朗読劇「鬼滅の直樹 無限列車編」ノーカット完全版

『鬼滅の直樹(半沢直樹 無限列車編)』

(北王路)
半沢次長、鬼殺隊への出向を命ずる。

ナ)
【鬼殺隊、大正時代よりもさらに昔から、長きにわたり人々を鬼から守り続けた鬼狩りの部隊のことである】

(半沢)
はぁ、はぁ、はぁ、あと少しだ、あと少しで、温かい家に帰れる、頑張れ花。

ナ)
【半沢の背負った大きな木箱には、妻である花が隠れていた。花を木箱に入れているのにはある理由があった】

(ナ)
「止まれ半沢!背中のそれを置いて去れ!」

(半沢)
「どいてくれ、花は何もしていない!」

(ナ)
「黙れ!何もしてなくったって、これから人を喰うんだろう!!」

(半沢)
「どうしてわかってくれないんだ。やられたらやり返す、、壱の型、倍返しだ!」

(ナ)
「う、うあああ」
強力な一撃を受けた隊士は雪山を転げ落ちていった。

(北王路)
「半沢君、そこまでだ」

(半沢)
「お、お頭様」

(北)
「頭として命ずる。半沢、その背中のものを置いて去れ」

(半)
「もの?!ねず子、じゃない花はものなんかじゃない、」

(北)
「人間でもないのではないか?」

ナ)
【長い沈黙があった。その沈黙の時間がそのまま現実の重さを現すかのように。】

(北)
「東京中央銀行は世間の信頼を失い、銀行沈没とまで言われ危機を迎えている。
そんな中、もしも鬼をかくまっていたなんてことが世間に知れたらどうなる?
背中の箱に入っているのはなんだ?臭いでわかるよ、鬼だ」

(半)
「鬼じゃない。花は私の妻であり人間です。そりゃあ、他の女性の臭いがあるときは
鬼みたいになることもあります。コペルニクスの購入履歴を見て不自然なところを
見つけると、鬼かと思うくらいに怒ります。
でも、花は人間です。」

(北)
「話にならないな」

(半)
「待ってください、渡真利!?今、これるか、めちゃくちゃ相当激しくヤバいぞ」

(渡真利)
「半沢、大丈夫か」

(半)
「渡真利!」

【音楽】

(渡真利)
「半沢、背中の箱を置いて逃げろ!これ以上はフォローできない。花ちゃんがもしも、
人を襲ったりしてみろ。半沢、今度は出向どころじゃすまないぞ。」

ナ)
【抜刀し全力で戦う構えを見せる渡真利。その眼に迷いはなかった。それは命令に従っているのではない。
渡真利忍本人の意志だ。迷えば殺される。鬼の本当の恐ろしさを知るものだけがまとうことのできる強い意志であり、それこそが
渡真利が見せる半沢への想いなのだ。半沢は背中の箱を置いた】

(半)
「花、ここで少しだけまっててくれ」

(渡真利)
「どけ!どいてくれ半沢!そこにいるのは花ちゃんだけど
花ちゃんはもう人間じゃない、わかってるのか?」

(半)
「花は鬼だ」

(渡真利)指を鳴らして
「ビンゴ」
「お前自分がどうなってもいいのか?」

ナ)
【傘を抜いて構える半沢】

(半)
「鬼が怖くて鬼殺隊なんてやってられるか!」

(渡真利)
「えぇい、わからずや」
「審査部の呼吸、参ノ型、油山!」

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