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内閣改造

顔ぶれ

 9月13日、第二次岸田第二次改造内閣が誕生した。岸田政権を支えてきた主要メンバーの多くは留任となり、政権の骨格を維持した格好だ。また、女性の登用を重視した今回は前回から2.5倍となる5人の女性が入閣し小泉内閣・安倍内閣に並び過去最多タイとなった。一方で、初入閣は11人で再入閣は2人に留まった。

 派閥別で見ると安倍派と麻生派が最多の4人、続いて茂木派が3人、岸田派と二階派が2人、谷垣G1人などとなっている。所属人数の多い派閥から順に入閣しているため、各派に配慮したバランス重視の人事と言える。

ポイント

 今回のポイントは、上川陽子衆議院議員が外務大臣として入閣したところだろう。直前まで林外務大臣がキーウを訪問しゼレンスキー大統領らと会談していたことから、林氏が続投すると予想されていた。しかし、一転して上川氏が就任したことはサプライズと言える。女性の外務大臣は田中眞紀子氏、川口順子氏に次いで3人目となり約20年ぶりの就任となる。

 上川氏は法務大臣時代にオウム真理教の松本智津夫元死刑囚ら教団幹部の死刑執行を命じたことで知られており、胆力のある政治家として有名である。政界の一部では女性初の総理は上川氏だと言われるほどである。また、ハーバード大学に留学した経験もあり語学が堪能で米議会上院議員のスタッフを務めた経験から実務能力にも定評がある。

総評

 全体感として新鮮味に欠ける内閣改造となっている。平均年齢は63.5歳で最年少は加藤鮎子衆議院議員となった。個人的な印象であるが、報道等でよく耳にする政治家は少なく、とっつきにくさを感じる。また、一部報道では自ら辞任を申し出たとされているが、木原官房副長官の交代は岸田総理の外遊にも頻繁に同行しており、謂わば、「懐刀」が交代したことで官邸内にどの様な変化が生じるかは注目点である。

 また、来年9月には総裁選が控えている。岸田総理は再選を目指すと予想されているが、対抗馬として名前が挙げられる高市氏や河野氏、茂木氏を野に放たなかったことは総裁選を睨んだ布陣と考えられる。加えて、ドタバタ劇をしていた安倍派は今回も最多の閣僚を輩出した。会長選出をめぐり意見がまとまらなくとも最多の所属議員がいることを鑑みた結果となっている。

 解散総選挙が今秋にもあるのではないかと見られているが、支持率が低迷する中で物価対策や賃金、安全保障など問題は山積しており着実な仕事が求められる。

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