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【コロナ禍の健康管理3】心のケアはオンラインでできるのか


前回の記事で職場づくりのポイントとして信頼の文化についてお話しました。
ここでは、いまコロナ禍の職場で実際に起きているさまざまな健康問題についてみていきたいと思います。

みなさんの職場は、如何でしょうか。

現場での悩みは尽きない

産業保健の視点からコロナ禍にある職場を眺めると、在宅ワークによる運動面の心配や生活リズムの乱れなどの身体面への影響も懸念されますが、それ以上に深刻なのが精神面への影響です。
コミュニケーション不足からくる不安や判断の迷いなど、メンタルケアを必要とする人びとが増えてきていることを実感します。

テレワークが中心になったり、シフトで人との接触が減ったりする中、休憩時間や就業後の交流だけでなく、顔を合わせたほんのひとときの軽い雑談さえもなくなって、社内コミュニケーションがとれなくなっています。

特に新入社員や異動したばかりの社員など、その場にいれば築けたはずの人間関係がつくれず、先の見えない不安に陥っている人も少なくありません。


ヒントとなるのは「つながり」の再考

メンタルケアに必要なのは人と人とのつながりです。新型コロナウイルス感染症の拡大は、人の接触を問題にするため、このつながりが断絶してしまっています。
業務を効率よく進めるための手段としてオンラインによる情報共有は発展してきましたが、コミュニケーションを強めるツールとは言い難いところがありました。

オンラインでは、こころをつなぐコミュニケーションはできないのでしょうか。

アナログ感覚を引き出すSNSの活用法

デジタルツールを活用したオンラインコミュニケーションは、同じ場所にいるリアルでのコミュニケーションに取って代わる手段にはなりません。
むしろオンラインだからこその利点を生かした「新しいつながり」に着目し、穴埋めではなく一歩先行くコミュニケーション法の開発と考えていくべきです。

例えば、デジタルコミュニケーションの特徴ともいえる「シェア」があります。事務連絡などで情報を同じにするという共有ではなく、発信者の発見や疑問など、ちょっとした気持ちを一緒にする感情の共有です。

ソーシャルネットワークサービス(SNS)には、賛同(いいね)の意をスタンプなどで表明したり、投稿を転送したりする機能があり、人から人へ、気持ちが拡散されていくしくみがあります。
SNSが拡散させているのは「つながり」です。もちろん投稿の内容も広めているのですが、人びとが共有しながら感じているのは、同じように生きている人の存在なのです。


在宅ワークで運動不足を解消するため1日の歩数を記録する健康管理を行うとしましょう。各自でただ歩いた記録をつけていくだけだと長続きせず、義務感ばかり募ります。
これを、職場単位で歩数を競いって社内SNSでチャレンジの状況をシェアしたり、いいねを押しあうイベントにしてみたらどうでしょう。

実際にWellGoがご支援する、ある企業様でこのようなイベントを開いたところ、単に歩数を報告しあうだけでなく、それぞれの職場の様子なども写真で共有しあうようになり、離れていてもつながりあえていることを実感したという声も多く聞きました。

気持ちがつながるのに、リアルもオンラインも関係ないのです。


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株式会社WellGoでは、コロナ禍での職場づくりについて、現場での悩みや改善のヒントを知るウェビナーを開催いたします。

開催日時:12月16日(水)12:00~
開催方法:Zoomウェビナー(無料)
タイトル:「チームになる」とは何か? ~信用・信頼・信仰~
     第一部 講演(講師:石川善樹氏)
     第二部 パネルディスカッション(パネラー:安岡美緒氏)

どなたでも無料で視聴いただけます。下記フォームからお申し込みください。

ウェビナー申し込みフォーム


プロフィール

講師 石川善樹(いしかわ・よしき)

石川先生

予防医学研究者、博士(医学)
1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。
「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。
専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学など。

近著
『フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略』(NewsPicksパブリッシング)
『考え続ける力』(ちくま新書)
『継続とは「小さな問い」を立てること DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文』(ダイヤモンド社) など。


パネラー 安岡美緒(やすおか・みお)

保健師。
急性期から家庭医療まで広く経験後、企業の健康サポート室の立ち上げから従事。
地域でのグリーフケア活動をしながら、現在は2社で産業保健師を務める。

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