拠点として、十日町市と胎内市を選んだ理由。

新潟県内の自分の拠点として、ギルドハウス十日町に続き、ついにふたつめの「ギルドハウス胎内(たいない)」の設立を公開するに至りました。

https://mattarian.doorkeeper.jp/events/40831

はじめに断っておきますけど、自分はまだ十日町市や胎内市のことをよく知りません。十日町市に10ヶ月あまり住んでいますし、胎内市では2年がかりで設立にこぎつけたとはいえ、まだまだわからないことだらけです。それでもあえて、自分の拠点として2つの地域を選んだ理由を、書いてみようと思います。

自分は3年以上もかけて、全国の交流の場をたどりながら旅しました。場、人、取り組み、いろんなものを体験させていただきました。そうしていつの日からか、自分の住まいをつくろうと考えるようになり、その集大成が、2015年5月にオープンした《住み開きの古民家「ギルドハウス十日町」》でした。

ギルドハウス十日町は、わずか6件という山奥の限界集落にオープンしたにもかかわらず、お店でも宿でもない《住まい》に、4ヶ月で延べ1,000人、10ヶ月で延べ2,500人を超える多様な人たちの訪問を受けるようになっています。おかげさまで、NHKで関東甲信越に向けて放送されたり、発行部数10万部の全国誌などに取り上げられることもありました。地元のメディアにも頻繁に登場し、いまでは自分が思っている以上に、地域の人に知られている存在のようです。本当にありがたいことです。

「どうして十日町市を選んだんですか?」

これも、最もよく聞かれる質問のひとつです。その答えをひとことで言うと、

「ご縁でつながった地域の人たちの人柄です」

この一点につきます。

ただ感傷的にそう言っているわけではなく、その方が全体を通して良いんです。

住まいを探すとき、おそらく一般的には、不動産屋さんをたずねるとか、インターネットで空き家や賃貸物件を検索すると思います。でも、自分の探し方は、《人のご縁をたどる》というものです。この方法は、とくにシェアハウスのような共同生活や交流の場をつくるときに有効だと考えています。

空き家はたくさんあれど、シェアハウスのような場に理解を示す大家さんには、なかなか巡り会えません。ご高齢なことも多いし、そもそも不動産屋さん経由ではたいてい、自分の想いを大家さんに直接話す機会が持てません。

それが《人のご縁をたどる》と、状況が違ってきます。全国の交流の場を基点に、そこで知り合った人から「そういう家をつくりたいなら、ちょうど良い人がいるから紹介してあげるよ」となり、空き家はもちろん、大家さんに会える確率が高いんです。

どこの馬の骨ともわからない自分が直接会うよりも、すでに大家さんと信頼関係のある人づてに会うのとでは、天と地ほど違うもの。はじめからいい雰囲気で大家さんと話すことができます。

それでも、《ここに住みたい!》という物件にたどりつくまで、ギルドハウス十日町は3年、ギルドハウス胎内は2年を費やしました。個人的な感想ですけど、空き家再生の問題の本質は、思ったよりもかなり根深く、深刻のようです。

さて、何度か大家さんと会い、話を重ねていくと、地域の人たちとも交流が持てるようになります。大家さんが(場合によっては仲介業者さんも)紹介してくれるんです。ギルドハウスの噂を聞きつけてか、その地域で影響力のあるキーパーソンから連絡があったりします。ちなみに、十日町市では、いち早く移住定住促進に取り組んでいて移住者が多いらしく、ファーストコンタクトが早かったですね。いったいどこで聞きつけたのか、驚きました。おまけに十日町市長もいらっしゃいましたね。しかも突然、アポなしで。十日町市はすごいな、と思いました。

そんなこんなで現在。まだまだ道のりは長いのでしょうけど、ご縁をたどり《偶然に》行き着いた十日町市と胎内市。それはいずれ《必然に》なるんだろうと、確かに感じられます。ご縁でつながった人たちとなら、シンクロ率が高く、そこに心地のよいコミュニティが生まれ、細くても長く続いていくでしょうから。

よかったらサポートをお願いします。もしくはギルドハウス十日町へ遊びにいらしていただければうれしいです。