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この作品は凄すぎる...。ここまで深いストーリーは他にないかもしれない。辻村深月さんのかがみの孤城を読み終えて。

凄すぎる…。それがこの本を読み終えた後の感想でした
多くの付箋が散りばめられて、その付箋を一つづつ回収していき最後には全ての出来事が繋がっていく。
確かにそういった物語は過去に沢山見てきたけど、このストーリーがわざとらしくなく、複雑なようでシンプルにわかりやすい辻村深月さんの文章力の高さ、そしてお城というファンタジーな世界観と、いじめに苦しむ現実の子供たちの心の闇。現実と非現実を行き来する主人公たち、現実逃避する為に訪れる得体のしれない場所と、名前も知らない子供たちとの出会い。

時にその子供たちと触れ合う事で強くなっていく。
そんな健気な姿に胸を打たれてしまいました。
学校という組織の中で問題なく過ごせる生徒もいれば、学校という組織に馴染めず外れてしまう生徒もいる。
僕の学校にも不登校の子供がいましたが、今となってみてその子達の痛みを理解できましたが、その当時は何故来ないのだろうと不思議に思っていました。
ほんの些細なきっかけによって心を閉ざしてしまう。
特に繊細な中学生時代は特に色々ありますからね。
皆が皆同じではない、違いがあるからこそ人間は輝いているのだと思っても、違いをあまり感じることがない義務教育時代は違いというものが異質に感じるものですね…。



中学生へ上がった安西こころはクラスメイトからのいじめによって学校へ通えなくなります。学校の代わりとなるフリースクールへの通学を提案されますが、やはり通える事もなく只管自室に閉じ籠もってしまいます。
そんな時、自室の鏡が急に光り鏡に吸い込まれていってしまう。そこにはオオカミ様と呼ばれるドレスを身にまとった少女と出会う。孤城へと案内されたこころは6人の生徒たちと出会うことになる。

そこでおおかみ様はとあるルールを持ちかけて来る。
3月までに願いが叶う鍵を見つけること。願いが叶うと城で過ごした記憶を無くしてしまうこと。午前9時から午後5時までの間だけ滞在が許され、5時以降城に残るとペナルティとして狼に食われてしまうということ。
7人の生徒たちは共に過ごすことでとある共通点を見つけます。皆が学校へ行けていない事そして、皆が同じ中学へ通っているということ。

時に喧嘩もし、時に助け合い、こころを含む7人の生徒はどう成長していくのか?そして無事におおかみ様の課題をクリア出来るのだろうか…。


友達と一緒に生活がしたい。
今までと同じ様に学校生活が送りたかったこころ。
いつの時も中心人物は目立ち、いい思いをして、その人たちを中心に世界は回っていくという現実に苛立ちを覚えるこころ。そんな幼い少女が抱える闇を救ってくれる大人の存在は子供にとって大きな救いになっていきます。
今では学校という組織内でイジメというものがまだ行われている現実。そして大人はその現実に目を向けない事もある。

登場人物の中にマサムネという男の子がいますが
彼は口々に学校という組織について不信感を覚える言動を吐きます。「学校の勉強なんかが社会に役立つ事はない。学校なんていかなくても問題がない」
確かにイジメに遭って苦しい思いをするならば、行かないほうが良いですし今の世の中いくらでも学べる選択肢はあると思います。

僕は若い頃から色々な経験を積むというのはいい意味でも自分の糧となると思っています。
何故ならば多くの経験を積むという事は、それ以上に挫折も経験します。挫折を経験すると新たな選択肢を考えなければいけませんし、人と違うという現実も受け入れないといけなくなる。人と違うという経験を積むと、人の個性や違いに寛大になれます。何故ならば人は違うのが当たり前だと思うからです。

不登校になろうが、勉強が遅れていようが、イジメにあっていようが、人は人だと思うことが出来るからです。
そして違いがわかるからこそ人を導いてあげられる力があると僕は思います。迷い、苦しみ、立ち止まっている子供の光となれる人になる為には、それ相応の苦しみを経験したという過去がある場合が多いです。

道というのは一つではない。
時に枝分かれをし、時に無数に道が広がっているものなのです。そんな可能性をこの本が教えてくれました。
もし今の現実に苦しみ、途方に暮れている子供さん達には是非読んで貰いたい一冊です!!

そして今貴方がいる場所だけが全てではない。
必ずあなたを理解し、あなたを助けて、あなたを愛してくれる人たちが絶対にいる事。それを教えてくれる素晴らしい小説です。


もし僕の記事を見て気になった方は是非とも購入して読んで見てくださいね!

(と言っても、僕なんかに言われんでも既に読んでるわって人のほうが多そうですがw僕はいつもそういうところは遅れているんです…)


それではまた🐺🐺🐺🐺🐺


この絵もすっごくいい!!


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