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迷走する立憲民主党


野党共闘?

 泉健太代表は先日、次期総選挙において150議席を獲得できなければ辞任すると発言した。立憲民主党の今の党勢を鑑みると、150議席を獲得するという目標はいささか野心的に思える。昨年実施された参議院選挙では比例票で日本維新の会に後塵を拝した。また、今年の統一地方選挙でも大きな成果をあげられていない。

 その様な状況で立憲民主党は共産党を含む野党共闘を当初は否定していた。この方針は支援団体である連合とも確認していた。一般的に小選挙区では一対一の構図を作った方が与党に対抗できるとされている。このため、他党や立憲民主党内部からも野党共闘を展開すべきとの声があった。

 しかし、最近になりその方針を修正した様だ。泉代表は7月7日の会見で野党各党と候補者調整をする方針を示した。また、「選挙協力」と「候補者調整」は別物であるとの認識を示した。つまり、候補者の一本化は実施しても、相互に推薦を出すとか街頭演説を実施するとかではないことを明確にしている。

 一個人の意見として果たしてその説明は有権者に通るのだろうか。側から見れば、明らかに「野党共闘」であると思う。また、「候補者調整」であったとしても少なからずキブアンドテイクがある訳で、政権奪取を成功できた時にどうするのか?という疑問が残る。更に国民民主党は「候補者調整」に共産党が入るなら協力しないと表明している。早くも秋には解散総選挙が実施されるとの観測が出ているが、「候補者調整」の効果は未知数である。


纏まらない組織

 蓮舫氏は6月4日放送の『 NIKKEI 日曜サロン』で泉代表の発信力に疑問を呈した。党内事情を聞かれた際に、蓮舫氏は「泉代表の発信力、発言力、リーダー力が十分かといわれたら、それは残念ながら、十分ではない」と発言した。この二人は、Twitter上でもやり合っている。5月13日に、蓮舫氏が150議席を泉代表の進退の明安にしたことについて批判的なツイートをしたのに対して、「なぜ同じ党の仲間であり、幹部経験者でもあるのに、こんな投稿をツイッターでされるのですか?やめませんか」と投稿した(その後削除)。泉代表は削除後のツイートの結びに「結束に努めてまいります」と書き込んでいる。ここに苦しい胸の内が詰まっているように思えてならない。


壊し屋、再び

 小沢氏は6月16日に「野党候補者の一本化で政権交代を実現する有志の会」を旗揚げした。これに対して党所属の衆議院議員96人の内、53人が賛同の意を示したと言う。

 小沢氏は自民党を二度も政権の座から引き摺り下ろした張本人である。みなさんご存知の通り、細川政権と民主党政権である。何れも自民党が失策を重ねていたタイミングであるが、そのチャンスを物にするのは流石である。しかし、私たちは以下の点も覚えていなければいけない。それは、どちらの政権も短命政権であったことである。突然の社民党外しや所謂、「小沢系議員」を引き連れた離党などやや独断専行的な一面がある。内部に亀裂が入ると修復ではなく、それを大きくしてしまう。現在、小沢氏は執行部では無いためそこまでの影響力はないが、小沢氏が動く時は政局になりやすいため注目の立ち上げである。また、この会の立ち上げは泉代表が当初、否定していた「候補者調整」を行う転機になったのかもしれない。

 次の衆議院選挙で惨敗した場合、いよいよ立憲民主党は野党第一位の座を明け渡す可能性がある。その時にでも一致団結できるか瓦解してしまうかを国民は注視している。

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