貴志祐介さんの作品の凄さとは
すっかり貴志祐介さんの作品のファンになってしまいまして、次から次へと読んでは小説を買ってを繰り返し、あらかた代表作は読んだと感じています。
まだまだ読みたい作品はありますが、貴志祐介さんの作品の凄さ、彼の描く世界観の深さに魅了され、ついつい積み本が増えてしまいそうで…。
僕はまだホラー作品にしか触れれていませんが
彼のミステリー小説はそう言えばどれも読めていないなって思ってます。
確かに彼のホラー的な描写はおどろおどろしくも生々しいものではありますが、かとミステリー的な要素となるとどうなるのだろう?って。
今回黒い家を完読しましたが
どうしても真犯人が途中でわかってしまって。
というのも、他の作品であっても割とすんなり真犯人を特定出来てしまうんですよ。ああ多分この人だろうなみたいな。
だからホラー的な描写は強いけれど、ミステリーになると果たしてどうなのだろうなって正直思いました。
なんだか凄え偉そうだし、上から目線的な物言いですがw
でもやっぱり彼のホラー的な描写は本当に恐ろしい。
こうも人間欲が絡むことによって変貌するものだなという。しかもそれは別に特別その犯人が異常者だったという結論ではなく、飽くまでも普通の人間であっても狂ってしまう要素というのはあるのだよという語り文句。
これが本当に上手い所で
いつ何時人が狂ってしまうかわからない。昨日までなんでもなかった人が急にあるきっかけで変わってしまうような。そんな人間の弱さや愚かさをこれでもかと見せつけられる訳です。
僕も日常生活を送っていて
いざ揉め事を起こし始めた親戚たちを見たことがありましたが、兄弟の存続の件で揉めに揉めて、殴り合い一歩手前まで行っていてまさにサイコでしたよ。
僕はその話を聞くのも、その現場を見るのも嫌でしょうがなくてwそんなの喧嘩になるくらいなら平等に分け与えればいいじゃんかよって思ったのですが。
ついさっきまで優しい言葉をかけてくれたおじさん達が目の前で言い合いをしあっているって恐怖ですよね。
だから何となく人間というのは多かれ少なかれそういった側面を持っているものだと思ってはいたのですが、そこまで人は狂っちまうものなのかとw流石にそこまで一線は超えないだろとは思いますがただのフィクションでは終わりそうもないと言ったラインを保っているのでその駆け引きというのが非常に恐怖を感じるポイントなのかもしれません…。(家の父型の祖父は脳梗塞をやって包丁を振り回して怒っていたのを子供ながら恐怖を感じていて人なんて何をするかわからないといったトラウマを抱えましたからね)
そんなホラーな描写だけで終わらず
世の中に対する批判的な思考であったり、圧倒的な知識量だったり。コンピューター関連や、ナウなトレンドだったりをふんだんに取り入れその時代背景にあったストーリーになるために、日常感というのが凄く感じられます。
日常に潜む恐怖
をこれでもかと味わえる為。まるで明日にでも自分が経験するのではないか?と恐怖してしまいます。
特に黒い家の連続殺人の描写なんて、いつ何時その様な以上性質を持った人間が現れるかもしれない。明日は我が身とは言いますが、うかうか夜道などをのんびり歩けなくなりそうな。そんな隣り合わせの恐怖感が凄まじいです。
僕は基本的にストーリーを読んでいる際に
必ず筆者が伝えたかった本当の意味というのを探るのが好きなのです。ストーリーの隙間にチラリと見える筆者の怒りだったり、悲しみだったり、アナーキーな部分だったり。何故この作者はこの作品を書こうと思ったのだろう?本当は僕たちに何を伝えたかったのだろう?
という疑問を持ちながらページを捲るのですが、彼の場合ストーリーとあまり関係のない、いわゆる脇役のポジションの登場人物の発言の中で、筆者の伝えたかった意味を代弁している様な描写が多いのですよ。
深く考えて、常に疑問を持ち、アンテナを張り巡らせておかなければ気がつくことが出来ない裏のメッセージというものを気がつく人には気がつく様な重要なヒントを上手く巧妙に隠しているんですよね!
それが貴志祐介さんの作品を好きになった理由でもありますし、彼の最大の魅力でもあるのです!
「なるほど!これが貴志祐介さんの伝えたかったことだったのか?」
と気がついた時の脳汁が吹き出す瞬間はヤバいですw
ジブリ作品で良くトリビアというか都市伝説的な裏のメッセージって結構多いじゃないですか?
それは宮崎駿さんのインテリジェンスであり、アナーキーな部分だと思うのですよ。
凄くポップに描かれているアニメなのに、実はかなり世の中を痛烈に批判してるだとか、過去の誘拐事件を題材にしていたとか。その裏のメッセージを探って読み取ろうとしている瞬間が堪らなく好きなんですよね。僕
何度も、何度も読み返して
何度も同じシーンを通っていく中で、あれ?もしかしたらこのシーン、実はこういう意味だったのではないだろうか?と思えば、その後のストーリー展開の見方が変わっていったりとか。そんな二重の楽しみがあるのではないかと僕はワクワクしちゃいますね。
丁度僕の誕生日に母から
貴志祐介さんの新書を頂いたので、早速読み始めています
基本的に小説は中古で買うことが多いので、何ともこの新書の印刷の匂いがまた良いんですよね。ハードブックのこの厚さ。読まないでいても、表紙を眺めているだけ楽しくなってしまいますw
まだファンになって日が浅いですが
これから沢山の作品に触れていきたいと思います!
勿論まだまだ小説を読み始めたばかりで、初心者なので
兎に角気になったら読む。四の五の考えずに手にとって見る。そして合わなければ読まないと、これから沢山本に触れられたらいいなと思っています!!
こちら読み始めたばかりですが、やはり面白いです!
また完読しましたら記事を上げたいと思っています!
それではまた。
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よかったらどうぞ。
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