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  • アズーリの10年を振り返る

    サッカーイタリア代表チームについて、2010年のワールドカップGL敗退から、EURO2020優勝までの10年間の状況をまとめていきます。

最近の記事

アズーリの10年を振り返る #05

第2戦は難敵を相手にした落とせないゲームいきなりクオリティの高いゲームを見せ、王者スペインと堂々と引き分けた初戦を経て、第2戦の相手はイタリアが「勝てない」ジンクスのあるクロアチアである。戦いの舞台は引き続きポーランドだが、北部の港湾都市グダニスクから、内陸側のポズナンに移る。 ポーランドが王国となった西暦1025年に最初の首都となったポズナンでの第2戦は、決勝トーナメント進出に向けて絶対に落とせないゲームだ。初戦でスペインを相手に好ゲームを見せたことで、戦力的にも戦術的に

    • アズーリの10年を振り返る #04

      バロテッリのEUROデビュー戦結果後半も全体的にはスペインのポゼッションが中心で展開される。ボール保持の時間、少ないタッチ数で本数の多いパスワークは徹底され、特にシャビが散らしてイニエスタが溜めを作るポイントでは全くボールを失わない。 後半開始直後は前半のような動きを思い出すのに若干の時間を要した印象もあり、スペインがセスクやイニエスタのシュートシーンを作る。 しかしそうした状況でもイタリアの選手の足は止まらず、強度の高いプレッシングでボールを奪い、スペインのゴールを脅かすシ

      • アズーリの10年を振り返る #03

        EURO2012がスタートポーランドとウクライナの共同開催となったEURO2012は、本大会出場国が16か国、決勝トーナメントは準々決勝から始まるというフォーマットでの最後の大会でもある(EURO2016からは24か国参加。決勝トーナメントはR16から)。厳しい予選を勝ち抜いた出場国の争いであり、楽な試合はグループリーグ(GL)でも存在しない。複数の格下チームが同じグループに属することはないと言っていいので、1つでも取りこぼすと同時に突破に黄色信号が灯ることになる。 グルー

        • アズーリの10年を振り返る #02

          プランデッリ改革の始まり南アフリカでの惨敗を受け、大国の復権を託されたのはチェーザレ・プランデッリだった。フィオレンティーナで若手の才能をチームの好成績に結び付けてきた智将はリッピの後を引き継ぐと、チームの改革に着手する。 プランデッリによる改革の特徴を列挙すると以下のようになるだろう。 ・技術的なクオリティの重視 ・ボール保持と攻撃の組み立て幅に優れた中盤の構築 ・帰化選手の積極的起用 ・ファンタジスタへの信頼 ・ブッフォンとピルロをチームの柱に 特にピルロを軸とした

        アズーリの10年を振り返る #05

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        • アズーリの10年を振り返る
          5本

        記事

          アズーリの10年を振り返る #01

          本連載の概要UEFA EURO 2020(サッカー欧州選手権2020大会)は、準決勝と決勝をPK戦で制したイタリアの優勝で幕を閉じた。イタリアは2006年のW杯ドイツ大会での優勝後、15年ぶりのメジャータイトル獲得である。この記事では、2010年代のメジャー大会を中心に、筆者の主観でアズーリ(イタリア代表の愛称)について改めて見ていく。 初回となる今回は、上記の期間全体を概観するとともに、2010年のW杯南アフリカ大会までの状況を簡単に振り返る。 メジャー大会の結果W杯ド

          アズーリの10年を振り返る #01