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デブより痩せすぎの方が怖い?

「痩せているに越したことない」

そんな風に思っている人は意外と多いかもしれません。しかし、これは医学的に間違いです。

こちらはNEJMという医学界では最も信頼できる雑誌の1つに掲載された論文の図です。オレンジは癌による死亡リスク、ブルーは心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)、グリーンはそれ以外による死亡リスクを表しています。

BMI (=Body Mass Index)は体重(kg)を身長(m^2)で割って算出される値です。

BMIは身長に対して体重が重いほど高くなり、軽いほど低くなります。

上の図をみて分かる通り、BMIが低いアジア人は肥満の人と同等、あるいはそれ以上に死亡リスクが高まるということがわかります。特にがんや心筋梗塞以外の死亡について顕著です。

ではなぜ肥満が体に悪いことは世の中で認知されているにも関わらず、痩せ過ぎが身体に悪いことは認知されないのでしょうか?

僕は、罹患率(その病気にかかる人の割合)に原因があると思っています。

食生活の欧米化や車など移動手段の発達(=運動量の低下)によって生活習慣病罹患者はどんどん増えており、結果、がんや心血管疾患による死亡がほとんどとなっています。このためこれらの病気は、リスクが1.◯倍になるだけでものすごい人数がその病気に罹患することになります。

一方痩せすぎの人の割合というのは世の中全体で見れば多くないため、実は太り過ぎの人以上に死亡リスクが高まる可能性があるにも関わらずfocusを当てられないという現状があるように思います。

国としても多くの人がかかる病気にfocusし投資することは当然であり、政策は肥満解消に向けて動いています。

またビジネスとしても人数(=顧客)の多い肥満に対してダイエット商品や運動プログラムを提供した方が儲かります。

結果、「肥満は身体に悪い」「ダイエットには〇〇」といった情報が世の中に溢れる一方で、「痩せすぎは実は危険」という事実についてはあまり発信されていないように思います。

確かに心筋梗塞や脳卒中の患者さんは太り気味の人が多い印象はありますが、入院している人全体を見ると必ずしも太っている人が多いわけではありません。実際データとして、痩せ過ぎは肥満と同等、またはそれ以上の死亡リスクとなることが分かっています。

ダイエットをきっかけに自分の体と向き合うことは非常に意味がありますが、「痩せていれば痩せている程よい」という勘違いはしないよう気をつけましょう。

適度に食べ、適度に運動し、「適切な体重を維持する」ことが重要です。

実はデブより、痩せすぎの方が怖いんです。

体重の増減を見るだけでなく、自身のBMIが高過ぎたり低過ぎたりしないかもcheckするようにしましょう!

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