肝経 Ⅲ

健康診断等ではコレステロール値が必ず表示され、悪玉コレステロール値が高いと食生活において肉食や油物を控えるようにだとか、コレステロールを下げる薬が処方されたりします。

このコレステロールも肝経の分類に入ります。そもそもコレステロールとは傷ついた細胞膜を修復したり、ステロイドホルモンの材料となる物質であり、コレステロールの8割以上が肝臓で生成されるのです。

人体にとってとても大切で重要な物質であり、実は総コレステロール値が高い人の方が長寿とのデータも指摘されています。

細胞膜が傷つくのは、交感神経が優位状態が持続して活性酸素が発生すること等が原因です。

また、ステロイドホルモンはストレスホルモンとも言われています。ストレスで不安定になったり、空腹時に糖質を摂取したりして乱れた血糖値を正常に戻したり、ストレスで発生する前述の活性酸素の影響で身体各所に炎症が起こった際、その炎症を抑える作用がある、生体維持に欠かせない貴重なホルモンです。

こう考えると、これらの材料になるコレステロールは、ストレス下で多量に生成されることがわかります。

そのストレスが継続するとコレステロールを生成する肝臓も疲弊することになります。

このようにコレステロールが高いからとむやみに薬で抑制したり、油や肉類を控えたりするのではなく、今それだけストレスをがかかり続けていることを認識すべきですし、では、どうしていくか、を問うべきだと思います。そして、しっかり肝臓も養生してあげたいものです。

 

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