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乳がんの記録 ~3~

◆サブタイプ

がんと一口に言っても、病巣が生じる場所やそのがんの持つ性質によって様相はさまざまです。その治療法も、それこそ患者の数だけあるといっても過言ではありません…というのが、主治医の先生の解説。

約1ヶ月に渡る様々な検査や手術で摘出した患部を詳しく検査したところ、私の乳がん(サブタイプ)は「ルミナルA」…がん細胞の増殖の速さを示すKi67という測定数値(0~100%MAX)は1%未満とかなりのスローペースで、穏やかなタイプのものである、と診断されました。

しこりの大きさは1.6mm、周辺の組織にややがん細胞が漏れ出してはいたものの、異変に気ついてから間を置かずに病院に駆け込んだおかげで現状では転移の疑いもなく、ステージは1Aでした。…亡き母の加護を思わずにはいられませんでした。

静謐の白布三十三観音

◆マンモグラフィーの限界

ここでひとつ疑問になってくるのが
「なぜ春先の人間ドッグでは異常が分からなかったのか?」

がんの発生場所は前回触れた通り、胸の内側のやや下で、普段は滅多に触るような場所ではありません。ただ皮膚のすぐ下にしこりができたため、特に触れなくてもよく注意して見れば虫刺されのような小さなおできがすぐに視認できる状態でした。

『いや、それならアンタ自分で気づくでしょうよ!』

…なんてごもっともなツッコミが飛んでそうですが、これが気づかないものなのです。だって考えてもみて下さいな。自分の生まれたままの姿なんて、
そんな日頃から鏡でまじまじと眺めたり…しません…よね?
(あれ、私だけかな?)
そんなこんなで、おそらく何年も気づかれなかった小さな病変。それが結局、毎年健診で受けていた専門のマンモグラフィーでも完全に見落とされてしまったわけです。

 実は、マンモグラフィーのがん発見率は100%ではありません。例えばデンスブレストといって、乳腺の濃度が高い人は全体が白く映りやすく、肝心のがんが見つけにくいと言われています。私はデンスブレストではありませんでしたが、がん発覚後の検証で再度マンモグラフィー(これがもう激痛でした…)を受けたところ、なんとしこりがあるはずの場所にそれらしいものが殆ど写っておらず、かなりぼんやりとした白い模様にしか造影されませんでした。

 人間ドッグでは、何百人という患者のデータをお医者様がダブルチェックで一気見するそうです。明らかに「なんだこの点は?」といった具合に判断できない場合は、どうしても見落としが生じることがあるというのです。どうも私は、これらが原因で発見が漏れたものと思われます。
もしも人間ドッグでオプションが付いているなら、マンモグラフィーだけではなくエコー(超音波)検査を併用することをお薦めします。
エコーなら、胸の奥のしこりもバッチリ写し出してくれますから。

というか40歳以上の女性の皆さん!
恥ずかしいなんて言わずにぜひ受けましょう!!
年に一度の乳房検査を!!!

(続)

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