見出し画像

【コロナ禍の健康管理1】企業の品格は従業員への姿勢に現れる


新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの企業が業務のありかたや企業戦略を再構築する必要に迫られています。


しかし、多くの企業が行っている対策は、リモートワークの推進やシフトの再構築にみられる業務改革。企業活動を支える人の健康問題に対しても感染症対策という「身体の安全確保」を中心とした取り組みが大半です。

ほんとうに考えるべき企業の課題、「従業員の心の健康問題」は、この先に潜んでいます。

企業の課題は身体の健康から心の健康へ

自然災害と異なり、ウイルスは建物などのハードは壊しませんが、人から人へ感染が広がるため、人と人が関わる活動が制限されてしまいます。

これまでは「働き方改革」の名の下、身体的な健康を支える必要が重要視されてきました。
効率的な業務のしくみの中で従業員が働きすぎないように守る、元気で業務に携わることができるように未病のうちに健康を維持するといったイメージが主流でした。

今でも身体的な健康は重要ですが、それに加え、活動が抑制された中で思うように働けない従業員のこころに寄り添う精神的な支えがクローズアップされるようになっています。


自助には限界がある

従業員の心の状態なんて個人の領域、働きかけることのできるところは少ないと思われるかもしれません。

自然災害の対応でよく言われる「自助」「共助」「公助」という考え方があります。
まず個人や家族でできること(自助)、職場など身近な人とできること(共助)、国や自治体など公的な組織ができること(公助)の3つの助けが組み合わさることで災害に立ち向かうことができるという考え方です。

いま蔓延しているウイルス対策も基本は同じ。個人でがんばるには限界があります。
一人ひとりが行う自助の対策と、職場で支えあう共助のチームワーク、企業全体で支える公助のしくみが組み合わさってはじめて健康でいることができます。

こころのケアは特に、支えあうしくみが必要です。
人は、つながって生きる存在だからです。


この冬を乗り切るヒントは「フルライフ」にあり

冬期になったいま、コロナウイルス感染症は都市部を中心に陽性者数が最多記録の更新を繰り返し、少なくとも3回めとなる流行拡大期を迎えています。

感染症の広がりは、何度も収まるようにみえては広がるという波を繰り返していくところに特徴があります。
このため、「いつまで続くのか」「今度はもうだめかも」と、先が読めない不安から精神的にダメージを受ける人も、これからさらに増えていくことが予想されます。

この冬をどう乗り切っていくか。
そのヒントは、「フルライフ」という考え方にあります。

フルライフは、ひとことでいうと人の生きるスケール(時間)の使い方の戦略です。
一人ひとりの充実した人生を実現させるため、職場づくりでは何に重点をおき、どのような関係性をつくっていけばよいのか。
このしくみづくりが、従業員のこころを支える大きなヒントをあたえてくれます。


----------------

株式会社WellGoでは、「フルライフ」を予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学の観点から実践しておられる石川善樹先生をお迎えし、コロナ禍での職場のありかたについての講演を開催いたします。

開催日時:12月16日(水) 12:00~
開催方法:Zoomウェビナー(無料)
タイトル:「チームになる」とは何か? ~信用・信頼・信仰~
     第一部 講演(講師:石川善樹氏)
     第二部 パネルディスカッション(パネラー:安岡美緒氏)

どなたでも無料で視聴いただけます。下記フォームからお申し込みください。

ウェビナー申し込みフォーム


プロフィール

講師 石川善樹 (いしかわ・よしき)

石川先生

予防医学研究者、博士(医学)
1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。公益財団法人Wellbeing for Planet Earth代表理事。
「人がよく生きる(Good Life)とは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。
専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、概念工学など。

近著
『フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略』(NewsPicksパブリッシング)
『考え続ける力』(ちくま新書)
『継続とは「小さな問い」を立てること DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文』(ダイヤモンド社) など。



パネラー 安岡美緒(やすおか・みお)

保健師。
急性期から家庭医療まで広く経験後、企業の健康サポート室の立ち上げから従事。
地域でのグリーフケア活動をしながら、現在は2社で産業保健師を務める。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?