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【ガーデニング】有機肥料よりも重要な因子

 今年に入ってからガーデニングに本腰を入れるようになった。

何を植えても面白いように育ち、バンバンと収穫ができた。

その途中からコンポストを導入して、自分で肥料も作るようになり、できあがった肥料もガンガン使うようになった。

有機肥料を混ぜ込んだ土で育てた子達は、びっくりするほどにすくすくと育った.........

というわけではなかった。

確かに最初のうちは、すくすくと問題なく育っているように見えたが、台風から続く長雨の中で根腐れを起こして悲惨な状態になったハーブさんもいた。

ヤロウレッドは何とか持ち直したけれど、カモマイルローマンはそのまま........。

カナメ「あの肥料、よくないんじゃないの?」

私もチラッとそれを思った。たまたまかもしれないけれど、明らかに有機肥料をたっぷりと混ぜ込んだ子達の方が、そうでない子達に比べて有意に活力を落としているように見えたのだ。

原因は分からなかったが、そのうち長雨の影響も薄れ、水やりの頻度も様子を観ながら控えたりもしているうちに、残った子達はすべて以前のように元気になってきた。

いやいや、キュウリやトマトなど、肥料を混ぜ込んだことで露骨に元気になったように見えた子もいたのだ。葉の数が一気に増えたのだ。

分からない。いいのか悪いのか。

先日になって、レモンバーベナとレモンバームを植え替えた。

その土をブレンドしながら考えた。ハーブ用の土は、腐葉土に赤玉土やパーライトなどを混ぜ込むのだが、びっくりするほど粒が大きいものの集合体なのだ。

同じ土で、タイムの植え替えもした。ちゃんと保水するのかどうか分からないくらい、ゴロゴロである。これが土と言えるのかと疑問に思うくらいだった。

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最初はこういう感じ。

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それが、びっくりするほど順調に育っているのだ。ガサガサの土なのに!

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整理したプランターから土を再生するときのプロセスについて調べているときに、妙な文を見つけた。

いちばん目の細かいふるいから落ちた土は、粒が細かすぎて目詰まりを起こすので捨てる

というような内容であった。

はい?

私から見ると、それは「ザ・砂(土)」と言うべきもので、それが不要ってどう言うことかと。

要するに微塵の様に粒子が細かいものは、粒子間に隙間が開かないために通気性や排水性が良くないらしい。

!!!!!!

確かに。

長雨でいくつかの植物が活力を無くしたのは、有機肥料のせいというよりも、土全体の通気性や排水性が良くなかったからだ。

サクサク排水されるような土壌環境であれば、長雨の影響もそれほどまでではなかったかもしれない。

有機肥料がダメだったわけではなく、そのバランスが問題だったわけだ。

多く入れれば入れるだけ肥沃な土になるかというと、それはそうかもしれないけれど、それがイコール植物にとってベストな環境かというと否なのである。

人間が健全に育つための要素を満たすことなく、栄養だけをドーピング注射してもマトモな大人に育たないように、基本的人権が保たれるレベルの衣食住が与えられて初めて「栄養バランスが.......」「無農薬有機栽培の野菜が....」などと言えるわけで。

ごめんよ。

キミたちの基本的植物権を、私は満たしてあげていなかったのだね。

特にハーブくんなんて、栄養なんて与えなくても通気性排水性に富んだ環境であればとりあえず自分を支えて上に伸びることはできるんだし、土と水と太陽光があれば、そこから色々と合成して栄養として取り込めちゃうのだから、人間がいらんことするなって感じだよね。

健全な環境が整えば、「善玉な微生物がキャッキャと集うステキなお家」も価値があろう。

三周くらい回っての結論なんだけど、プロの叡智というものはすごいし、その叡智はタダでふわっと発生したものではないわけよ。プロの叡智の詰まったものを素人が試行錯誤する必要なく使うためには、そのための対価を払わなければならないのだ。

最初にサンチュを植え始めた時は、市販の培養土に化学肥料を混ぜ込んだ土を使っていた。

それが、びっくりするほどイージーにすべてスクスクと育ったのは、その土自体がすでに高付加価値なものであったわけよ。高くて当たり前よね.......。ちなみにこういう容量が大きいものは、近くのホームセンターで買う方が圧倒的に安いよ。

ところで、土には通気性と排水性だけではなく、保水性も必要で、そのことを理解した上でブレンドして自分の土を作ることは難しくない。ネットに情報もたくさんあるしね。

そして、例えば腐葉土、赤玉土、バーミキュライト、パーライト.....などを個々に購入した方が、培養土を買うよりも結果的には安くなる。しかし、いつまでもそれらの袋が中途半端に残り続けるので、置き場に困るという問題が生じる。

ベランダで家庭菜園をするのであれば、サクッと培養土やハーブの土、観葉植物の土、バラの土など用途ごとに使い切れる量のものを、割高でも購入する方が精神衛生上良いとは思う。

微生物さんへの興味が高じすぎてミクロが過ぎた私。全体の環境も見てあげなければ。

カナメ「なんか.......土って無限に増えるよね。」

ぼかし和えを混ぜ込んだホカホカの土を見ながら、彼が言う。

でもこの土を単独で使えるわけではないので、そこに赤玉土とかを混ぜ込むと、さらに増える........orz

本来ならば最も小さい目のふるいをかけて落ちたものは不要な「微塵」なので廃棄すべきなのだが、実際のところ廃棄できる術がないというか.....(汗)。なので我が家では小さい目でふるうことはせずに、そこに再生材や赤玉土を混ぜ込むことで全体から見た微塵の割合を減らすようなことをしている。ベストな環境ではないかもしれないが、人間も植物も、与えられた環境で生きるしかなく。

観察をしていると、その環境に慣れるのか、ある時点から何をか悟ったかのようにぐいっと植物が育つこともあり、意外とその環境でサバイブしていけているみたい。

っていうか、残った子達の生存者バイアスでしかないのだけれど。

まだまだ私の試行錯誤はつづく.......。

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