な思いをしたか

いや辞めとくわ

僕が拒否しようものなら
ビビってるんだろ〜
なんて嫌な声を出すものだから
僕はつい強がってしまうのだ

これが僕たちのお決まりのパターンなのだ

結局墨はコイツを小脇に抱え
家に帰る事になる
家路に着く前にアホほど送られてくる煽りのメール
僕がプレイをせずに放置したものなら
明日からまたからかいの対象になるだろう

クソ!これじゃあいつの思うツボだ

こいつをいとも容易くクリアしてしまえば奴は舌を巻くだろう
どうせアホみたいに難しいゲームなのは一目瞭然だった。
この異臭を放つ円盤を僕の愛機(ps3)にぶちこみオープニングが始まる
どっからどうみても洋ゲー感が強いのだが
これが日本のゲーム会社から発売されているという事に驚いた
そもそも海外のゲームは基本グロいか、キャラクターがガチムチでイカツイかスプラッター表現バリバリな作品のイメージが強いが
どうもこの作品それらと同じ様な臭いがした
そういう類の表現が大好物な僕にとって
これは当たりだ瞬時に思わせる雰囲気がここにはあった

オープニングが終わり
遂にこのパンドラの箱を開ける事になる
全く理解不明なムービーが始まり
どうせ見たとしても一ミリも理解出来なそうなオーラが出ていた為話半分でムービーを眺めていると
キャラクリ画面に移行した

え!?これキャラクリ出来るんだ!
と一気に神ゲー感が湧いてくる

僕自身キャラクリ大好きで
キャラクリになるともはやプレイ時間よりも長い時間キャラを作ってしまう傾向にあるのだが
僕の場合決まって作るキャラといえば
人外的なキャラクターに決まっている

丁度その時僕はDimmu borgirを愛聴していたので

シャグラッドみたいにしようと決めた
色々模索していたのだが
どうも似ても似つかないキャラになってしまう
だんだん面倒になってきたので
どうせならめちゃめちゃ気持ち悪いキャラを作って奴を驚かせてやろうと考えた

顔面の至る部分を伸ばし、縮め
顔色はまるで10年以上放置されたパンの様に
薄緑色
死後放置されたピッコロ大魔王を想像してもらうとわかりやすいと思う
この気持ち悪さ極まりないこの異物は
じっとコチラを見つめていた

どうせアイツは容姿端麗な美青年でも作っただろう
奴は決まってキャラクリの際カッコいいキャラばかり作る
奴が出来上がったキャラを見てニヤニヤしていただろう姿を想像するだけで萎えて来るのだが
僕は腐ったピッコロの写真を取り
奴に数枚送り付けてやった

ムーニーマンと名付けられた腐ったピッコロは
世界の悪を倒す為に冒険の扉を開く事になった

冒頭いきなり何故か牢屋からスタートする
浮浪者の様な格好をし益々怪しさマックスのムーニーマン
取り敢えず外に出るとわけのわからない敵にいきなりボコされる
何とか進んでもでっかいボスに撲殺される
干からびた梅干しの様な見た目に成り果てたムーニーマン
集会所みたいな場所に飛ばされ、最初のステージの城を攻略する羽目に
何とかクリアしその後も色々ステージを周回したが牢屋ステージみたいな所で力尽きた
難しいのもあったが感情移入等全く出来そうもないこの腐ったピッコロみたいなキャラを見るもの嫌になってしまった
結局僕の死にゲーデビュー作「デモンズソウル」は再び友人の元へ返される形になってしまう

それから2年間
僕は全く「死にゲー」というジャンルに手を出す事がなかった
軽いトラウマ植え付けられた「デモンズソウル」という作品は今でもあの牢屋のステージをYoutubeで見るだけで嫌な思い出を鮮明に思い返されてしまうのだった

ただ何となく興味本位でゲーム屋行った際
割りと格安に売られているあるゲームが目についた

「ダークソウル」

これはデモンズソウルの続編か?
長い間遊んでいたゲームもやり込み過ぎて飽きてしまい、何となく刺激を求めていた僕には
コイツをプレイしてみようか?と自分自らパンドラの箱を開けるというタブーを犯そうとしていた
明らかにトラウマを植え付けられた前作
もう遊ぶまいと思った「死にゲー」だったが
様々なアクションをプレイしもうあの頃の様なプレイはしないだろうと自信がついていた
気がつけばレジに並び、彼は僕の家へ連れて行かれる事になっていた

相変わらず内容が読めないオープニング
一体何を言いたいのかわからないNPC達の会話
このソウルシリーズはもう数多くプレイしたのだが、未だにストーリーが理解出来ずにいて
ただ難しいダンジョンを必死にクリアし
クリアした感触を楽しむゲームという認識なので
飽くまでストーリーオマケ的な立ち位置にいる気がする

そうこうしているうちにまたキャラクリ

もう僕は心の中で決めていた
あんな気持ち悪いキャラ作ったばかりに、自分の折れた心にトドメを刺す形になるなってしまった
もう二度と同じ過ちは犯すまいと
自分の持つ最大限の技術を使い、出来上がった超絶的イケメンのスコール君
我ながら上手く出来たと思った
FF8のスコールに似たイケメンキャラ、思えばイケメンキャラなんて始めて作った気がするw
折角イケメン作ったので名前はパンパースと名付け冒険の旅の扉を開く事になった

前作比べ圧倒的にプレイしやすくなり
死んでも体力が半分にならない事どれだけ有り難い事だったか(前作はアイテムを使用するかボスを倒さないと永久に体力が半分になる)
今まで培ってきたアクションゲームの技術が生かされたか死にはするものの割りとサクサク攻略出来てしまったのだ(まぁ何度タンスを蹴り飛ばしたか覚えていないが)
そうそうしてるうちにクリアしてしまった僕の初の「死にゲー」
僕は完全に有頂天なり、ダークソウル及びフロムソフトウェアの大ファンになってしまった
それから

「ダークソウル2」
「ダークソウル3」
「ブラッドボーン」
「仁王」
「Sekiro」
「wolong」

と数多くの「死にゲー」をプレイし攻略をしてきた
特に「Sekiro」は余りにもよくできた内容に感動してしまったほどだ
従来の「死にゲー」と違いキャラのレベルを上げて攻略をするRPG要素はなくなり
プレイヤー自身のプレイスキルを磨き自分自身のレベル上げが必要になってくるゲームだった
それこそ死にまくる
とにかく死にまくる
頭が禿げ上がりそうになるくらい落命し
本来なら投げ出したくなる筈なのだが
ここの弾きが良くなかった
ここはガードすべきだった
と落命後反省繰り返し突破口を切り開いていくスタイルは決してただの作業ゲーにならず
死ねば死ぬほど楽しくなる
そんなゲーム今まで経験したことがなかった

現に一番苦労したラスボスの葦名一心戦は
楽しすぎて計3〜4時間ぶっ続けで挑戦してしまう程だった
ようやく撃破しマルチエンディングがあることを知り僕は二週目に突入していた
今までの「死にゲー」では一度クリアすれば満足していたのだがこの「sekiro」はかれこれ4,5週はプレイしたと思う

弾き、見切りに加え忍者特有の派手なアクション性
右手の義手に備え付けられた忍具を駆使しながら
時にはステルスアクションを強いられる場面もあったりと存分に忍者の世界にどっぷりつかれた

それに加え深すぎるストーリー
僕は始めて「死にゲー」をプレイする中でストーリーに着目した作品だったと思う
攻略後考案サイトを覗いたりYoutubeを見たりしながら改めてこのゲームのストーリーの深さに驚かされた
よくもまぁこんな凄いストーリーを考えつくものだと関心する
アクション性、操作性に加え、ストーリーまで一級品であった「Sekiro」

その後にプレイした「Wolong」等
弾き(パリイ)を必要とされるアクションゲームにはかなり役立った「Sekiro」で培った技術力
現在進行系でぜっさんプレイ中の「仁王2」はSekiro肩を並べる程の難易度なのだが
明らかに経験値が上がった今の僕には苦戦しながらも何とかクリア出来ているという現状だ

こうして少ないながら「死にゲー」というジャンルを攻略し、このジャンルにどっぷりハマり
僕はこれからも「死にゲー」をプレイしていくだろう
難しいダンジョンであるほど僕の闘争心は燃え上がり時に理不尽の思える程のクソボスに対しても
変なあだ名をつけコイツにだけはぜってえ負けねえ!!と熱くなってしまう程になった

そして僕は「仁王2」クリアしたのなら
因縁のあいつをクリアすることを目標にしている

「デモンズソウル」

今の僕なら間違いなくクリア出来る筈
僕の記憶の底に眠るあの牢屋のステージ
牢屋の前を徘徊する蛇頭の雑魚敵
もうやつの存在にビクビク怯える事はないはずだ
あの時の自分とは大きく違っている
数々の修羅場をくぐり抜け、プレイヤースキルを磨いた僕にならきっとクリアが出来るはずなのだと

腐ったピッコロ

ムーニーマンを再び召喚し
僕は北の大国ボーレタリアの地を再び踏み入れる殊になるだろう..…

オーラント王待っていろよ..…



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