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北欧プログレメタルの真骨頂

長年ずっと聴き続けているバンドって意外と多いようで多くないもので
昔は狂った様に聴いてたバンドも、今では聴くのを躊躇ってしまう事もよくある
その代表格はメタリカなのだが
何故僕はメタリカを聴かなくなったのか
それは単純に飽きてしまったのである。
メタル四天王のトップに君臨し続けるメタリカは
デビューからかれこれ沢山のスタジオアルバムをリリースしてきてるのだけれど
僕自身メタリカって純粋にスラッシュやってたのってRide the lightningまでだと思ってる
というかデイブ・ムステインがいた頃のメタリカが最強だったのじゃないか?説も
結局バリバリスラッシュ聴きたければテスタメントを聴くようになったし、メガデスの方がスラッシュしてるし何よりまだまだ怒ってるムステイン大佐
そのメタリカに倒する憎悪感がいい塩梅に凶悪な音を生み出しているわけで..…
丸くなったけど目はギラッとする瞬間があって
カッコいいよなーって思うんだ

あれだけ大好きだったメタリカももう数年全く聴かなくなってしまい
アルバムもSt.angerを買って最後になったし(でも意外とこのアルバム凄い好き)
原点回帰と言われていたDeath magneticもあまり心に響かなくなっちゃってた

結局メタリカはマスターオブパペッツが名盤なんだなぁって
まぁ今の時代キル・エム・オールみたいな音をやっても聴くのは僕みたいな人間だけだもんな.…

前置きが長くなったけれど
僕が始めて聴いてからずっと聴き続けている貴重なバンド「Opeth」北欧のプログレ(デス)メタルバンド
というか今ではメタルバンドでもないのかな?
僕は始めて聴いたアルバムはBlack water parkだったけど、丁度並行してプログレも愛聴していた時期で特にREDまでのクリムゾンが好きで好きで
宮殿、ポセイドンなんかは毎日狂ったように聴いてたのだけど
Opethの存在を知りCD聴いてみたらまぁカッコいいこと!
The leper affinityから始まる狂ったグロウルと重厚なギターリフから一転
Harvest、dirge of novemberの様なアコースティックナンバーが挟まれており
こりゃ只者じゃない感がプンプンしてた
特にクリーントーンからグロウルと器用に歌い上げるミカエルの技術に驚かされて
当時はクリーンとグロウルで二人分かれてるんだろうなと思ってたけど..…

それで気に入っちゃってまアルバムを漁ってた時期
偶然deliveranceとdamnationをまとめて購入したんだけど、これらが2枚で対になっていたとは知らず明らかに静と動を体感できるこの2枚のアルバム達
この2枚の出会いのお陰で一気にOpeth愛が深まってしまった
両方紹介したいんだけど、今回はDamnationとの出会いを話したいと思う

初めに言うと僕がもし無人島に行くのなら必ずこのアルバムを持っていくだろうってほどに好きなアルバム
冒頭にも話した様にキング・クリムゾンにドハマリしていた僕にはDamnationの音はすっと身体にフィットするように自然と溶け込んでいった

Windowpaneのイントロからミカエルの優しい歌声、中盤のインプロ部分等をみていても
クリムゾンからの影響が強く感じられた
時折キャメルの様な甘いサウンドがも聴ける部分もあるんだけど全体的にジメッとして救いようがないくらいにダークだ
そして怪しげなメロトロンの音も聴けて僕はり幾度となくこのアルバムをリピートして聴いていた

in my time of needのサビ前のアルペジオ
オクターブ上で音が下っていくあの音が堪らなく
ノスタルジックでありながらとても美しい旋律になっていて、冒頭の歌いだし部分の吐き捨てる様にボソっと語りかけるようなスタイルも斬新で
こんなアプローチの仕方もあるんだなと驚かされた

全体的にメランコリーにまとめられた音に加え
ミカエルの音に対する強いこだわり
クラシックロックやプログレへの強い愛情など
古い楽器マニアのミカエルのインタビューを見てみてもレコーディング一つにしてもレトロな環境でいかにレコードで聴いたときに満足いくかというのをコンセプトにしていた事もあるらしく
今現在此処までデジタルが発達し、いかにいい音にしようかとしている中で敢えて真逆をいくOpethの音楽へのこだわりは半端がないと思う

いつまでも音楽を楽しんでいるキッズの様に
どのアルバムもどの曲も常に挑戦し続けそして成長しているのである

今現在Opethの真骨頂であった「デス」の部分がなくなりカーカス等に通じる凶悪さが抜け
完全にクラシックプログレバンドになってしまった当バンド
この急な路線変更は賛否両論で「デス」から入ったファンは完全に見切りをつけてしまっている状況
僕自身このプログレ路線への移行は全然ウェルカムでもはやミカエルからしたら水を得た魚の様に長年溜め込んでいたアイディアをこれでもかと詰め込んでいるようにも見える

路線が変わっておかしくなってバンドも多く見てきた
例えばメロスピを捨てたソナタ・アークティカがその代表格だと思ってて
もはやこのバンドにそれ捨てたら何が残るのよwって思ったら綺麗な音を出すバンドになってしまい
まぁ聴かないよねってなったw
ヤニがいた頃凄い好きだったのになーって

結局何か一つ背骨の様なものが一本通っていて
何かが抜けても結局はそれが戦略でしたみたいな方向へ持っていけなきゃ駄目だよなって思う

スラッシュを捨てたメタリカがLord Relordを発表した時みたいに
それは捨てちゃ駄目でしょ!ってファンから大ツッコミ入れられるバンドになっちゃうとさ

Opethはデビュー当時からプログレのテイストは真っ直ぐ音の真ん中に引かれていたわけで
多分デスの部分を取っ払えばどの曲もプログレなんだろうなと思っている
変な説明になってると思うけど、結局プログレへ路線を変えても大本の部分は何一つ歪んでいないって事
ミカエルからすれば思惑通りってやつなんだ
新たにファン層を一新してしまおうが
ライブに行けば新旧の曲をプレイするだろうし
プログレ路線しか知らないファンはデスの部分を聴けば驚くだろうし
ほとぼりが冷めてまたデス寄りのアルバム作りますと言っても何一つ違和感がなくファンも再び戻って来るだろう

完全に気分によっても好きな路線のアルバムが変わり
orchid、my arms your hearse等初期のアルバ厶
Damnationオンリーな日もあるしプログレ期のアルバムしか聴かない日もある

僕がビートルズを聴くときの様に
ヘルプやハードデイズナイトの映画を見たあとは初期のビートルズ、ラバーソウルやリボルバー等の芸術作品が好きなとき、サージアンドペッパーのコンセプトにやられる日も、やっぱりアビーロードだよなー、いやいやレット・イット・ビーのウォール・オブ・サウンドは最高だって日もある

僕がビートルズ以外でこうやって毎回コロコロと「ベストアルバム」が変わるバンドは珍しい
大抵お気に入りのアルバムが出来ればその路線しか大概聴かないものなんだけど
Oprthは上手い事ファンをコントロールし飽きさせないように仕向けながら徐々に路線変更へファンを引き連れて行こうとしていたのか?なんて事も考えちゃったり

兎にも角にもとてもセンスが良いバンドなのである
きっとミカエルもデスが恋しくなればアルバム出せるように少しづつ煮詰めてるものもあるかも知れない、アルバムを出しながら所々匂わせて来たりしてと僕達ファンを揺さぶりにかけて来そうだ

これからの活動がとても楽しみなバンド
北欧が産んだ暗黒神「Opeth」
今日はじっくり腰を据えてSoceressでも聴こう
時間をかけてゆっくりと、それがプログレの楽しみの一つ


ライブ来ないかな.…

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