父親はラッキーな人たちです_

【編集】Shuko Martinさんに聞いた「ライターさん一人ひとりの特徴をメモする」

インタビュー企画の記念すべき第一弾は、宮城県仙台市在住の編集者「Shuko Martin」さんに登場いただきました!

編集者という仕事は、本当に多くのライターさんと関わるもの。
特にShukoさんは、保育系のメディアでライター経験の浅い方とも仕事をすることが多いそう。

そんな、編集者の大きな仕事の一つである”ライターさんとの関わり方”において、Shukoさんが意識していることを伺いました。

Shuko Martinさん

居住地:宮城県
Twitter:https://twitter.com/siyucco
都内ITベンチャー数社での勤務を経て、結婚に伴い出身地の宮城にUターン。フルリモート・フリーランスで数社のオウンドメディア編集・企画、マーケティング支援に携わる。

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ライターさん一人ひとりの特徴をメモする

ー現在、編集を担当しているオウンドメディアの特徴を教えてください。

私の担当しているオウンドメディアは、保育士さんの転職や就職支援事業を行う企業が運営しているメディアです。

私はその中でライターさんが書いてくれた記事を編集したり、記事の企画や数値の分析をしています。

ーどのようなライターさんが集まっているのですか?

主婦の方、特に子育て中の方や保育士として勤務経験がある方々に書いていただいています。

保育ということが身近な方々なので、その立場を生かして求職者に寄り添える記事をともに作ることを心がけています。

ー読者にはより共感してもらえそうですね。そのライターさん達の特徴について教えてください。

ライターを本業でやられているわけではなく、子育てをしながら、保育士としての経験や育児経験をもとに文章を書いてくださっている方々がほとんどです。

ですので、調べながら長い文章を書くことに慣れていない方もいらしゃいます。

また、人によって文章の書き方やチェックするポイントなどに差があるので、私はその一人ひとりの特徴をメモするようにしています。

ー具体的に何をメモしているのか知りたいです。

大きく、以下の3つです。

・誤字脱字の量や種類
誤字脱字は、はじめはやはり気付きづらいものですし、納品前のチェックの有無も個人差があります。

・ファクトチェックの有無

法律や数字などデータを載せる際は、そのデータが正しいかどうか、その文献は何かを明確にしなければなりませんが、確認の厳密さに差があったり、「その必要性を知らなかった」という方も中にはいます。

・言葉遣い

固い表現になりすぎたり、反対に柔らかくなりすぎたりと、やはり言葉遣いも人によって異なります。

ー確かに、経験の浅い方だと気付きづらい点ですね。それらの点をメモすることで、どのようなことに役だっていますか?

大きく2つあります。

1つは、編集者としての仕事の負荷が予測できること。

「Aさんの原稿はこういうことを意識して見るようにしよう」「Bさんにはファクトチェックのことを伝えておかないと」など、着目すべき点を事前に見積もれると思っています。

もう1つが大きいのですが、ライターさんのいいところが見えることです。

自分が得意なことや好きなことだと、文章にも力が入りますよね。

それを見ると、「Cさんは絵本に詳しいんだな」「Dさんは保育業界のことをよく理解されている」など、新たな発見のタネにもなったりします。

そうすることで、「この文章はこの人だからこそ書けるんだな」という長所に気付くことができるのです。

メモを取ることで、”人となり”をより理解できるように

ーそのメモを取り始める前は、どんなことを課題に感じていましたか?

ライターさん全員をまとめて「ライターさん」ととらえてしまい、一人ひとりのことがよくわかっていませんでした。

そのような状態だと、Aさんのときは起こらなかったけどBさんのときは起きる、というミスもあり、他の編集の方にフォローされてばかりでしたね。かなり一辺倒な対応になっていた気がします。

ーそこでどのような行動を取りましたか?

まず、他の編集の方に直接聞いてみました。

「Eさんの文章ってこういう特徴ありますよね?」と。

そこはやはりその方も気付いていて、私よりも正確に把握していたんですね。

「じゃあなんで正確に把握できるんですか?」と聞いてみると、気付いた点のメモを作っていらっしゃって、それを私にも共有してくれたんです。

それを真似し始めたのが、そもそものきっかけでした。

ー他の方がすでに取り入れていたんですね。Shukoさんが実際真似してみて、どんなことがわかりましたか?

一番は、文章として残す重要性に気付けたことです。

頭の中だけで「Fさんはこういう癖あるかもなー」と思ってたことも、メモとして書き出すことで言語化されたように感じました。

また、その人のことをより理解できるきっかけにもなりました。

最初は仕事のことだけだったのが、段々とその人への興味が湧くようになり、雑談も増えてより深く理解し始めました。

たとえば「子どもが熱を出してしまったので、原稿の納品が遅れます」という場合も、「問題ないですよ」と状況を理解した上で臨機応変に対応できるようになりましたね。

自分では気付けない自分の長所にも気付けた

ーライターさんとしてだけではなく、人としての付き合いに昇華したんですね。この特徴のメモを取り入れたことで、良かったことを教えてください。

他人だけじゃなく、自分の長所にも気付けたことですね。

以前、都内のITベンチャーで働いていたときは、他人に頼み事をするのがものすごく苦手だったんですね。

周囲に優秀な人が多くて、「全部自分でやれない私はダメ!」なんて思ってしまい、どこか卑屈に感じていました。

でも、このメモのおかげで、他人のほうが優れている点と自分のほうが優れている点がわかり、自分に自信が持てるようになったんです。

任せるところは任せて、自分がやるところはやる。

そこからは、ライターさん一人ひとりと二人三脚で記事を作れているような気がします。

ー自分自身の肯定にもつながったとは素敵な話です。最後に、Shukoさんのこのメモを取り入れたい人もいると思うので、意識してほしい点などあれば聞かせてください。

まずは、一緒に仕事をする人へ敬意を払い、そして興味を持つことです。

もちろん、メモを取ることは自分自身のためになりますが、それは相手あっての行為なので、順番を間違えてはなりません。

「あなたのことをもっと知りたい」という純粋な気持ちをぜひ持ってほしいです。

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