【実際のお見積を掲載】オウンドメディアよりペイドメディアのほうが安いって本当?
この記事を読まれている方は、自社メディア=オウンドメディアについて調べながらも、他のメディア投資と比べて「本当に安上がりなの?」と疑問を抱いていらっしゃるかと思います。
オウンドメディア運用代行を行う弊社の視点でも、その疑問は正しいと言わざるを得ません。もともとオウンドメディアは「無料で運営できる!」とまで言われていたにも関わらず、アクセス数アップのために一定の投資が必要となりつつある現実があるからです。
それでは、オウンドメディア vs 他の投資と比べたときに、メディアの費用はどれほど差があるといえるでしょうか。今回は、他のメディアと比較した場合の差分について、弊社のリアルなお見積額をお見せしていきたいと思います。
おさらい:オウンドメディアってそもそも何?
まずは念のため、オウンドメディアの定義についておさらいしておきましょう。オウンドメディアの「オウンド(Owned)」とは、英語で「自己が保有している」という意味です。従って、オウンドメディアとは、自社が所有するメディア全般(ホームページやブログ、ウェブマガジン、パンフレット)を指します。
オウンドメディアでは、読者や視聴者にとって有益な情報を定期的に発信し、見込顧客とコミュニケーションを行えます。また、「もしかしたら、この商品が私には必要かもしれない」と気づいていただくニーズの育成や、企業ブランディングにも有効とされています。また、自社が所有するメディアであるため、作ったコンテンツが自社の資産となるメリットがあります。
そして、オウンドメディアと対比されるメディアには、以下のようなものがあります。
ペイドメディア
認知・集客のために費用を支払って利用するメディア。いわゆる広告出稿を指します。
アーンドメディア
SNSで「第三者」が投稿した情報など、信頼や評判の獲得を目的とするメディア。自社ではコントロールできない、SNSユーザーやレビューサイトのクチコミなどを指します。"サクラ"を雇うことでクチコミを投稿させることもできますが、法に抵触する恐れもありますので、今回は比較対象といたしません。
※自社が所有するSNSアカウントは、アーンドメディアではなく、オウンドメディアです。
各種メディアの違いについては、以下の記事に詳しくまとめています。
新聞、雑誌、TV、屋外広告:ペイドメディアの相場はいくら?
ペイドメディアは、料金を支払ってPRしたいコンテンツを掲載するメディアです。一番分かりやすいのは私たちが何気なく目にするテレビCMなどの広告でしょう。お金を支払うことで掲載するメディアのため、当然ながら費用が発生します。
テレビや新聞、雑誌だけではなく、Webサイトでのバナー広告やメールマガジンに掲載する広告など、オンライン広告も増加しています。
ペイドメディアのメリットは、費用を出せばすぐにコンテンツをユーザーに広めることができ、また露出のタイミング等も発注者が詳細に決めることができる点にあります。ただ、その露出を継続するためには多額の費用を定期的に支出する必要があり、長期的に見ると莫大なコストになる恐れがあります。
また、打ち出した広告は自社の資産とはならないという点もデメリットであるといえるでしょう。
ペイドメディア(広告)の費用相場
一般的には、ペイドメディアですと以下のコストがかかります。
雑誌広告:150万円~250万円/回
TVCM:200万円~/回
屋外広告:都心部で1箇所2万円~/週
新聞:全国紙で200万円~/回
ラジオ:TOKYO FMで7万円~/回
Webのリスティング(検索結果表示)広告:50万円~/月
タクシー広告:1台あたり2.5万円〜5万円/月
最新の費用感は「広告ダイレクト」を参考にしていただければと思います。
なお、TVCMの200万円~はBS、CSなどでの掲載相場です。人気番組での掲載になれば、CMを1回流すだけで3,000万円にのぼることもあります。
また、広告枠には限りがあります。番組中にTVCMを無限投入することはできません。したがって、予算をより出せる企業が枠を買い占めることになります。特に年末年始特番、オリンピック期間の試合中継など、視聴率・購読率が稼げる広告枠はお得意様同士の奪い合いを覚悟せねばなりません。
これはWebの広告でも同じで、検索結果に上位表示させるリスティング広告でも、予算を多く投下した企業ほど高く表示させることができます。従って、誰もが検索したくなるキーワード(例:転職、不動産)では、広告の予算が高騰します。
これらを踏まえると、ペイドメディアは「確実に自社サービスを目に触れさせられる、聞かせられる」代償として、多くの予算や人脈を必要とするメディアです。
オウンドメディアはいくらかかる?ペイドメディアと、どちらが高くつくの?
では、オウンドメディアはどうでしょうか。結論から申し上げます。オウンドメディアを運営するなら「最低月30万円」は確保してください。こちらはあくまで最低限の予算となりますので、積極的な運営を目指すならば、月50万円以上はほしいところです。
安価なオウンドメディア運営代行業者のカラクリ
世の中には「月2万円からオウンドメディア運営」をうたう業者もいます。ですが、執筆担当を行うライター・編集者の人件費を考えると、どう考えてもプロを雇う金額ではありません。
仮に1文字0.3円のライターを雇ったとして、月6,000円も払えば数本の記事を書いてもらえるでしょう。しかし、1文字0.3円は、普通の執筆速度なら時給300円です。この金額で、まともなライターが来る可能性はありません。
駆け出しの方に「誤字脱字があってもいい」「自社サービスを何も知らなくていい」まま、書いてもらうのでも構わないのであれば、予算2万円でスタートしても構いません。しかし、それでは企業の体裁を整えたメディアは作れないものと考えてください。まだ自社内のスタッフにお願いして、記事を書いていただいた方が自社サービスへの理解度も高く、高品質な記事ができると言えます。
通常、ある程度のレベルを担保できる普通のライター/編集者/Webディレクターをセットで外注する場合は、1文字15円程度を見積もっておくとよいでしょう。30万円あれば、20,000文字程度書いてもらえるイメージです。直近の傾向として1記事は5,000文字程度ですから、月4記事、週1本の更新ができます。ただし、執筆に薬機法・金融法の知識が必要だったり、インタビューが必要な企画では予算が上がりますのでご注意ください。
【実際の見積り例】オウンドメディア運営代行サービス「WERITE」
弊社のオウンドメディア運営代行サービス「WERITE」では、以下のお見積り例を公開しております。
SEO記事とは「Google、Yahoo!などの検索結果で上位にくるよう対策した記事」のことです。
上記はモデルケースに過ぎませんので、また、実際のお見積り例もご紹介いたします。
A社の事例
ご依頼内容:競合が少ない業界なので、まずは高クオリティな記事を少なめでもいいから作っていきたい。Googleなどの検索結果でトップに表示されるよう狙いたい。
50,000円/記事 x 8記事 = 400,000円/月(+税)
B社の事例
ご依頼内容:トップ企業への取材経験が豊富な、熟練ライター/編集者に依頼したい。競合が多い中で、他社と差をつけるためにインタビューの内容を深掘りして、オリジナリティを出してほしい。
構成案も読みやすさを重視して考えていただきたい。検索結果でトップに出る必要はないので、更新する本数は少なめでも構わない。
140,000円/記事 x 5記事 = 700,000円/月(+税)
また、オウンドメディアの場合、最初に策定した予算は、よほどのトラブルがなければ超えることはありません。なぜなら、自社メディアだからこそ掲載に必要な予算を想定し、コントロールしながら発信できるからです。
PR戦略を練ったほうが、オウンドメディアより安くなる?
ここまでの事例では、ペイドメディアとオウンドメディアの相場をご案内してまいりました。
では、PRとの費用比較ではどうでしょうか。PRはいわゆる「ペイドメディア」とは違い、自社をアピールし、無料でメディアに取り上げてもらう戦略全般を指します。
たとえばお昼のバラエティ番組で「こんな新商品が出ました!」といった情報を無料で取り上げてもらえるのは、PR担当者が頑張ったからこそです。無料でTVに取り上げてもらえるならば、CMを打つ必要もありません。費用対効果は抜群といえるでしょう。
しかし、TVや雑誌に取り上げてもらえる情報をひねり出せるほどの優秀なPR担当者の人件費は、決して安くありません。PR担当者を外注するならば、月額150万円~程度は確保する必要があります。
単純計算でもプレスリリースをPR TIMESから発信するだけで3万円/回かかりますし、小さなPRイベント運営でも、ゲスト謝礼、場所代、司会進行費用などを考えれば、100万円程度は必要です。PR担当者への謝礼を月50万円として、追加で上記費用がかかると思っていただければ、月150万円はむしろ適正価格といえます。
PR=安いというイメージはどこから来たか
したがって、PR=安いというのはあくまで「TVCMを出稿するよりも安い」というのが現実です。他の広告やオウンドメディアと比較しても安価であるとは思わない方が望ましいでしょう。また、予算が限られた中でのPRであれば、外注よりも自社内スタッフに頭を使っていただいたほうが、安く済むケースがあります。
ただ、「予算が無い中でPRをするには?」と答えを模索していくと、結論としてオウンドメディア運営が答えになるケースが少なくありません。PR vs オウンドメディアの構図になるというよりは、広告より安価なPRの王道として、オウンドメディアが採用されていると考えていただければと思います。
オウンドメディアとペイドメディア、予算は変わりない?
さて、費用だけで考えるなら、オウンドメディアとペイドメディアは大差ない、と考えることもできるでしょう。ラジオ広告のほうが安価である、リスティング広告でとにかくトップに表示させたい……といった意図でしたら、オウンドメディア運営を選択する必要はありません。
ただし、オウンドメディアは自社資産として情報が残ります。ライターが契約時に許可すれば、自社記事を広告に転用したり、自社パンフレット、採用ページなどに再活用も可能です。
また、SEO対策といって検索結果でトップに表示されるよう対策をしておけば、自社サイトが常に上位表示されます。そのため、広告を出稿していない期間であっても、自社サイトへ継続的に読者を誘導できるメリットがあります。半年前に出稿した広告を覚えていてくれる顧客は限られますが、オウンドメディアであれば半年前の記事に、最新の読者がアクセスしてくれる可能性があるわけです。
これらのメリットを勘案すると、ペイドメディアと同額の予算を組む場合は、オウンドメディアに投下した方がメリットが大きいと言えます。
ペイドメディアとオウンドメディアの役割分担
また、ペイドメディア=広告を見た後に、視聴者・読者がすることは「検索」です。購入前の検索されているタイミングで、オウンドメディアに追加情報があれば、そこから購入へ導くことができます。
TVCMは30秒、Web動画広告は15秒が主流となる中、より多くのメッセージをオウンドメディアで訴求できれば、読者の購買意欲を高められます。「既存の広告+オウンドメディア」へ、同時期に集中して力を入れることで、販促の相乗効果を狙えるわけです。
弊社へ全メディアへの投資プランをご共有いただければ、時期に合わせて「ここで大量に、記事を出しましょう」「この時期は他のメディアも控えめなので、オウンドメディアも予算を抑えましょう」といったプランニングも承れます。ご相談だけでもお伺いしておりますので、気軽にお問い合わせください。
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